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国連:ガザの子どもたち「多大なトラウマ」と警告

2025年3月21日(金)、ガザ市郊外で、イスラエル軍によるガザ地区への再攻撃後、ガザ南部と北部との間を、イスラエル軍の活動地域から離れた海岸沿いの道路を、荷物や木材などを担いで移動する避難民のパレスチナ人たち。(AP)
2025年3月21日(金)、ガザ市郊外で、イスラエル軍によるガザ地区への再攻撃後、ガザ南部と北部との間を、イスラエル軍の活動地域から離れた海岸沿いの道路を、荷物や木材などを担いで移動する避難民のパレスチナ人たち。(AP)
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22 Mar 2025 12:03:42 GMT9
22 Mar 2025 12:03:42 GMT9
  • 恐怖に恐怖が重なり、残酷さに残酷さが重なり、悲劇に悲劇が重なっている
  • 1年半の不登校から復学した子どもたち、テントに戻り砲撃が絶え間なく聞こえる

ジュネーブ:国連は金曜日、戦禍に見舞われたガザでの戦闘が再開され、悲惨な援助不足の中で、ガザの約100万人の子どもたち全員が「多大なトラウマ」に直面していると警告した。

イスラエルが6週間の停戦後、今週空爆と地上作戦を再開して以来、民間人の死者数が増加する中、人道主義者たちはガザの憂慮すべき状況について語った。

国連パレスチナ難民救済機関(UNRWA)のサム・ローズ氏は、すでに心に傷を負った子どもたちが再び戦禍に身を置くことになり、心理的ショックを受けていることを強調した。

パレスチナ自治区に住む100万人の子どもたちにとって、これは「大きな、大きなトラウマです」と、同氏はガザからジュネーブの記者団に語った。

1月19日に発効した停戦の決裂は、ハマスによる2023年10月7日のイスラエルへの致命的な攻撃に端を発した15ヶ月間の残忍な戦争によって、住民がすでに劇的に衰弱しているときに起こった。

「人々はすでに疲弊し、免疫も精神衛生も低下しています。1年半の不登校を経て学校に戻った子どもたちは、今はテントに戻り、周囲では砲撃の音が絶え間なく聞こえています。恐怖に恐怖が重なり、残酷さに残酷さが重なり、悲劇に悲劇が重なっています」と同氏は続けた。

国連児童基金ユニセフの報道官、ジェームズ・エルダー氏は、トラウマを負った子どもたちは通常、平常時に初めてトラウマを処理し始めると語った。

「心理学者に言わせれば、子どもたちが家に戻り、そこからまた再度トラウマが始まるというのが、絶対的な悪夢なのです」と同氏は記者団に語った。

そして同氏は、ガザは「子どもたち全員がメンタルヘルス支援を必要としているという点で、近代史上唯一の例です。誇張ではありません」と警告した。

ガザの保健省によると、火曜日以降504人が死亡し、そのうちの190人以上が18歳以下だという。

この犠牲者数は、17ヶ月以上前にハマスがイスラエルを攻撃して戦争が始まって以来、最も多い。

また、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員7人が停戦直後に殺害され、ガザ紛争が始まって以来、UNRWAだけで284人が殺害された。

別の国連機関のブルガリア人職員も今週殺害され、医療援助団体「国境なき医師団」の現地スタッフも殺害されたと、金曜日に発表した。

人道主義者たちは、イスラエルが今月初め、停戦延長交渉の行き詰まりを理由にガザへの援助物資と電力を遮断する決定を下したことで、現地の状況はさらに悪化していると警告した。

停戦から6週間の間、停戦前の6ヶ月間よりも多くの物資を運ぶことができた。

ガザにはあと6日分の小麦粉しかないという。

ハマスが、ガザ地区内で十分すぎるほどの援助物資を流通させている、というイスラエルの主張について尋ねられたローズ氏は、その証拠を「見たことがない」と答えた。

「今現在、援助物資は配給されていない。もし援助物資の流通が回復しなければ、略奪や住民の絶望的な状況という点で、紛争の最悪の時期に徐々に逆戻りすることになるでしょう 」と同氏は警告した。

一方、エルダー氏は、援助機関がガザに持ち込むことができない重要な援助物資について説明し「数キロ離れたところに18万人分のワクチンがあり、命を救うものなのに、それが遮断されています」さらに、早産児が急増しているにもかかわらず、ガザでは保育器が「大量に不足している」と指摘した。

何十台もの保育器が、またしても国境の向こうに放置されている。赤ちゃんのための人工呼吸器も遮断されている。

AFP=時事

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