アラブニュース
Abdullah Al-Mudaifer(AAM):皆様に平和と祝福がありますように。
サウジアラビアのチャンネル、及び多くのアラビア語チャンネルでご覧のみなさま、モハメッドビンサルマン皇太子殿下とのこの非常に特別なインタビューへようこそ。
皇太子殿下、こんにちは。このような機会に恵まれ嬉しく思います。
モハメッドビンサルマン皇太子(CP):アブドラさん、お会いできてうれしく思います。あなたはサウジアラビアとアラブ世界で最高のインタビュアーの1人です。あなたとご一緒できて光栄です。
AAM:私こそ光栄に思います、殿下。
今日は王国の「Vision 2030」の5周年のお祝いの日になります。
まずは原点に戻り、なぜこのVisionなのか、そして別の言い方に言い換えますと、私たちがこれまでと同じ道、石油生産国、豊かな国として歩み続けていたらどうであったでしょうか?
CP:歴史をたどれば、石油は間違いなくサウジアラビア王国に大いに役立ってきましたが、サウジアラビアは石油の前に設立された国であったことを私たちは知っています。石油がもたらした利益と成長は、30年代40年代当時我々が必要としていた以上の量になります。ですから、利益と経済成長の余剰は、私たちが望む何百倍も多かったのです。これが、石油がサウジアラビア王国における我々のすべてのニーズを確実にするという印象を生み出しました。
CP:当時の人口は300万人未満でした。そしてリヤドには当時15万人しか住んでいませんでした。時間の経過とともにもちろん生産量はわずかに増加し、人口は100万人から300万人、さらには約2,000万人までに大幅に増加しました。そのため、60年代、70年代、80年代以降、石油のもたらす利益は私たちが慣れ親しんできたニーズや生活スタイル維持するには足りなくなりました。何も変わらなければ、人口の増加を考えると、20年後には我々が50年間慣れ親しんできた生活水準に大きな影響を与えることになります。これは1番のリスクです。
我々はサウジアラビア人です。これまでと同じ生活水準を維持しなければなりません。それどころか、更によいレベルの生活と、成長促進を目指しているのです。
CP:サウジアラビア王国の経済が主に石油に依存するというリスクに加えて、40年または50年先に石油が直面する課題があります。利用が制限されているか、価格が安いか、経済状況に難があり、経済的および経済的影響がマイナスになる可能性があります。Visionの必要性はそこに1番根拠があります。第二に、サウジアラビア王国には、石油セクターだけでなく、さまざまなセクターで多くの可能性があるということです。鉱業、サービス業、観光業、ロジスティクス、投資など…巨大なチャンスなのです。石油に問題がなかったとしても、これらの可能性を実現化するための熱意と大きな推進力がサウジアラビアにはあります。私たちは、愛する国のためにサウジ人としてこれらから恩恵を受けることを目指しています。ですから、私たちが直面している課題を排除し、今日の状況では90%を占める、可能性のある未開拓の機会を活用するために、ビジョン2030の主な重点があるのです。私たちは世界レベルで成長し、繁栄し、競争し続けます。
AAM:5年間で、最も重要な成果は何ですか?
