




イズミル(トルコ):トルコ人の感情の激しい浮き沈みが続く致命的な地震後の現場で、多数の人々が亡くなった地震発生3日後の月曜日、救助隊員が、崩壊したアパートの瓦礫から生存した2人の少女を掘り出した。
被害の大きかったイズミルで救助された直後、少女らは救急車により急いで病院に搬送された。この様子を見守っていた人たちは喜びの拍手を送り、安堵の涙を流した。
トルコ第3の都市イズミルで建物が倒壊した中で、月曜日、救助隊によりさらに遺体が発見され、金曜日の地震による死者の数は87人に達した。
ギリシャ、サモス島の北東のエーゲ海を震源とするこの地震により、トルコを中心に1000人近くが負傷した。死者のなかにはサモス島の10代の若者2人が含まれており、他にも少なくとも同島の19人が負傷した。
地震の規模については議論が分かれた。米国地質調査所は7.0、イスタンブールのカンディリ研究所は6.9、トルコの緊急事態管理庁は6.6を測定したと発表した。
救助隊員は月曜日、14歳のイディル・シリンさんが58時間閉じ込められた後、瓦礫の中から救出されると、一斉に拍手を送った。彼女の8歳の妹、イペックさんは、生存していなかった、と日本テレビは報じた。
7時間後、別の倒壊した建物で作業していた救助隊は、3歳のエリフ・ペリンチェクさんを救出した。彼女の母親と2人の姉妹は2日前に救出されていた。エリフさんはアパートの残骸の中で65時間を過ごしたが、生存者が救出されたのはこれで106人目となったと国営アナドル通信は報じた。
イスタンブール消防署の捜索救助隊のムアンメル・チェリク氏は、日本テレビの取材に対し、残骸の中でエリフさんを発見した時には、彼女は死亡していると思ったと語った。
2020年11月2日、イズミル市で、倒壊した建物の現場で生存者や犠牲者の捜索活動が続く中、被害を受けた建物が管理された方法で解体されている。(AFP)
「彼女の顔にはホコリがついていて、顔が白くなっていました。」と彼は言う。「顔についたホコリを払うと、彼女は目を開けたので、私は愕然としました。」
チェリク氏は言う 。「それは奇跡でした、本当の奇跡でした。」
少女は救助活動中ずっと彼の手を離そうとはしなかったとチェリク氏は語る。「私は今では彼女の兄のようなものです。」
担架に乗せられてテントの中に運ばれる間、少女がチェリク氏の親指を掴んでいる姿を写真が捉えた。彼女はテントで治療を受けた後、病院に運ばれた。救助隊員らが、喜びの涙を流しながら抱き合う姿が見られた。
救助隊員は、生命の兆候を検知するためにリスニングデバイスを使用し、さらに生存者を発見しようと懸命に努力している。
「誰か聞こえますか?」とチームリーダーは叫び、生存者がいれば、できれば3度壁を叩くように求めた。
当局によると、地震から救出された220人がまだ入院しており、そのうち4人は重体だという。
また地震により、小さな津波が発生してサモス島とイズミルのセフェリヒサール地区を襲い、高齢の女性1人が溺死している。揺れはイスタンブールを含むトルコ西部全域やギリシャの首都アテネでも感じられた。数百回もの余震が続いている。
トルコには、古い建物や安いまたは不法な建築物が混在しているため、地震が発生したときには大きな被害を受けたり、死者が出たりする可能性がある。地震を考慮して古い建物を強化したり取り壊すための規制が強化され、またトルコの都市では都市再開発が進行中だが、それは遅々としてなかなか進んでいない。
トルコは断層線の上にあり、地震が発生しやすい。1999年には、トルコ北西部で2つの大きな地震が発生し、約18,000人が死亡した。ギリシャでも地震が頻発している。