Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • instagram
  • Home
  • フランスはレバノンを救済するのか、再び征服しようとしているのか?

フランスはレバノンを救済するのか、再び征服しようとしているのか?

レバノンの首都ベイルートで大規模な爆発が起きた2日後の今月6日、同地で行われた記者会見で演説するフランスのエマニュエル・マクロン大統領。(AFP通信)
レバノンの首都ベイルートで大規模な爆発が起きた2日後の今月6日、同地で行われた記者会見で演説するフランスのエマニュエル・マクロン大統領。(AFP通信)
Short Url:
10 Aug 2020 12:08:55 GMT9
10 Aug 2020 12:08:55 GMT9
  • 今週、レバノンの指導者たちは「国を守り、管理する能力が全くない」として、フランスに対しレバノンの委任統治を一時的に復活させるよう求めるネット署名が突然現れた。

パリ:エマニュエル・マクロン大統領は、レバノンがもはやフランスの保護領でないことを忘れているかのようだった。

今週、爆発によって荒廃したベイルートを訪問したフランスの指導者は、混乱した群衆を慰め、街を再建すると約束し、この爆発はフランス自身も身を切られるような思いだと訴えた。「フランスはレバノンを見放しません」とマクロン大統領は述べた。「フランス人の心はまだベイルートと共に生きています」

クロン大統領を批判する人たちは、この提案について、欧州の指導者が中東の紛争地での影響力を回復し、国内で高まる問題から目をそらそうと、新植民地主義的に侵攻しようとしていると非難した。オンライン上に広がるミームでは、21世紀の皇帝ナポレオンにちなみ、大統領はマクロン・ボナパルトと呼ばれている。

しかし、マクロン大統領の擁護者たちは(中には大統領を「唯一の希望」と呼ぶ絶望したベイルート市民も含む)、レバノンの指導者らが足を踏み入れたがらない荒廃した地域を訪れ、4日悲惨な爆発の原因となった政治の腐敗とずさんな管理についてレバノンの政治家を非難するマクロン大統領を称賛した。

マクロン大統領の訪問により、9日にレバノンのための国際支援会議の開催に備えるフランスの中心的な課題が明らかになった。それは、フランスの経済と結びつきが深く、危機に瀕した国を内政干渉せずにどうやって救うのかということだ。

フランス政府の元大臣で、現在パリのアラブ世界研究所所長のジャック・ラングは「我々は瀬戸際にいます。レバノンの人々を救い、支援し、勇気づけねばなりません。しかし同時に我々が新たな保護領を作ろうとしているという印象を持たれてはいけません。それはまったく愚かなことです」と述べた。「レバノンの人々を救うには、新しい知的な解決法を探す必要があります」

フランスとレバノンの関係は、少なくとも16世紀まで遡り、君主国フランスはオスマン帝国の支配者と交渉してキリスト教徒を保護し、この地域での影響力を確保していた。1920~1946年のフランスの委任統治時代までに、レバノンにはすでにフランス式学校とフランス語話者のネットワークがあり、それは現在まで続いている。さらにフランスはレバノンの陰の実力者たちとも親密な関係を当時から築いており、その実力者の中には政治・経済危機を招いたと非難を受ける者もいる。

今週突然オンライン上に出現した署名では、レバノンの指導者らが「国を守り、管理する能力がまったくない」としてフランスに一時的な委任統治の回復を求めている。

 

これはばかげた提案だと見られている。マクロン大統領自身は5日、ベイルートの市民に対して「歴史を作ることができるのは皆さん自身です」と語りかけた。だが、6万人が署名しており、中にはフランスのレバノン人ディアスポラ(離散したレバノン人)2万5,000人以上と、政治階級に対して失望と不信感を訴えたいレバノン在住者が含まれている。

 

国際的な支援を大いに必要としていることを別にすれば、レバノンの多くの人々は、マクロン大統領の訪問によって、負債に苦しむ国の財政支援が確保できると見なした。

 

また、フランスの指導者は、分裂した支配階級を一時的だがまとめることができた。レバノンの政治派閥の長たち(中には1975年から1990年の内戦以来の憎い敵同士もいる)がベイルートのフランス大使館本部パレ・デ・パンに集まり、マクロン大統領と面会し、その後退出した。これは珍しいことだ。

しかし、多くの人はこの訪問を上から目線と感じていた。ネット署名を非難する人もいれば、「フランスは慈悲深い母」だと称賛する人もいた。

作家サミール・フランジーヤは、マクロン大統領は政治家らを職務怠慢を叱責するために「学童」として集めたと述べた。

 

フランスの示す影響力に対し、もっと軽い批判もあった。マクロン大統領が爆発で引き裂かれた地域を見学していた一方、ヒズボラが支援する政府の保健相は、この地域で主要な影響力を持つイランとロシアから支援を受けた野戦病院を見学した。

ベイルートで工学を学ぶリアは「委任統治を求める人を集めています。彼らには希望がないんです」と述べた。彼女は政治的な影響を懸念して姓は明かさなかったが、その考え、つまりマクロン大統領をレバノンの「救世主」とする考えに強く反発した。

マロン派キリスト教徒やフランスで教育を受けたイスラム教徒がマクロン大統領を受け入れる一方、その他の人たちはそっぽを向き、レバノンの分裂が悪化する恐れがあるという。リアはこう尋ねた。「彼は自国や自国民との問題を解決していません。それなのにどうやって私たちに助言できるんですか」

パリでは極左から極右まで国内の政敵が、中道派指導者のマクロン大統領に対し、こっそり進めている新植民地主義や援助と引き換えにレバノンから政治的譲歩を引き出す行為に警告した。大衆政党「緑の党」のジュリアン・バイユー党首は「レバノンとの連帯は無条件で行うべき」とツイートした。

クロン大統領自身は、フランスの委任統治を復活させるという考えはきっぱりと拒否した。

「あなた方の指導者の代わりを私に頼むことはできません。それは不可能です」と大統領は述べた。「それはフランス的な解決方法ではありません」

しかし、大レバノン宣言の100周年であり、フランスによる統治が始まった9月1日に、マクロン大統領は約束の改革が行われているかを確認するためにレバノンに戻ることを明かした。

AP通信

特に人気
オススメ

return to top