

ナジア・フッサリ
BEIRUT:ベイルート:レバノン国民議会のナビ・ベリ議長は、レバノンの南の国境画定に向け、また陸上と海上の国境を関連付けて再交渉するために、米国と「最終合意」ではなく「枠組み合意」に達したと発表した。
ベリ議長は1日、自身がこの合意に10年間取り組んできたと述べるとともに、合意に達したのは7月9日のことで、議長の秘書でもあるアリ・ハサン・ハリル前大臣らに対する米国の制裁措置よりも前のことであり、制裁措置とは無関係であると強調した。
米国の国務省はこの「国境を越えてレバノンとイスラエルの交渉を開始する決定」を直ちに歓迎し、この進展が「安定、安全、繁栄への道を開き、レバノン、イスラエル、そして地域の利益に役立つ」ものだと強調した。
年3月にレバノンを訪問した米国のポンペオ国務長官は、「レバノンとイスラエルの間の交渉に関する合意は、3年間にわたる努力の結実」だと明らかにした。
国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)の指導部も交渉合意を歓迎し、UNIFILが「交渉の当事者たちに最大限の支援を提供し、問題解決に向けた努力を促進する」態勢にあることを強調した。
イスラエルは2019年6月に米国が仲介する海上国境についての協議開始に合意したが、レバノンは海上と陸上の両国境について同時に合意するべきだと主張していた。
レバノンとイスラエルは公式には戦争状態にあり、両国間の国境は陸上でも海上でも確定していない状況だ。
国連は、陸上国境の替わりにブルーラインと呼ばれる暫定的な境界線を設定したが、それについても両国は争い続けている。
レバノンは、自国の排他的経済水域内で原油とガス資源を探査した合計10ヵ所のうち、3ヵ所の探査中に海上国境をめぐる紛争が発生したことを考慮して、米国の仲介による国境交渉に踏み切った。
ベリ議長は1日の記者会見で次のように述べた。「ポンペオ長官のレバノン訪問により、国境画定への話し合いが復活しました、私が主張したイニシアチブは1996年4月の停戦合意と国連安全保障理事会決議1701です。私はまた、交渉過程における会合がナクーラの国連施設で、国連の支援の下、国連の知見を得ながら行われるべきだとも訴えています。」
ベリ議長はまた、以下のように付け加えた。「国境に原油が埋蔵されていることを確認した後、私は2010年に自分自身の判断で、海上国境を定め地中海に停戦ラインを設定するよう、国連への働きかけを始めました。しかし国連は消極的で米国に支援を要請したため、私は、これも自分自身の判断で[直接米国に]支援を要請することにしたのです。」
#レバノン#Lebanonと#イスラエル#Israelの間で海上境界線の交渉を開始するための枠組み合意の発表を歓迎します。レバノンとイスラエルの海上国境画定に向けた交渉の枠組み合意を歓迎します。@UNIFIL_は、今後の交渉の解決に向けた取り組みとブルーライン(#BlueLine)を活用した進展を支援していく準備を整えています。https://t.co/V4VYOaepvw
— UNIFIL司令官、ステファノ・デル・コル少将(@stefanodelcol)2020年10月1日
ベリ議長は、ポンペオ米国務長官のレバノンへの訪問と議長との会談により、国境画定への話し合いが再び動き出したと述べている。
「米国は海上国境画定の仲介者の役目を果たす要請されており、そうする準備もできています。国境が最終的に合意されれば、国際法および関連する条約に従って、海上国境に関する合意協定が国連に寄託されます。」とベリ議長は説明した。
「米国は、交渉を好ましい形で管理し、できるだけ早く合意が達成できるようあらゆる努力を払う意向です。国境が画定できれば、特にブロック8とブロック9が開発できるという点において、我々にとって大きな意味を持ちます。レバノンに債務返済への大きな力となるからです。」とベリ議長はつけ加えた。
議長はまた、以下の点を強調している。「レバノン南部の国境は、1996年4月の停戦合意と国連安全保障理事会決議1701以降の建設的な経験に基づいて定めていきます。海上国境に関しては、国連特別調整官の指揮の下で会議を継続的に開催していきます」
イスラエルのユバル・シュタイニッツ エネルギー相は、「イスラエルとレバノンは、両国の海上国境について、米国が仲介する話し合いを行います」と述べた。
同相はまた、交渉の開始時期について「会談は、10月9日までの仮庵の祭り(スコット)の休日の後に行われる予定」と話している。