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パレスチナ、差し止められた資金をめぐってイスラエルに圧力をかけるよう世銀に要求

パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相。(AFP/ファイル)
パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相。(AFP/ファイル)
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24 Mar 2022 02:03:20 GMT9
24 Mar 2022 02:03:20 GMT9
  • パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相とシュクリ・ビシャラ財務相は3月22日、ラマッラーで世界銀行のシニアディレクターと会談

モハメド・ナジーブ

ラマッラー:パレスチナ自治政府は世界銀行に対し、4億ドル以上の税収差し止めをめぐるイスラエルとの紛争に介入するよう要請した。パレスチナ政府高官筋がアラブニュースに語った。

この要請は、米国、EU、アラブ諸国からの財政支援が縮小し、税収も不足する中、パレスチナ自治政府に「存亡の危機」が警戒される中で行われたものだ。

パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相とシュクリ・ビシャラ財務相は3月22日、ラマッラーで世銀のシニアディレクターと会談し、差し止められた税収をめぐってイスラエルに圧力をかけるよう要請した。

ビシャラ財務相は、イスラエルがパレスチナ自治政府に代わって徴収した税金からの控除額は昨年4億ドルに達し、今年の財政赤字の42パーセントに相当すると述べた。

パレスチナ自治政府の収入の約半分はイスラエルが徴収する税金により成り立っている。しかし、2018年の法律により、イスラエルはパレスチナ自治政府が給付金として戦闘員に支払った金額を独自に計算し、その金額を徴収した税金から差し引いている。

パレスチナ政府高官はアラブニュースに対し、収入不足と、米国、EU、アラブ諸国によるパレスチナ自治政府に対する財政支援の打ち切りは、「パレスチナ自治政府の存亡の危機につながりかねない財政危機」を招いていると語った。

ラマッラーでの会談で、シュタイエ首相とビシャラ財務相は、パレスチナ自治区のプロジェクトに対する世銀の支援についても議論し、若者や大学卒業生の雇用機会を創出するために開発が不可欠であると述べた。

シュタイエ首相は行政・財政改革について検討し、「これらの取り組みは、イスラエルが我々の資金からの不当な控除を止め、控除された資金を放出し、パレスチナへの国際的支援を再開するための国際的圧力を伴うものでなければならない」とも述べた。

シュタイエ首相は、生活環境の効果的かつ実質的な改善を確保するためには、政治的な解決が必要であると述べた。

ビシャラ財務相は世銀高官に対し、パレスチナの指導者は 「他国が直面するものとは異なる異常な状況」下で働いていると語った。

パレスチナ自治政府関係者は、「パレスチナ領における財政面・開発面の進展を妨げるイスラエルの違反行為」について指摘した。

世銀は、パレスチナ自治政府への直接支援に消極的な一部の欧州・アラブ諸国から提供される援助を管理し、低所得者層を支援し、信託基金を通じて公共部門の職員の給与やいくつかの小規模プロジェクトを負担している。

しかし、多くの国がパレスチナ自治政府への財政支援を打ち切ったため、基金が不足しているという未確認情報もある。

パレスチナの元財務次官であるサミール・フリレ氏はアラブニュースに対し、世銀がパレスチナ自治政府に対して行っている融資プログラム(毎年4000万ドルから5000万ドル)に加え、「パレスチナ自治政府のパフォーマンスに関する同銀行のレポートや推定が援助国の今後の支援に関する意思決定に大きく影響している」と語った。

「世界銀行はパレスチナ自治政府の財政状況や経済成長について定期的にレポートを作成しており、パレスチナ自治政府における各種プロジェクトへの各国の支援を促す中心的な役割を担っています」と同氏は述べた。

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