
Menekse Tokyay
アンカラ:シリアの指導者バシャール・アサド氏がシリア北西部で軍隊を再び動員し、過激派が支配するイドリブ県で新たな大量殺りくが起きるのではないかとの懸念が高まっている。
この動きは、ロシアが、ディエスカレーション地帯とされる、M4高速道路沿いでのトルコ軍との合同軍事パトロールを中止したことを受けたものだ。
パトロールは3月、アレッポとラタキアを結ぶ道路沿いで始まった。最後のパトロールは8月12日に行われ、ロシアはその2日後にそれらを中止した。
それ以来、アサド政権軍は、イドリブの南の地方にあるジャバル・アル・ザウィヤの Al-Fterah、Sfuhen、Kansafraにロケット弾攻撃を行っている。
その地域は、アルカイダ系の組織だったハヤート・タハリール・アルシャームによって支配されている。この組織は、ハマー北西部のSahl Al-Ghabにある、政権の支配下にある村Beit Hasanouをロケット弾や重機関銃を使って攻撃した。
新たな「イドリブの戦い」の準備が整う可能性があると、専門家らはアラブニュースに語った。
イスタンブールにあるオムラン戦略研究センターの軍事アナリスト、Navar Saban氏は、戦闘員は綱渡りをしていると述べた。
「ヒズボラはM4高速道路の南の地域への攻撃を開始するために軍隊の一部を移動させました」と同氏はアラブニュースに語った。
「合同パトロールが中止されているこの地域は高い所にあり、この地域を支配すればイドリブ全体を支配することができます。なので、遅かれ早かれ小規模な武力衝突が起こる非常に戦略的に重要な地域です」
「政権が作戦を実行する可能性は高いです。小規模の戦闘になるしょう。トルコはこの戦略的に重要な地域から撤退する準備も、反対勢力の撤退を許す準備もできていません。遅かれ早かれ、ロシアはこの地域を支配するでしょう」
「ロシアは当初、反政府勢力がいない地域を監視することを計画していましたが、それが実現しなかったのは、ロシアに譲歩する気のないトルコが、軍隊の一部とそこの反政府勢力を動員し、ロシアとトルコの間に新たな緊張の原因を作ったからです」
中東アナリストのKyle Orton氏は、ロシアのイドリブでの合同パトロール中止は、彼らが選択肢を考慮しているので、一時的な治安問題かもしれないと述べた。
「パトロールは当初、平和的な抗議者からの攻撃の的になっていましたが、特に先月からは軍事的なものが増えています」と同氏は述べた。
「シリアではロシアの意図が常に疑われていることは明白であり、最近では新たな政権の同盟軍によるイドリブへの攻撃の兆候が見られるため、ロシアによるパトロール中止は、それに関連した戦術的問題である可能性があります」
「トルコも同様に、テロリストが混ざった不安定な難民の波がトルコ領内に入るのを避けるため、少なくともイドリブ北部を緩衝地帯として維持するという方針を変えていません」