
Najia Houssari
ベイルート:レバノンを代表するスンニ派の政治家、サード・ハリリ元首相は、1975年から1990年の内戦以来、最悪の財政危機から国を救うためにフランスの計画の復活を求めている。
外国の援助を主導してきたフランスは、危機を打開するための改革を始めるためにレバノンの指導者を結集しようとしている。しかし、フランスがロードマップの最初のステップとする新政府樹立の合意に失敗し、エマニュエル・マクロン仏大統領からは非難の声が上がっている。
レバノンは、通貨価値を暴落させた昨年からの財政危機から抜け出すために、外国からの資金を緊急に必要としている。
イランの支援を受けるヒズボラとその友党アマルが財務相の指名を要求し、政治家が閣僚ポストを巡って争う中、新内閣に関する協議は行き詰まった。
ハリリ氏は、国際通貨基金との取引を確保することでレバノンの対立する政党が合意した場合にのみ、自身がこれまで3度務めてきた首相の役職に復帰すると述べた。
ハリリ氏の連立政権は1年前、汚職がはびこり借金まみれの国家を牛耳ってきた支配者のエリートたちに怒るレバノンの人々による大規模な抗議行動によって倒された。
「この機会を無駄にしないよう、政党にはよく考えてほしいです。フランスのマクロン大統領の取り組みはまだ有効であり、我々はまだそれを実行に移すことができます。もし失敗させれば、それは犯罪的行為です」とハリリ氏は木曜日遅く、テレビのインタビューで語った。
「現在、レバノンには2つか3つのプロジェクトがあります。ヒズボラとアマルが企てているプロジェクトは海外とのつながりがあります。レバノンをこの危機から脱出させ、政党から解放しようとするプロジェクトがあり、それはレバノンが最優先であるという事実に基づいています」とハリリ氏は述べた。
ハリリ氏はさらに、「レバノン国民の4分の3が飢えているのに、どうして自分の身を守ることを考えるのでしょうか。経済が破綻しており、企みは国民に背く行為です。誰もヒズボラに対し何かを企んでいるわけではありません。レバノンと国際社会の誰もが、ヒズボラが兵器を保有し、ヒズボラの兵器が地域的な影響力を持っていることを知っています。この問題を解決するためには、地域の問題を解決しなければなりません」と主張した。
ハリリ氏は、危機が渦巻く中で内紛が起こる恐れがあると警告した。戦争以来、分裂が深まっているレバノンでは、不安が高まっている。レバノンの政治を現在も支配している党派によって、宗派間の壁に従って戦争が戦われてきたためだ。
「武器の所持や街頭での武器の誇示に関してレバノンで起こっていることは、国家の崩壊を意味しています」とハリリ氏は述べた。
ハリリ氏は「もしヒズボラが支援する政府ができたら、海外の誰1人としてレバノンに一銭も与えないでしょう。そして、我々は同じ問題を繰り返すことになるでしょう」と警告した。
ミシェル・アウン大統領は来週、新首相を指名するために議員との協議を行い、新政府の樹立に向けた突破口を探る。
大統領報道官のラフィク・シャララ(Rafik Shalala)氏はアラブニュースに次のように語った。「ハリリ氏の提案については、否定的なコメントも肯定的なコメントもしません」
大統領に近い情報筋は次のように述べている。「アウン大統領はハリリ氏の提案が議論を巻き起こしていると考えています」
ハリリ氏のメディアアドバイザー、フセイン・アル・ワジ(Hussein Al-Wajh)氏はアラブニュースに次のように語った。「ハリリ氏は自身が首相候補としてふさわしいと言っています。ハリリ氏の主なメッセージは、フランスの取り組みを復活させることであり、それが崩壊を止めるために利用可能な唯一の機会だということです」
海外の支援国は、レバノンの指導者たちが汚職の問題に取り組み、統治の改善のための改革に着手し、IMFとの交渉に参加しない限り、新たな援助はないと明言している。
IMFとの交渉は、レバノン政府関係者、銀行経営者、政党の間で、莫大な規模の財政損失についての論争があり、今年に入って行き詰まった。