



パリ:国連の教育科学文化機関、ユネスコ(UNESCO)は8月13日、先週発生したベイルート湾港地区の大規模爆発の後、脆弱になったレバノンの歴史的遺産を保護する取り組みを主導することを誓った。
この爆発の影響は、レバノンの首都の至る所で感じられたが、最悪の被害を受けた建造物の数棟は、ベイルート港から目と鼻の先にあるジェムマイゼ地区と、マルミハエル地区にあった。多くの歴史的建造物が、この両地区に集中している。
「この悲劇的な爆発事故を受けて、国際社会はレバノンに強いメッセージを出し、支援を申し出ています」と、UNESCOのエルネスト・オットーネ文化部担当事務局長補は語った。
「UNESCOは文化分野での対応を主導すると確約しているので、幅広い再建と復旧作業の中核部分を形づくらなければなりません」
レバノンの文化省で古文化財部門の責任者、サーキス・コーリー氏は、この対応に協力するため今週オンライン会議で、少なくとも8,000棟が被害を受けたと報告した、とフランスに本部を置く組織、UNESCOは述べた。
「8,000棟のうち、歴史的建造物は約640棟あり、そのうちおよそ60棟が倒壊の危機にあります」と、UNESCOは声明で述べた。
「彼(コーリー氏)はまた、ベイルート国立博物館、スルソーク博物館、ベイルート・アメリカン大学博物館のような主要な博物館や、そればかりか文化空間、美術館、聖地の爆発に対する影響についても話されました」
この爆発の前でさえ、人口過密のこの都市で所狭しと建物が並び、歴史的建造物がほとんど保護されていないので、ベイルートの歴史的遺産の状態に関する懸念は、レバノンで高まっていた。
コーリー氏は「目前に迫る秋雨の季節による建造物のさらなる損傷を防ぐために、緊急処置として、建造物の構造強化と防水加工の必要性を強調した」
171人を死亡させた8月4日のこの爆発は、繰り返し警告されていたにもかかわらず、この港の倉庫に放置されたままになっていた大量の硝酸アンモニウムが原因だった。
ハッサン・ディアブ首相率いるレバノン政府は、この大災害の説明責任を要求するデモが起きてから数日後、今週総辞職した。
AFP通信