• イスラエルによると、ガザでは約100人の人質がまだ拘束されており、さらに約30人の遺体も見つかっている。
• ハマスや他の武装勢力によって連れ去られた250人の人質の約半数が解放されたが、そのほとんどはイスラエルが拘束しているパレスチナ人囚人との交換であった。

エルサレム：数千人が政府に反対し、ガザでハマスに拘束されている人質を取り戻すよう要求するデモに集まった後、土曜日にはテルアビブでイスラエル警察とデモ参加者との間で乱闘が発生した。

一方、イスラエル南部の都市アシュドッド近郊の浜辺に、小型の米軍艦船とドッキング施設の一部らしきものがうち上げられた。イスラエル軍によると人道援助物資をパレスチナ自治区に運んでいるという、米国が建設した桟橋からそう遠くない場所である。

また土曜日には、イスラエル軍による砲撃がガザ北部と中部で報告された。

テルアビブでは、10月7日のハマスによるイスラエル攻撃で拉致され、イスラエルとハマスの戦争が始まった直後を映したビデオに登場した女性兵士たちの写真を掲げたデモ参加者もいた。「戦争を止めろ」「助けてくれ」と書かれた横断幕を掲げる者もいた。彼らは政府に対し、いまだ拘束されている数十人の人質を解放するための合意に達するよう求めた。

抗議者たちはまた、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の辞任を求め、新たな選挙を要求した。

「人質全員の帰還を求める女性たちの抗議 」グループのヒリット・サギ氏は、「みんなビデオを見ました。政府がこの人たち全員を見捨てた以上、家にいることはできませんでした」と語った。

約1200人が死亡し、250人が人質に取られたテロ事件後、ネタニヤフ首相がハマスとの戦争にどう対処したかをめぐって、イスラエル国民の間に分裂が深まっている。イスラエルによれば、ガザでは約100人の人質がまだ拘束されており、さらに約30人の遺体も見つかっている。

2024年5月26日、テルアビブで、10月7日の攻撃でガザのパレスチナ武装勢力に人質に取られたイスラエル人の親族や支援者によるデモ中、デモ参加者を拘束するイスラエル警察。(AFP＝時事）

「彼らは人質が戻ってくるために、軍事力を行使したり、人質と交渉したり、十分なことをしていない」と、ガザで拘束されている人質カルメル・ガットさんの叔父、スニール・ダハンさんは語った。

週明けに、イスラエル軍が金曜日に発表したところによると、殺害された3人の人質の遺体がガザから回収された。同軍によれば、彼らは攻撃当日に殺害され、遺体はガザに運ばれたという。この発表は、軍が10月7日に殺害された他の3人のイスラエル人質の遺体を発見したと発表してから1週間もたたないうちに行われた。

ハマスや他の武装勢力によって連れ去られた250人の人質の約半数が解放されており、そのほとんどは11月の1週間の停戦中にイスラエルが拘束したパレスチナ人囚人との交換であった。

ネタニヤフ政権は、戦争を止め、230万人のパレスチナ人（その80％近くは避難民）が住む飛び地への人道支援を認めるよう、国内外からの圧力が強まっている。

また今週、ヨーロッパの3カ国がパレスチナ国家を承認すると発表し、国際刑事裁判所の主任検察官はハマス幹部とともにイスラエル指導者の逮捕状を請求した。

金曜日、国際司法裁判所はイスラエルに対し、ガザ南部のラファ検問所での軍事攻撃を中止し、重要な人道支援のために近隣の検問所を開放するよう命じた。国連最高裁判所はまた、イスラエルは戦争犯罪調査官にガザへの立ち入りを許可しなければならないと述べた。

しかし、裁判官たちは、パレスチナ全土での全面停戦を命じるには至らず、イスラエルが裁判所の裁定に従う可能性は低い。南アフリカは、イスラエルがガザでの戦争中にパレスチナ人に対して大量虐殺を行ったと非難しているが、イスラエルはこれを激しく否定している。

「私たちは戦争が終わることを望んでいました」と、10月のハマスの攻撃後にイスラエルが開始した地上作戦を受けて、ガザ市からラファに移動したイスラム・アブ・カマールさんは語った。

過去2週間、イスラエル軍がラファの奥深くまで侵攻したため、100万人以上のパレスチナ人がラファから逃れた。イスラエルが今月、ガザへの燃料や物資の重要な中継地点であるラファ検問所を占拠したことは、援助活動を崩壊寸前にまで追い込む一因となったと、国連や救援団体は述べている。

イスラエルは、ハマスの最後の砦を破壊するためにラファに侵攻する必要があるという。エジプトは、イスラエルのガザ南部への主要な入口であるケレム・シャローム国境検問所から国連の人道支援トラックを送ることに同意したと発表した。

しかし、ラファではまだ戦闘が続いているため、トラックが入れるかどうかは不明だ。

イスラエルによれば、援助物資はガザ北部を通り、米国が建設した桟橋を経由してパレスチナ自治区に移動しているという。土曜日には、イスラエル南部の都市アシュドッド近郊の海岸に、米軍の小型ボートとドッキングエリアらしきものが打ち上げられた。

米中央軍によると、人道支援活動を支援する4隻の艦船が荒波の影響を受け、うち2隻はガザ沖の桟橋付近に漂着し、もう2隻はイスラエルに漂着していた。

米中央軍によれば、負傷者は出ておらず、米国はイスラエル軍と協力して船舶の回収に当たっているという。

アメリカ政府関係者は、この桟橋が最大限の能力を発揮すれば、毎日トラック150台分の援助物資をガザに運ぶことができると期待している。これは、ガザの人々を飢餓の瀬戸際から救い出し、7ヶ月に及ぶイスラエルとハマスの戦争によって引き起こされた人道的危機に対処するために、USAIDが毎日必要としているトラック600台分の食料、緊急栄養治療、その他の物資のほんの一部である。

イスラエルによる砲撃は土曜日も続き、ガザ北部と中部への空爆が報告された。

目撃者によると、ジャバリヤとヌセイラットへの攻撃で死者が出たという。

保健省によると、この戦争で35,000人以上のパレスチナ人が死亡している。

AP