• ガザ政府、学校に避難していた27人が殺害されたと発表
• バイデン氏はイスラエルに警告することなく停戦案を発表した、と米政府高官は述べた。

カイロ／エルサレム：ハマスの指導者は水曜日、停戦計画の一環として、ガザでの戦争の恒久的な終結とイスラエルの撤退を要求すると述べ、ジョー・バイデン米大統領が先週宣伝した停戦提案に明らかな打撃を与えた。

一方イスラエルは、停戦協議中も戦闘を止めることはないとし、ガザ地区の中央部、まだ戦車が突入していない最後の都市の近くへの新たな攻撃を開始した。

ハマスの指導者イスマイル・ハニヤ師の発言は、先週バイデン大統領が発表した提案に対するパレスチナ過激派グループの返答を伝えたように見えた。ワシントンは、バイデン氏がイスラエルのイニシアチブと表現したものに対するハマスからの回答を待っていると述べていた。

ハニヤ氏は、「レジスタンスの運動と派閥は、侵略の包括的な終結、完全な撤退と捕虜交換に基づくいかなる合意にも、真剣かつ前向きに対処する」と述べた。

彼の発言がバイデン氏に対するハマスの返答に相当するかどうか尋ねられたハマス高官は、ロイターからのテキストメッセージに「親指を立てる」の絵文字で答えた。

ワシントンは依然として合意を強く求めている。ウィリアム・バーンズCIA長官は水曜日、ドーハで仲介役のカタールとエジプトの高官に会い、停戦案について話し合った。

11月の1週間の短い停戦以来、停戦を取り決めようとする試みはすべて失敗に終わっている。ハマスが紛争の恒久的な終結を要求する一方で、イスラエルは過激派グループが敗北するまで一時的な停戦のみを協議する用意があると言っている。

バイデン氏は過去数カ月間、停戦は近いと繰り返し宣言してきたが、停戦は実現しなかった。特に、彼は2月に、イスラエルは3月10日のイスラム教のラマダン（断食月）開始までに停戦することに合意したと述べた。

しかし、先週の発表は、ホワイトハウスからのはるかに大きなファンファーレとともに行われ、ベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相が、8ヶ月に及ぶ戦争を終結させる道筋を描き、ハマスに拘束されているイスラエル人人質の解放を交渉するよう、国内の政治的圧力が高まっているときに行われた。

数名のアメリカ政府関係者がロイターに語ったところによると、バイデン氏はイスラエルの同意を得た後、ネタニヤフ首相が手を引く余地を狭めるため、イスラエル側に警告することなく、意図的にこの提案を発表したという。

「我々は提案を発表する許可を求めていない。ガザの状況について演説するとイスラエル側に伝えた。その内容についてはあまり詳しくは語らなかった」

ガザを支配するハマスは、10月7日にイスラエル領内を攻撃して戦争を引き起こし、イスラエルの集計によれば、約1200人を殺害し、250人以上の人質を捕らえた。人質の約半数は、11月に1週間続いた戦争唯一の停戦で解放された。

イスラエルによるガザへの軍事攻撃により、同領土の保健当局によれば、36,000人以上が死亡し、さらに数千人が瓦礫の下に埋もれている恐れがあるという。

生ぬるいイスラエル

バイデン氏は停戦提案をイスラエル側の申し出と説明したが、イスラエル政府は公の場では生ぬるい態度をとっている。日曜日にネタニヤフ首相補佐官は、イスラエルがこの提案をしたことを確認した。

ネタニヤフ政権の極右メンバーは、もしネタニヤフ首相がハマスを残す和平協定に合意すれば、ポストから退くと公言している。

紛争が始まった当初、結束を示すためにネタニヤフ首相の戦時内閣に加わった中道派の反対派も、ネタニヤフ政権には何のプランもないとして、辞めると脅している。

一方、ヨアヴ・ガラント国防大臣は、停戦提案をめぐる交渉が行われている間、イスラエルの攻撃の手を緩めることはないと述べた。

ガラント国防相は、ガザ前線視察のため軍用機に搭乗した後、イスラエルメディアの取材に応じ、「ハマスとのいかなる交渉も、砲火の下でのみ行われるだろう」と述べた。

イスラエルは水曜日、ガザ中心部でのハマスに対する新たな作戦を発表した。

木曜日未明、ハマスが運営するガザ政府のメディアオフィスによると、イスラエルのミサイルにより、ガザ中心部のヌセイラットにある国連学校に避難していた少なくとも27人が死亡、数十人が負傷したという。

イスラエル軍は、学校内にハマスの施設があり、10月7日のイスラエル攻撃に参加した戦闘員は 「排除された 」と述べた。イスラエル軍の戦闘機による攻撃の前に、軍は民間人への危害のリスクを減らすための措置を講じたという。ハマスからの即時のコメントはなかった。

ハマスとイスラム聖戦の武装組織は、水曜日にイスラエル軍と飛び地全域で銃撃戦を繰り広げ、対戦車ロケット弾や砲弾を発射したと述べた。

ガザで機能している最後の病院のひとつである市内のアル・アクサ殉教者病院で水曜日に安置された死者の中には、子ども2人が含まれていた。弔問客は、子供たちは母親と一緒に殺されたのだと語った。

「これは戦争ではなく、言葉では表現できない破壊だ」と父親のアブ・モハメド・アブ・サイフさんは語った。

ロイター