
Arab News
ロンドン:オーストラリアの各党所属の政治家は、今月初めのドーハ空港でシドニー行きの便の女性乗客が地元当局により機から降ろされ脱衣検査された事件をめぐり、カタールの在キャンベル大使主催の公式晩餐会出席を取り消した。
スタッフが空港トイレで遺棄された新生児の母親を特定するため、オーストラリア人13人を含む女性18人が警告や説明なしに10月2日のカタール航空便から降ろされ、駐車場内の救急車での医学的検査に連行された。
報道によると、乗客たちは、最近出産したかどうか確認するため、検査の一部として下着を取るよう言われた。
オーストラリア政府外務貿易省によると、他の10便の乗客も影響を受けた。
カタールのサード・アル=マフムード(Saad Al-Mahmood)大使との晩餐会の招待を断った政治家であるオーストラリア議会情報安全保障共同委員会の全委員は11月9日に同大使の住居で予定していた。
「ドーハ空港でのオーストラリア女性の不当な扱いにより、この招待を断った」と同委員会のオーストラリア自由党のアンドリュー・ハスティ議長と労働党のアンソニー・バーン副議長は共同記者会見で述べた。
「カタール政府がオーストラリア市民の不当な扱いを調査し、オーストラリア政府に詳細な調査を提供することを完全に期待している。」
野党労働党もカタール政府に圧力をかけるため十分ではなかったと同国政府を非難した。
「影の内閣」のマーク・ドレイファス(Mark Dreyfus)検事総長は、本事件は国際人権法違反だと語った。
ペニー・ウォン(Penny Wong)元老院リーダーは次のように語った。「オーストラリア外務大臣が本件を聴いたとき、本件が当国にとって、そして本件に適切な対応があることがいかに重要かを示すだけでなく、抗議を表すため、電話をかけ可能な最大級の抗議を表明しなかったのか、私にはただ考えられない。」
スコット・モリソン首相は、出来事に対してカタール政府にオーストラリア政府の「強い非難と激しい憤り」を伝えた。
同首相は「驚愕の」出来事に対応して「極めて執拗な方法を取り続ける」と付け加えた。
マリズ・ペイン(Marise Payne )外務大臣は10月6日、アル=マフムード大使に電話し、ドーハでの出来事に遺憾の意を示し、本件に関する詳細な報告を求めた。
両国間関係は貿易パートナーとしてのカタール政府に対するオーストラリア政府の依存(中東および北アフリカで第2位、2019年は21億3,000万ドル相当)により複雑化している。カタール政府系ファンドもオーストラリアに30億ドル以上投資している。
カタール航空はコロナウイルスパンデミックで立ち往生さられた後、オーストラリア人の約15パーセントを帰国させるという重要な役割を演じたと同首相は語った。
また、オーストラリアは、2012年のオーストラリア軍人3名の殺害でドーハに拘留された指名手配の元アフガニスタン兵士の拘留で、カタール政府の協力を必要としている。
カタール政府は、本事件により生じた「苦悩」に遺憾を示し、本件は新生児がゴミ箱で発見された後、「緊急で決定された」と同国政府は主張した。