
エルサレム:ヨム・キプルの祭日には、普段であればイスラエルの殆どの地域で活動が停止する。ユダヤ教では1年で最も神聖なこの祭日には、ビジネスが閉鎖し、道路も空になるからだ。
しかし、今年は世界が大きく変わったため、都心の車のいない高速道路は、祭日以外の日でも見慣れた光景になっている。
イスラエルは、新型コロナウイルスによる第2波の流行拡大を受け、入院数の上昇に伴い病院に多大な負荷がかかる懸念から、9月18日よりロックダウンに踏み切った。人口900万人のこの国では、これまで少なくとも1,441人の新型コロナウイルスによる死者が出ている。
イスラエル保健省は、祈りは対人距離を取った小さいグループで、屋外で行う必要があるという指令を出したが、チーフ・ラビネートの広報担当官によれば、それは多くのシナゴーグにとっては実際には閉鎖命令を意味するものである。ヨム・キプルの祭日中、ユダヤ教礼拝所に広く制限が課されるのは、1948年のイスラエル建国以来初めてのことである。
「この贖罪と許しの時期に、私はイスラエルの全市民にこれをお願いしたい」と、コロナ対策長官であるロニー・ガムズ氏が、イスラエルのメディアが引用した手紙の中で述べた。
「そして、警備担当者、伝統的、宗教的、超宗教的なイスラエルの全ての人たちに対し、今年の祭日が制限される事をお詫びいたします」
占領下のパレスチナ自治区への出入りも封鎖されたが、これはイスラエルの休日期間中には殆どの場合に行われることである。
ロイター通信