
アラブニュース
ロンドン:政府の無策はトルコの都市イズミルで75人以上が死亡する一因となった可能性がある。建物の安全性に関する度重なる警告は無視されていた。
10月30日にトルコ沿岸付近でマグニチュード7.0の地震が発生した後、イズミルで少なくとも120人が行方不明となっており、17の高層ビルが倒壊した。
タイムズ紙が閲覧した文書によると、2010年、2012年と2018年にイズミルの危険な建物についてのレポートが環境都市整備省に報告されたが、同省は行動を起こさなかった。それらの建物の一部は地震で倒壊した。
さらに、2011年に東部の都市ヴァンを襲った地震で604人が死亡したことを受けて、同省が2017年までに全国のすべての建物を検査するために策定した計画は、実行されることはなかった。
「私たちが住む通りにある2つの建物が倒壊しました。塵と煙がもうもうとし、私たちに石組みが崩れ落ちてきました。 私は隣のビルのバルコニーからある家族を救出するのを手伝い、その後出勤しました」と、10月30日の地震が起きた時、2010年のレポートで名前が挙げられていた建物の1つにいた地元議会職員のラマザン・バルさんは話した。
「午後10時までに父が行方不明になっていることに気づきました。父の電話から出た最後の信号が地震発生から5分後に建物の中から出ていたので、父がここにいることはわかっています」
建物は、リザベイと呼ばれる8階建ての集合住宅で、地震がこの地域を襲った場合、深刻な被害を受ける危険性があると評価されていた。
地元の土木工事会議所の所長、エイレム・ウルタス・アヤタル氏はタイムズ紙に「震源地はイズミルからとても遠く、イズミルの地震ではありませんでしたが、私たちはとても強い揺れを感じました」と話した。
「一般の人々は、住んでいる建物に耐震性があるかを知る必要があります。もちろんこれ(リザベイ)は築30年の建物でしたし、今はより良い材料を使っています。しかし、請負業者の質にはまだ疑問があります。きちんとした制度化された建物検査があれば、今日のような問題は起こらないでしょう」
トルコは長い間、地震活動の危険にさらされてきた。過去1世紀の間に8万人以上が地震で死亡しており、この地域は多くの活断層に沿って位置している。
さらに、計画法とその遵守は、長い間、汚職と誤った管理の影響を受けてきた。
2018年には、約1,000万棟の建物が政府の目こぼしの下で違法に建てられたり遡及的な建築許可を前提に改装されたりした。その中には安全基準を満たしていないものも多く含まれていた。
野党共和人民党の書記長であり、イズミルの国会議員でもあるSelin Sayek Boke氏は「私たちは、地震の際の損失を防ぐために行われるべきことが行われていないことを知っています。品質、規制、監視が優先されたことはありませんでした」と述べた。