
ダマスカス:シリアは米国の厳しい制裁のため、また湾岸アラブ諸国を含む多くの国が取引を希望しているにもかかわらず、燃料、小麦、その他の主要商品の輸入取引を行うことができない、とシリアの新通商相が語った。
ダマスカスの事務所でロイターのインタビューに応じたマヘル・ハリル・アル=ハサン氏は、シリアの新政権は数カ月分の小麦と燃料を何とか調達しているが、制裁がすぐに凍結されるか解除されなければ「破局」に直面すると述べた。
ハサン氏は、イスラム反体制派組織ハヤト・タハリール・アル・シャームが、13年にわたる内戦の末、12月8日に独裁的なバッシャール・アル・アサド大統領を打倒する電光石火の攻撃を開始した後、新たに樹立した暫定政府のメンバーである。
この制裁はアサド政権時代に課されたもので、アサド政府や中央銀行などの国家機関を対象としている。
アサド政権の主要な支援者であるロシアとイランは、以前はシリアの小麦と石油製品のほとんどを供給していたが、反体制派が勝利しアサドがモスクワに逃亡した後、両者とも供給を停止した。
米国は、厳格な制裁体制を維持しながらも、シリアへの人道支援や電力などの基本的なサービス提供に対する制限の緩和を発表する予定だと、この問題に詳しい関係者は月曜日にロイターに語った。
予想される措置の正確な影響はまだわからない。
退任するバイデン政権の決定は、シリアの人々とその新しいイスラム主義支配者に親善のシグナルを送り、戦争で荒廃した同国の基本的なサービスと生活環境を改善する道を開くことを目的としている。
同時に、アメリカ政府高官は、数年前にワシントンにテロ組織と指定されたものの、イスラム過激派組織アルカイダと決別した後、最近ではより穏健なアプローチを示している新しい支配グループに対するテコ入れの重要なポイントとして、この制裁を考えている。
ワシントンは、ダマスカスが包括的な政治移行に着手し、テロ対策などで協力することを望んでいる。
ハサン氏はロイターに対し、近いうちに制裁の一部が緩和または凍結されるかもしれないとの報道を知っていると語った。
ロイター