
アテネ:ギリシャとエジプトは、世界最古のキリスト教礼拝所の1つの地位を保護することで合意したと、両国の外相が水曜日の夜に発表した。これは、先週のエジプトの裁判所判決が同施設の将来に不確実性を招いたことを受けたもの。
エジプトのシナイ山麓にある聖カタリナ修道院は6世紀に建立され、ユネスコが世界遺産に指定しているこの地域で、現在も本来の目的で使用されている最古のキリスト教修道院だ。
キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒から崇敬されるこの修道院は、聖書伝承によるとモーゼが十戒を受け取った場所とされる。
しかし先週、ロイター通信が入手したエジプトの裁判所判決は、修道院の敷地隣接のブドウ園や庭園を含む、修道院が長年使用してきた複数の土地を正教会修道僧に退去するよう命じた。これは「違法に接収された」との理由によるもので、カイロとアテネの間で同修道院の地位を巡る外交上の混乱を引き起こした。
ギリシャのゲラペトリティス外相は、カイロでエジプトのバドル・アブデルアーティー外相と会談した後、「当面の目標として、修道院の権利と法的地位の保護に向けて努力することで合意した」と述べた。
「エジプトとギリシャは、ギリシャ正教の礼拝の象徴であるこの修道院の長い伝統と、すでに確立されている地位に基づいて、今後対応を進めていくつもりだ」と述べた。
アブデルアティ外相は、この判決は修道院の深い精神的価値と宗教的地位を維持するものであると述べ、修道士たちは引き続き修道院とその宗教的・歴史的遺跡へのアクセスと利用を継続できることを確認したと、外務省が発表した声明で述べた。長い外交関係を持つギリシャとエジプトは、近年、協力関係を深めている。
聖カタリナ修道院は広大な敷地を持つ複合施設で、伝統によれば、出エジプト記に記述されている、神がモーセに話しかけたとされる燃える茂みの周りに建てられた。その図書館は世界でも有数の規模を誇り、世界最古のキリスト教の写本も所蔵している。
ロイター