ワシントン発: トランプ政権は今週、高官2名を中東に派遣し、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)の国交樹立に向けた歴史的合意の勢いに乗じる構えだ。
3人の外交筋によると、マイク・ポンペオ国務長官とドナルド・トランプ大統領の上級顧問で義理の息子のジャレッド・クシュナー氏は、近い内に中東地域諸国への歴訪を別々に予定し、イスラエル・アラブ首長国連邦間の協定後のアラブ・イスラエルの親交関係の確立を後押しする。
同筋は匿名を条件に、歴訪の予定は未確定かつ未公表だが、ポンペオ氏は日曜に出発し、イスラエル、バーレーン、オマーン、アラブ首長国連邦、および、スーダンを訪れる見込みだと語った。
同筋によると、いずれの歴訪も、イスラエルとの国交正常化協定を少なくともひとつ以上、近い将来に結実させることを狙ったものだが、歴訪中に直ちに発表を行う目論見ではない。
ポンペオ氏はカタールでタリバンのメンバーとも会合し、アフガニスタンから米軍を撤退するための要となる、アフガン内の和平交渉について協議すると同筋が語った。
今回の歴訪は、イスラエル・パレスチナ紛争に対する決議は伴っていないが、アラブ・イスラエル間の国交正常化に向けて一層の努力を傾けるトランプ政権に同調するものだ。しかし、ホワイトハウスと国務省は、同歴訪についてコメントを出していない。
また、イランに対する国際的制裁の復活の口火を切るために踏み出しているトランプ政権に同調するものでもある。
パレスチナ人が求めている、イスラエルが占領中のヨルダン川西岸地区を併合するという論争中の計画を凍結するという米国の仲介案のもと、イスラエルとアラブ首長国連邦は、8月13日、完全な外交関係を確立すると発表した。
この歴史的合意は、選挙再選を狙うトランプ氏にとって、重要な外交政策上の勝利をもたらすことになる。
米国とイスラエルの当局者によると、アラブ諸国は近い内、アラブ首長国連邦の動きに追従するだろうと示唆している。
AP