
アラブニュース
ドバイ:イランは軍事演習の射撃訓練に用いるため、湾岸沖に米軍航空母艦の偽物版を建造した。
この模型は、米海軍がホルムズ海峡からアラビア湾にかけて配備するニミッツ級空母の1つのように見える。
しかしイランのこの偽物版は、本物よりも著しく小さい。その全長は約200メートル、全幅50メートルなのに対し、ニミッツ旧空母は全長300メートル、全幅75メートルある。
[caption id="attachment_16362" align="alignnone" width="500"]マクサー・テクノロジーズ社が撮影した衛星写真によれば、このレプリカの甲板には戦闘機の模型16機が積まれている。偽物の空母はバンダレ・アッバース南部の港に浮かべられている。その出現は、イスラム革命防衛隊(IRGC)が2015年2月に実施した模擬沈没訓練を再び行う準備をしていることを示唆する。
このレプリカは「Great Prophet(偉大な預言者)9」と名付けられた軍事演習で使用されたものと類似している。同演習時は高速艇がマシンガンやロケットを発射しながら、偽物の空母(実際は浮いている「はしけ」)に押し寄せた。その後、地対艦ミサイルがレプリカを破壊した。
「米国の航空母艦は多数のミサイルやロケット、魚雷、その他のあらゆるものを搭載した大きな弾薬庫」と、当時のIGRC海軍総司令官アリ・ファダビは述べた。
ワシントンにあるガルフ・ステート・アナリティクス社のセオドア・カラシク博士はアラブニュースに対し、「イランが本物の空母戦闘群に攻撃すれば、深刻な事態につながるのは明らか。この地域の全ての当事者はそのことを十分に分かっている。2015年のIRGC海軍軍事演習の軍事作戦演習は、そのような攻撃が大勢の死傷者を出すことを示した」と話した。
「しかしそれらのシナリオは、イランの非対称な戦闘能力が低コスト・高効果であることを示した。現在の環境においてイランが進んでリスクを取ることは、緊張状態の高さを考えれば重要な検討事項である」