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国連の「核の番犬」がイランを避難する決議を可決

国際原子力機関の決議は賛成25票、反対2票、棄権7票で可決された。(AFP)
国際原子力機関の決議は賛成25票、反対2票、棄権7票で可決された。(AFP)
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20 Jun 2020 12:06:02 GMT9
20 Jun 2020 12:06:02 GMT9

ウィーン:国連の「核の番犬」の理事会が金曜、テヘランの各計画をめぐり緊張が高まっていることを受け、イランを避難する決議を可決した。この種の決議は2012年以来初めてである。

この決議はテヘランに対し、国際原子力機関(IAEA)にイランの2つの施設を査察させることを求める。2000年代初頭に未申告の核活動が行われたかどうか明確にするのがその目的だ。

決議は「イランが同機関へ全面的に協力し、指定した施設へ直ちにアクセスできるようにすることを含む同機関の要求に、これ以上遅れることなく応じることを求める」

イランは数ヶ月にわたって同施設へのアクセスを阻止しており、外交騒動を大きくしてきた。

この決議は賛成25票、反対2票で可決された。南アフリカ、インド、パキスタン、タイ、モンゴル、アゼルバイジャン、ニジェールの7ヶ国は棄権した。

今週これまでに決議の見通しを非難していたロシアと中国は、反対票を投じた。

この決議はフランス、ドイツ、英国により提案され、米国により支持された。ただし、駐ウィーン国連米国大使は「文章が強められる可能性がある」と述べていた。

今週これまでにイランは、このような決議は「逆効果」になりかねず、「適切な措置」で応じるかもしれないと警告した。

ロシアの駐ウィーン国連大使ミハイル・ウリヤーノフは金曜に決議が可決された後、これまでと変わらない立場を改めて伝えた。

「テヘランとIAEAがこの問題を遅滞なく解決する必要性を重視する一方で、この決議は逆効果になる可能性があると強く思う」と、彼はツイートした。

問題となっている2つの施設はイランの現在の核計画と直接的な関係はないと考えられているにもかかわらず、同機関は約20年前の活動が適切に宣言されているか、および全ての原料が説明されているか、知る必要があると言う。

この2つの施設をめぐる騒動にもかかわらず、IAEAは2015年にイランと世界の諸強国との間の歴史的な取り決めに基づく権能により、イランの申告済み核施設を査察するために必要なアクセス権をまだ持っていると言う。

しかし、最近の紛争によってその取り決めにさらにほころびが生じており、イランは米国による2018年の協定離脱と制裁再開の報復として、核活動に関する制限に違反し続けている。

金曜に決議が可決された後、IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は記者団に対し、国連機関との合意事項の実施において各国が義務を負わないことができるという例がもし設定されるとすれば、「絶対に容認できない」と述べた。

「例外はない。追加議定書のアラカルトはない」とグロッシは述べ、IAEAが施設へのアクセスを要求する根拠となっている合意に言及した。

「すぐにイランとの話し合いの席につき、できる限り早急な解決を試みるつもりだ」と彼は述べ、最初にイランの駐ウィーン国連大使カゼム・ガリブ・アバディを訪ねるだろうと付け加えた。

今週これまでにガリブ・アバディは声明で、IAEAによるアクセスの要求はイラン最大の敵イスラエルからの申し立てに基づくものと主張した。

IAEAがその要求を支持する証拠として提供した追加情報は、アクセス提供のための「説得力のある根本的な理由を含まない、単なる数枚の商用衛星写真だけだった」と、彼は述べた。

また、英国の外務省は金曜、ドミニク・ラーブ外相がベルリンでフランスおよびドイツの外相と、「中東におけるイランのかく乱的な活動に対する外交的解決」を議題とする会議を行うかもしれないと述べた。

AFP

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