
アラブニュース
イスタンブール:トルコの大統領の公式ツイッターアカウントにより投稿された1枚の地図が、イラク分断を表しているという理由で、バグダッドから怒りの反応を呼んだ。
批判を受けた後削除されたこの地図は、国境を越えイラク北部の38ヶ所の40キロメートルまで前進するトルコ軍の位置を示す意図があった。しかし、この地図はイラクの北部を黄色で、残りを緑色で強調していた。地図はさらに、トルコ軍がアルビール、ソラン、ドホーク、ザーホーの都市に配置されているという事実を明らかにした。
「このような地図を共有する場合、トルコを分断した地図を共有する他の当局筋も合法化することになります」とトルコの優良党の野党政治家、Aytun Cirayは述べ、隣国イラクの領土統一を尊重する必要性を強調した。
イラク北部で6月中旬、クルディスタン労働者党(PKK)に対する2つの主な軍事作戦が開始され、それに続きこの地図を巡る騒動が起きた。2つの軍事作戦は、それぞれ虎の爪、鷲の爪と呼ばれており、イラク当局によって批判された。地上戦の間、5人目のトルコ人兵士が殺害された、とトルコ国防省は日曜日の夜、公表した。
PKKはアンカラ、ブリュッセル、ワシントンによってテロ集団のリストに載せられている。この集団は、トルコでの攻撃開始の対象に、イラク北部の約81ヶ所を基地として利用しているとされている。
バグダッドはトルコ軍の駐留を、「組合規約のあからさまな違反」であると考え、トルコ軍事作戦中の「非武装の一般市民」の安全が懸念されると述べた。イラク外務省の広報担当者、Ahmad Al-Sahafは7月3日に、トルコがイラク北部での軍事活動を中止しなければ、イラクは国際連合安全保障理事会(UNSC)に正式に不服を申し立てる可能性がある、と述べた。
彼は次のように付け加えた。「我々は、我が国の主権を害するいかなる一方的行為も拒絶する。非難声明から開始し、アラブ連盟およびイスラム協力機構の支援を集めることに訴える場合があり、UNSCに苦情を申し立てる可能性がある」。
ストラトフォー地政学コンサルタント会社の地域アナリスト、ライアン・ボールは、議論を引き起こす地図を公開することは、イラクおよびPKKやその他の国際社会に向けたアンカラによる試みであり、これには今後の軍事作戦における現在の水準を維持する目的がある、と示唆した。
「イラク首相のムスタファ・アル=カーズィミーは、現状を緩和させ元に戻す軍事作戦に必ずしも頼ることはできないため、この行為それ自体がバグダッドとの緊張になっている」と彼は述べた。
しかし、ボールは、この地図を撤廃することは、アンカラがイラクやその他の同盟軍により永久的な占領軍として見られたくないということを表している、と付け加えた。
「(トルコは)イラク北部に、シリアの勢力圏とは別物として見られたいのです。こうした勢力圏は、かなりの長期間存在していることが示唆されています」と彼は述べた。「ですから、アンカラはこの軍事作戦が、PKKに対する前回の作戦より重要であること示す一方で、この作戦がイラク北部の占領軍または長期応力であるように見せないようにするという、紙一重のところを行こうとしているのです」。