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宇宙コミュニティの新たなメンバーは、何の役に立つのか?

31 Jul 2020
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Updated 31 Jul 2020
31 Jul 2020

ジェームズ B. コール

アラブ首長国連邦は最近、科学機器を搭載した衛星を火星へと打ち上げることに成功しました。「よりによってUAE?」と尋ねるかもしれません。火星への衛星打ち上げによりUAEが世界に提供できるものとは何なのでしょうか。また、どうしてUAEは火星に関心を持っているのでしょうか。

そもそもどうして、火星のことを気にしなければならないのでしょうか。私たちは、命に係わるパンデミック、環境悪化、戦争の脅威にさらされています。火星探査の前に、私たちの星である地球の問題を解決してはいけないのでしょうか。

答えは明白です:いいえ!地球上の問題こそが、私たちが火星を、また私たちの生きる宇宙を探索すべき理由なのです。

私たちは、夢見るために生き、生きるために夢を見ます。人間は、夢を見る運命にあるのです。夢も好奇心もない人には未来はありません。私たちの狭い日常の存在を超え、素晴らしい未知の世界を探求することが、私たち自身と将来の世代への義務なのです。私にとってはほとんど奇跡のように思えますが、純粋な好奇心と壮大なプロジェクトは、人間社会をよりよくする、予想外の実体的利益をもたらすスピンオフを生み出すことができるのです。

人間は、夢を見る運命にあるのです。夢も好奇心もない人には未来はありません。

ジェームズ B. コール

最も初期の人類の壮大なプロジェクトの1つは、ファラオ・クフの大ピラミッドです。単なる一人の男の墓?いえ、ピラミッドははるかに(はるかに!)単なる墓以上にすごいものなのです…。

まず、エジプト人たちは何を建設するのか、どこに建設するのか、そしてどのように建設するのかを決めなければなりませんでした。原材料をあつめ、加工し、それを建築現場へ輸送して使用する必要がありました。すべてが正確なスケジュールにより調整されなければなりませんでした。このプロセスは、数えきれないほどの科学者、建築家、職人、建設労働者、そして管理者のスキルを開発しました。紅海のほとりの洞窟で最近発見されたメレルの日記には、魅力的な記述があります。メレルは、建設資材を建設現場に運ぶ責任者である、中堅官僚でした。

そして、火星に衛星を送ることもまた人類の壮大なプロジェクトでした。何をどのように行うかは慎重に決める必要がありました。資源を調達し、チームを結成し、訓練をうけさせ、配備しなければなりませんでした。このようなプロジェクトは、好奇心旺盛な科学者に利益をもたらしたり、リーダーを称賛したりするためだけではなく、その国の市民のスキル、自信や誇りを育みます。知識や技術をコミュニティに広め、他の目的に応用することができるのです。これは人類に貢献し、夢を実現するのです。

ソビエト連邦が人類初の有人宇宙船を打ち上げたとき、私はシカゴの小学生でした。私のクラスは算数のテストの成績が悪かったので、先生は私たちを叱り、もっと勉強するように促しました。私たちは一生懸命勉強しました。宇宙開発のため、アメリカ政府は教育を受けた人々を必要とし、多額の投資を行いました。私はその恩恵を受け、またアメリカは経済的にも科学的にも大国となりました。月へのミッションは全人類に恩恵を与え続け、人々の生活を豊かにするという技術的なスピンオフをもたらしました。

UAEだけでは無理だっただろうというかもしれません。アメリカだけでも不可能でした。最初のアメリカのロケットは、有名なV2を設計した、第二次世界大戦時代のドイツ人科学者たちの助けを借りて開発されました。偉大な物理学者であるアイザック・ニュートンは、「巨人たちの肩の上に立ちました」(ガリレオも巨人の一人です)。私たちはみな巨人たち ― 我々の先生たち ― の肩の上に立ち、彼らから学んでいるのです。私は現在教師をしていますが、他の教師と同じように、生徒たちが私のできることを越えていくときがとても幸せで、本当に光栄なのです。これこそ、人類の進歩なのです。

「生まれたばかりの赤ちゃんは何の役に立つのか?」これは、電気の実用的用途はなにかと尋ねた人への、マイケル・ファラデーの回答です。

だからこそ、科学的宇宙探査コミュニティの新生メンバーである、UAEを歓迎しましょう。国にとっては小さな一歩であり、人類にとっては大きな一歩です。UAEがいつの日か、誰かがその肩に立つような巨人へと成長することを、私たちは心から願っています。

コールは、NASAで研究を行い、アメリカ政府の様々な研究所で働き、日本の筑波大学で教員を務めた経験があります。シカゴ出身のコールは現在、アメリカ空軍工科大学の客員教授として、機械学習のためのアルゴリズムの開発を行っています。

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