アンカラ:米国務長官のアントニー・ブリンケン氏は金曜日、トルコに対し、バッシャール・アサド政権の崩壊後、シリアにおけるダーイシュの復活を阻止することが「不可欠」であると述べた。
米国務長官はまた、紛争の続くガザ地区での停戦実現に向けた「心強い兆候」が見られるとも述べた。
同長官の発言は、イスラム主義武装勢力「HTS」の戦闘員が主導する電撃攻勢により、アサド大統領が追放され、同氏の一族による50年にわたる抑圧的な支配が終焉を迎えたことを受けた、怒涛の地域歴訪の2か所目での発言となった。
米国高官によると、同氏は木曜の夜にトルコに飛び、アンカラ空港でエルドアン大統領と1時間以上会談した。
「我が国は長年にわたり、ダーイシュの領土カリフ制の排除、そしてその脅威が再び頭をもたげないようにするために、非常に懸命に努力し、多くのことを提供してきた」とブリンケン氏は述べた。
「そして、その努力を継続することが不可欠である」
これに対し、ハカン・フィダン外相は、トルコは「できるだけ早く」シリアの安定を確保し、過激派組織「ダーイシュ」がシリアに足場を築くのを阻止する決意であると述べた。
木曜日、エルドアン大統領は、過激派の封じ込めに重要な役割を果たすと見られているクルド人戦闘員に対する作戦にもかかわらず、トルコはシリアにおけるダーイシュとの戦いを決して緩めないことを確約した。
「トルコはダーイシュとの戦いにおいて、いかなる弱さも許さない」とエルドアン大統領は述べ、トルコの国家安全保障にとって脅威であると見なすグループの追及を緩めないことを誓った。
過激派がダマスカスに進軍する中、トルコとその代理勢力は、クルド人主導のSDF(シリア民主軍)に対する独自の攻勢を開始した。
トルコは、SDFをトルコ国内で数十年にわたって反政府活動を続けてきた非合法組織、PKK(クルド労働者党)の延長と見なしている。
しかし、ワシントンは、この部隊を2019年にシリアにおけるダーイシュの自称カリフ制を打ち負かした攻勢の先鋒を切る重要な同盟国と見なしており、ブリンケン氏は木曜日、SDFは「シリアにおけるジハーディストの復活を防ぐために不可欠」であると述べた。
代理勢力同士の戦闘により、シリアにおけるNATO加盟国の利害の対立が懸念されている。
クルド問題の専門家であるFaik Bulut氏はAFPに対し、トルコは「空白期間を利用して、クルド人戦闘員を一掃することを狙っている可能性が高い」と語った。
「そうすれば、エルドアン大統領は次期米国大統領のドナルド・トランプ氏との会談で「優位に立つことができる」と彼は分析した。
トルコは強力な軍事力を持ち、シリアにおける代理勢力を支配し、アサドを追放したHTS武装勢力にも影響力を持っているため、エルドアン氏はトランプに「この地域を私に任せてくれれば、ダーイシュを壊滅させる。私に責任を与えれば、結果が見えてくるだろう」と伝える可能性が高いとBulut氏は述べた。
また、ブリンケン氏はガザ地区における停戦に向けた「心強い兆候」が見られると述べ、トルコがハマスに受け入れを促すよう影響力を行使するよう促した。
「我々はガザについて話し合った。そして、停戦を実現する機会について話し合ったと思う。そして、ここ数週間の間に、それが可能であることを示す、より心強い兆候が見られた」とブリンケン氏は述べた。
トランプ氏の当選を受けて来月退任するブリンケン氏は、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃(ガザ戦争の引き金となった)以来、12回目の中東訪問として木曜日にヨルダンを訪問した。
「我々は、ハマスが『イエス』と言って、最終的にこの戦争を終わらせるために可能な合意に達することが不可欠であると話した」と彼は述べた。
「トルコがハマスに働きかけて、この問題の終結に導く役割を担うことを非常に感謝している」と彼は述べた。
トルコは長年にわたりハマスと緊密な関係を維持しており、ハマスを欧米諸国のような非合法のテロ組織ではなく、民族解放運動として捉えている。
イスラエルを痛烈に批判するエルドアン大統領は、ハマスの政治指導者をたびたびイスタンブールに迎え入れている。ハマスは、エルドアン大統領が20年にわたって政権を握る間、イスタンブールを海外拠点の一つとしていた。
AFP