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コロナウイルスによる2度目のロックダウンがイスラエルの分裂を深める

2020年10月13日(火)、テルアビブの閉店した店に貼られているポスター。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の写真に「私のせいで閉店」と書いてある。(AP通信)
2020年10月13日(火)、テルアビブの閉店した店に貼られているポスター。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の写真に「私のせいで閉店」と書いてある。(AP通信)
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14 Oct 2020 10:10:05 GMT9
14 Oct 2020 10:10:05 GMT9
  • イスラエルの所得格差と貧困率は先進国経済の中でも最も大きい部類に入る

エルサレム:イスラエルが昨年の春にロックダウンを行った時、エルサレムのパブのオーナーであるリオン・シュバルツ(Leon Shvartz)氏は自らの事業を救うために迅速に動いた。同氏は宅配とテイクアウトを始め、倒産を免れた。そこへ2度目のロックダウンがやって来た。

レストランや店が再び閉鎖され、シュバルツ氏の事業は生き残るのに苦労している。同氏は17人の従業員のうち16人を解雇した。

対照的に、打撃の大きかった会議運営分野で事業を展開しているイスラエルのソフトウェアメーカー、Bizzaboは今春、急速に事業を再構築し、「バーチャルイベント」の提供を始めた。同社の売上高は2倍以上に増加し、従業員も増やしている。
このような好不況の話は、イスラエルの「デジタル・ディバイド(情報格差)」の拡大を反映している。

パンデミックの前から、イスラエルの所得格差と貧困率は先進国経済の中でも最も大きい部類に入っている。高収入を得ている人は少数で、そのほとんどが儲かっているハイテク産業に従事している。一方で、多くのイスラエル人は公務員やサービス業の従業員、または小規模企業の経営者としてかろうじて生活している。

先月、2回目の全国的なロックダウンが課され、1回目の規制ですでに大きな打撃を受けた経済に新たな打撃を与えたことで、こういった格差は拡大している。

パンデミックの影響はまた、イスラエルのユダヤ人の間で長く続いていた分裂を深め、概して非宗教的な多数派と強力な超正統派の少数派が対立している。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、パンデミックへの対策を誤ったと受け止められ、数か月に及ぶ大規模な抗議行動の標的とされており、より大きな利益を犠牲にして超正統派のパートナーを支持していると見られている。最近の感染拡大を封じ込めようとする中で、ネタニヤフ氏は、経済的に壊滅的な全国を対象とするロックダウンを選択した。多くの超正統派のコミュニティを含む感染のホットスポットを標的とした規制の代わりに全国的なロックダウンを行うことで、支持者の気分を害することを避けたと見られる。

イスラエルの社会構造が深く引き裂かれていること受けて、イスラエルの名目上の指導者であるルーベン・リブリン大統領が警告を発した。

リブリン氏は今週の議会で次のように語った。「空気中に火薬が充満しているのを感じます。街中で怒りを感じます」「イスラエルの同族主義が亀裂から吹き出し、非難の矛先が社会のある部分から他の部分へ、ある集団から他の集団へと向けられています」

ネタニヤフ氏は当初、ウイルス危機への対応で賞賛されていた。同氏は即座に国境を封鎖し、ロックダウンを課してウイルスの感染を制御しているように見えた。

しかし、ロックダウンには大きな代償があった。主に小売業、旅行業、接客業などの低賃金の仕事で何十万人もの人が解雇、または一時解雇され、4月には失業率が35%に迫った。

経済が再開すると、ほとんどの雇用は徐々に戻ってきたが、秋になって感染者数が劇的に急増し、政府は先月、期限を定めない2回目のロックダウンを宣言せざるを得なくなった。公式の数字によると、労働者人口のほぼ4分の1に当たる96万7千人以上が再び仕事を失った。

バー2軒とクラフトビール会社のBiratenuを経営するシュバルツ氏は、夏にレストランが再開するまで宅配事業でなんとかしのいでいた。しかし、安全規制により、受け入れられる客の数が制限され、売上が減少した。

シュバルツ氏はスタッフの3分の1を解雇し、自分の給料もカットした。その後、政府は2回目のロックダウンを発表した。今は同氏とたった1人の従業員が再び宅配事業に専念している。

「まるでガレージのようです」と同氏は言う。売上はパンデミック前の水準から少なくとも60%減少していると推定している。
Bizzaboの共同設立者であるアーロン・アルロイ(Alon Alroy)氏は、3月初旬に会議運営事業が行き詰まるのを実感し、同じような存続の危機に直面した。同氏が「今までで最も厳しい月」と表現したように、同氏のチームが新たな戦略を練るために奔走する中、従業員の4分の1を解雇した。

月末までに彼らは「バーチャルイベント」に力を入れることを決めた。重要なのは、標準的なZoom通話を超えて、参加者が互いに関わるための環境を作ることだったと同氏は言う。

このソフトウェアを使えば、大規模なオンライン集会の参加者は、昔ながらのビジネス会議と同じように、人脈を構築したり、会議を離脱して個人的な会談を行ったりすることができる。

「イベント業界は、ある意味ではイベント・テクノロジーの領域を発明しない限り、消滅する可能性があることは誰もが知っていました」と同氏はニューヨークから話した。

Bizzaboは過去最高の2四半期を終え、解雇された従業員を再雇用し、さらに40人の従業員を追加で雇用した。現在、同社はイスラエルとニューヨークのオフィスで約150人を雇用している。

イスラエルのハイテク企業の中には、景気後退の影響を受けた企業もあるが、業界全体としては、おそらく過去最高に好調な年となっている。

非営利団体「Start-Up Nation Central」によると、イスラエル企業は投資家を引き付けることにほとんど苦労していない。「イスラエルのハイテク企業は今年72億4000万ドルを調達しており、これは昨年の同時期に比べて30%増加しています」と、同グループの共同ゼネラルマネージャー、ユーリ・ガバイ(Uri Gabai)氏は述べた。

イスラエルのベンチャーキャピタル、OurCrowdの創設者兼最高経営責任者であるジョン・メドベド(Jon Medved)氏は、他の経済分野とは対照的に、イスラエルのハイテク業界が好調であることは、世界的なトレンドを反映していると述べている。

「それはより際立っています。我々が気づいたのは、世界中でウイルスによる2段階の経済的影響が非常に強いということです」と同氏は述べた。

AP通信

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