アラブニュース
ベイルート:大規模な爆発が港湾施設とその周辺地域を荒廃させてから1ヶ月余りたった10日、ベイルート港で起こった火災でレバノンの首都上空に大きな黒煙が上がった。
軍の情報筋によると、初期段階の検証では港湾地域で食用油が火災を引き起こし、保管されていたタイヤに火が広がったものとみられる。 テレビの中継映像では、壊れた倉庫のタイヤの山の近くで炎が燃え上がる様子が映されていた。
消防士が地上で消火活動を行う中、軍のヘリコプターは上空から火に向かって放水を行った。
ベイルートのマルワン・アブード知事が、市民に安全を守るために港に近づかないよう、また、消防士の仕事を妨げないよう呼びかけたとレバノンの国営通信社NNAは報じた。
NNAによると、火災はタイヤが保管されていた倉庫で発生した。
ベイルート消防本部のミシェル・アル・ミュール消防司令補は、火災がタイヤと油が保管されている港の免税区域で起きたことをアラブニュースに認めた。
「火事の原因はまだ不明だが、まずは直ちに火を消すことが最優先だ」とアル・ミュール消防司令補は 述べた。
消防士たちが先月の爆発で破壊された倉庫跡地に囲まれた港の現場で消火する姿がテレビに映し出された。先月の爆発は長年にわたって港の倉庫に放置されていた硝酸アンモニウムによって引き起こされた。
レバノンのテレビ局は、ベイルートの港で働く労働者の話を引用し、「残存物をすべて片付けて掃除を行うためにベイルート貨物センターの格納庫内に通り道を作る作業が行われていた」と伝えた。
さらに、「切断機」を使って行われていた鉄製ドアを切り開く作業が原因で、倉庫内で火災が発生したと付け加えた。
先月の首都を破壊した港湾地区での爆発による動揺がいまだ続く中、市民は火災で再び騒然となった。
8月4日の爆発では190人以上が死亡し、約6,500人が負傷、レバノンの首都にある何千もの建物が損傷した。
一か月後に起きた新たな火災の光景は、先月の爆発で精神的衝撃を受けた住民の間にパニックを引き起こした。
(通信社と共同)