
ベイルート:「レバノンの政治家たちは60年間、”否定し、迂回し、そらすこと”に費やしてきた」、と米国特使のトム・バラック氏は火曜日に放送されたインタビューで語った。
バラック特使は、強力な過激派組織ヒズボラの武装解除に向けたワシントンの提案をめぐり、政治指導者たちと話し合うためにレバノンを訪れている。
バラック氏は、レバノンの政治家たちが実際にバラック氏と交渉しているのか、それとも時間稼ぎをしているだけなのかと尋ねられ、「両方です」と答えた。
「レバノンの政治文化は、否定し、迂回し、そらすことです。これは60年来のやり方であり、私たちの目の前にある課題です。変えなければなりません」
月曜日にジョセフ・アウン大統領に会ったバラック氏は、ヒズボラの武器を撤去するというアメリカの計画に対するレバノン政府の反応に肯定的な反応を得た。
レバノンの放送局LBCIとのインタビューで、バラック氏は大統領、首相、下院議長が「率直で、正直」であると信じていると語った。
しかし、彼はレバノンの政治家たちに、地域は変わりつつあるが、政治家たちも変わりたくないのであれば、”我々に言ってほしい、そうすれば我々は干渉しない “と警告した。
アメリカの提案の詳細やレバノンの反応については明かさなかったが、バラック氏はレバノンの指導者はリスクを取ることをいとわないと述べた。
「レバノンの指導者たちから結果を出してもらう必要がある」
レバノンの政治家たちは長い間、国家やレバノン国民の利益よりも私利私欲を優先し、汚職を行っていると非難されてきた。
国民の怒りは2019年、汚職と財政難に対する大規模な抗議行動で頂点に達した。
レバノン経済は債務不履行と通貨暴落という金融危機に陥った。
米国の駐トルコ大使とシリア特使を兼任するバラック氏は、アメリカはレバノンの政治に干渉しようとするのではなく、援助の手を差し伸べていると述べた。
「私たちはただ、もしあなたが私たちに助けを求めているのなら、私たちはあなたを助けるためにここにいる。できる限り保護するためにここにいる」
「しかし、政権交代に介入するつもりはない。政治に介入するつもりはない。私たちを必要としないのであれば、問題ない。それだけだ」
バラック氏は、アメリカからテロ組織とみなされ、レバノンで13人の国会議員を擁する政党でもあるヒズボラについて、「レバノンの問題であって、世界の問題ではない」と述べた。
「我々は政治的観点から、すでにテロ組織だと言っている。大統領(トランプ)が軍事的に確立したように、彼らはどこにいても我々にちょっかいを出してくる。レバノン国内でどう解決するかは別の問題だ」
バラック氏は、ヒズボラの武装解除はドナルド・トランプ大統領にとって常に単純な事実に基づいていると述べた:「”一国家、一国民、一軍隊 “だ」
「もしそうであるなら、もしそれがこの政治団体が選択することであるなら、私たちはあなたの国境にいる潜在的な戦闘員や敵対者のすべてに案内し、助け、影響を与え、その仲介者となるだろう」とバラック氏は言った。
同氏は、アメリカが提案の期限を決めているとのメディアの憶測を否定したが、トランプ大統領はレバノンに対して非常に積極的だが、進展があるまで長くは待たないだろうと述べた。
「誰も来年の5月まで粘っているつもりはない。ドワイト・アイゼンハワー以来、レバノンのためにこれほど獰猛になった大統領はいなかったと思う。彼(トランプ)には勇気も献身も能力もある。彼にないのは忍耐力だ」
「レバノンがこの缶を蹴り続けたいのなら、蹴り続ければいい」
祖父母がレバノンからアメリカに移住したバラック氏は、1時間近くに及ぶ幅広いインタビューの中で、レバノンの多くの宗教や宗派にまたがる誰もが、戦争や不満にうんざりしていると語った。
「19の異なる宗教、19の異なるコミュニティ、19の異なる宗派があるとしても、その上にあるものがひとつだけある、それはレバノン人であることだ」と彼は言った。
トランプ政権は、レバノンと1月に大統領に就任したアウン氏への支援に熱心だ。レバノンは長年にわたる経済的苦難、政治的混乱、地域的不安から抜け出そうと奮闘している。
イランの支援を受けるヒズボラは、レバノンで最も強力な軍事力を持ち、政治的にも大きな勢力となっていたが、昨年のイスラエルによるヒズボラへの攻撃作戦によって著しく弱体化した。
その武器庫は、アメリカとレバノンとの関係において、現在もなお、とげのような存在であり続けている。
先月バラック特使がレバノン政府高官に提示したアメリカの提案には、ヒズボラの武装解除とともに、レバノンの前進を助けるための経済改革も含まれていると思われる。