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イスラエルのゴラン高原で11人が死亡、戦争拡大の火種になる恐れ。ヒズボラは関与を否定

2024年7月27日、イスラエル領ゴラン高原のマジュダル・シャムス村で、レバノンからの空爆があったとされる現場から負傷者を搬送する衛生兵。(AFP=時事通信)
2024年7月27日、イスラエル領ゴラン高原のマジュダル・シャムス村で、レバノンからの空爆があったとされる現場から負傷者を搬送する衛生兵。(AFP=時事通信)
2024年7月27日、イスラエル領ゴラン高原のマジャル・シャムス村で、レバノンからの空爆があったとされる現場に集まり、慰め合う地元住民。(AFP=時事通信)
2024年7月27日、イスラエル領ゴラン高原のマジャル・シャムス村で、レバノンからの空爆があったとされる現場に集まり、慰め合う地元住民。(AFP=時事通信)
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28 Jul 2024 02:07:40 GMT9
28 Jul 2024 02:07:40 GMT9
  • イスラエル外相、ヒズボラとの「全面戦争の瞬間」が近づいていると発言
  • ヒズボラは「今回の攻撃とは無関係」と表明
  • イスラエル軍は、ロケット弾攻撃への反撃を準備していると表明

テルアビブ: イスラエルとレバノンの武装組織ヒズボラとの戦闘が始まって以来、イスラエル北部の国境近辺に対する攻撃としては、最も大規模なものであった。これにより、より広範な地域での戦闘が懸念されることになった。

イスラエルは、ゴラン高原での攻撃についてヒズボラを非難したが、ヒズボラは即座にその関与を否定した。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ヒズボラは「この攻撃によって、今まで以上に重い代償を払うことになるだろう」と警告した。

イスラエル軍の主任報道官ダニエル・ハガリ氏は、ガザ戦争の発端となった10月7日のハマスの奇襲攻撃以来、イスラエル市民に対する最も大規模な攻撃だと述べた。他に20人が負傷したという。

「ヒズボラが、超えてはならない一線を越えたことは間違いなく、それ相応の報いを受けるだろう」とイスラエル外相イスラエル・カッツ氏は、民放放送チャンネル12に語り「全面戦争に直面する瞬間が近づいている」と続けた。

ヒズボラのモハメド・アフィフ首席報道官はAP通信に対し、「マジュダル・シャムスへの攻撃を断固として否定する」と表明した。ヒズボラが攻撃を否定するのは異例だ。

日没直前のサッカー場での攻撃は、ヒズボラが戦闘員3人を殺害したと発表した土曜日の国境付近の攻撃の直後であった。イスラエル軍は、空軍が国境沿いのクファル・キラ村にあるヒズボラの武器庫を攻撃し、武装勢力が内部に潜伏していたと発表した。

ヒズボラによると、戦闘員はイスラエルの軍事拠点に対し、ロケット弾や自爆ドローンを使った計10回の攻撃を行い、最後の攻撃はマーレ・ゴラニにあるハラマン旅団の陸軍司令部をカチューシャ砲で標的にした。また別の声明で、短距離ロケット弾のファラクで同軍の拠点を攻撃したと述べた。この攻撃は、レバノン南部の村落に対するイスラエルの空爆に反撃したものだという。

米国を訪問中のネタニヤフ首相は、帰国時間を明言せず、数時間だけ予定を早めるとしている。帰国後、安全保障内閣を召集するという。

ネタニヤフ政権の極右メンバーは、ヒズボラに対する厳しい対応を求めた。しかし、ハマスよりはるかに優れた攻撃力を持つ武装勢力との全面戦争は、ガザでの10ヶ月近い戦争の渦中では、イスラエル軍にとって大きな試練となる。

イスラエルのチャンネル12で放映された映像は、マジュダル・シャムスの谷のひとつで大きな爆発が起きた様子を映し出していた。マジュダル・シャムスは、イスラエルが1967年の中東戦争でシリアから接収し、1981年に併合した。ゴラン高原にあるイスラム教ドルーズ派の町であり、住民の多くは、いまだにシリアに帰属意識を持っている。イスラエル併合を拒否しているが、イスラエル社会とのつながりは年々強まっている。

映像は、サッカー場で待機している救急車に向かって、衛生兵が担架を急いで搬送する様子を映し出していた。

住民のハイル・マフムードさんは、ロケット弾が地面に直撃したとき、子どもたちはサッカーをしていたとチャンネル12に語った。その数秒前にサイレンが聞こえたが、避難する時間はなかったという。

ある小学校のジハン・スファディ校長は、チャンネル12に対し、死者の中に5人の生徒が含まれているとし「両親は泣き叫んでいます。誰も何が起こったのか受け止められないのです」と語った。

イスラエル軍の分析によると、ロケットはレバノン南部のチェバア村の北側から発射された。

ホワイトハウスの国家安全保障会議は声明で、米国は「最優先事項でなければならない、ブルーライン沿いのこうした惨事を終息させる、いかなる努力も支援し続ける。レバノンのヒズボラを含む、イランが支援するすべてのテロリスト集団に対して、イスラエルの安全保障に対する我々の支援は鉄壁であり、揺るぎないものである」と発表した。

レバノン政府は、マジュダル・シャムスについて言及せず「全戦線での敵対行為の即時停止」を求める声明を発表し、民間人に対するあらゆる攻撃を非難した。

イスラエルとヒズボラは、ハマスがイスラエル南部に奇襲攻撃した翌日、10月8日以来銃撃戦を続けている。ここ数週間、レバノンとイスラエルの国境沿いでの銃撃戦は激化しており、イスラエルによる空爆やヒズボラによるロケット弾やドローンによる攻撃は、国境から更に遠く離れた地域まで及んでいる。

イスラエル軍によれば、マジュダル・シャムスは、緊張が高まるにつれて避難を命じられた国境沿いの地域には含まれていなかったという。この町はレバノンとの国境に面していない。

アメリカやフランスを含む国々の政府関係者がレバノンを訪問し、緊張緩和を試みたが、進展はなかった。ヒズボラは、イスラエルのガザ侵攻が続く限り、攻撃を止めることを拒否している。イスラエルとヒズボラは2006年に決着のつかない戦いを繰り広げた。

イスラエルとハマスが、10ヶ月近くに及ぶガザでの戦争を終結させ、人質となっている約110人を解放するための停戦案を検討している中で、土曜日の暴挙が起こった。

ハマスによる10月7日の奇襲攻撃では、約1200人が死亡し、250人が人質に捕らえられた。ガザの保健当局によれば、イスラエルの攻撃によって39,000人以上が死亡したという。

10月上旬以来、イスラエルのレバノン空爆により、ヒズボラ・メンバーを中心に450人以上が死亡したが、約90人の民間人や非戦闘員も死亡した。イスラエル側は44人が死亡、うち少なくとも21人は兵士であると発表している。

AP

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