CP:非常に多くの成果がありますが、一番重要な課題は、例えば住宅です。 20年間解決できない住宅問題があり、国民は15年近くローンや住宅補助金を受けられずにいました。住宅レベルは上昇せず、Vision以前は47%でしたが、常に40~50%でした。アブドラ国王の時代、2011年には約2500億リヤルが割り当てられました。2015年には、この2500億リヤルのうち、20億リヤルしか利用されず、国家の状況が非常に脆弱だったため、住宅省はそれらを既存のプロジェクトに使うことができませんでした。省庁は散在し、公共政策がなかったため、住宅省は地方自治体、中央銀行、民間部門の立法を制定するための財務省などと連携した国の一般的な政策なしには成功できなかったのです。したがって、これらの2,500億ドルは国庫に返還され、年間予算が支払われましたが、その結果、住宅の割合は4年以内に47%から60%に増加しました。これは、私たちがどこに向かっているのかを示すかなりの指標です。
CP:非石油部門の経済成長は平均の範囲内であり、私たちが望んでいたほどではありませんでした。 2019年の第4四半期には、非石油経済が約4.5%成長し、その後2020年のパンデミックがなければ5%を超えていたでしょう。うまくいけば、今年と今後数年間、そして将来的にはさらにこれらのレベルを維持する予定です。Vision開始時の失業率… 2020年第1四半期の失業率は約14%でした。パンデミックによる失業率が増加したため、失業率は11%を少し上回ります。私たちはパフォーマンスと失業率でG20各国の中で上位6番目入りましたが、2021年の最後の部分または第4四半期には12%に戻りました。石油以外の収入でより良い率に達するまで、11%を10%程度に少し改善します。そして収益は660億から3500億サウジアラビアリヤルに上昇しました。商用ライセンスは、以前は6つのエンティティを経由して作成されるまでに数日かかりましたが、現在はオンラインで30分でできます。外国投資は年間1700万と3倍になりました。サウジアラビア市場は、4000ポイントから7000ポイントの間の最後の危機の後、行き詰まりました。今では10000を超えています。これは、民間セクターが成長し始めたことを意味します。したがって、これらは4年間で達成されたものと比較して膨大な数です。これを説明するにはかなりの時間がかかります。
AAM:特定のセクターについてお聞きしたいのですが、Visionは経済、政治、社会における最高の変革プログラムの1つです…しかし、殿下、私たちは必要以上に速いスピードで成長しているのでしょうか?
CP:速すぎるとは言えません。そこにチャンスがあり、達成可能であるのに私が急ぎたくないからという口実でそれを達成しない場合、それは私が先延ばし、働きたくないと言っているのと同じです。機会があるのなら、10、100、1,000、または数万の機会をつかむべきであり、こういった機会を達成するために政府の人材と能力を開発するのです。そこからまた新しい視野が開かれます。 。
AAM:The Visionとその目的は非常に野心的ですが、それをどのように実行に持っていくのかということです。
CP:何に関してですか?
AAM:実行ということに関して、例えば、70%、殿下は例えば住宅に関して70パーセントと言いました。
CP:我々はその目的に向かって進んでいますが、目標はすべてとても高い数字です。たとえば石油の問題のように、確実に実施するという考えです。私は政府の立場について話しました。数字を達成するという点で変化はないと思います。約束の期日前になんとか上回ったと思います。住宅の場合、目標は60パーセントでした。 2020年には60%に達しました。したがって、2025年までに62%に到達という目標だったのでそれを超えています。住宅所有権を持つサウジ人を62%から70%にするのです。
CP:また、公共投資基金の規模の目標は、2020年に7兆リヤル、と設定されました。 2020年には4兆リヤルになったので、2030年には10兆リヤルに修正する予定です。したがって、私たちが考えていたすべての数値目標は大変高く達成不能と思われていましたが、2020年にはその一部を達成することができましたし、2025年にはさらに多くを達成するでしょう。ということは2030年には目標を上回る可能性があります。2015年にサルマン国王が王位に就いた時直面した最大の課題は、省庁、機関、統治システムという3つの権力が存在したことですが、作成したポリシーを執行できず、そしてそのポリシーは国で集権的に作成されたものでもないのです。それは住宅省が2,500億リヤルを取得しても自治体との問題があり、また国の住宅政策と自治体の住宅政策が違っていたためにそれを有効に使うことができなかったような問題に代表されます。銀行への不動産抵当貸付に関連するシステムが必要でしたが、中央銀行の法律がこれを適用しています。したがって、政策を立案し、戦略を設定し、それらをさまざまな組織と連携させ、それを実施するために必要な役割をすべての省に付与する国家の強力な立場がなければ、何も達成されません。
CP:たとえば、住宅の件については国からの立場を確立し、約70%をカバーしましたが、これは、住宅省の仕事だけでなく、地方自治体、貿易省、財務省、中央銀行、法律を制定するための専門家委員会が連携しなければなりません。これは、住宅関連の目標の60%達成に寄与しました。ですので、2015年はかなり大変な年でした。8割の省庁は効率的ではなかったのです。公的投資基金では、次席に来るべき代理人や次官が存在せず、省庁における指導者は皆無でした。ほとんどの人は特定の取引を完了するためだけに日常業務に取り組んでいましたが、戦略も計画もありませんでした。目標やそれを達成するためのチームも、優れたガバナンスも、王立裁判所も、意思決定をサポートできるものもありませんでした。何かを達成するときにはチームが必要です。我々全員が楽しみにしているすべてのチャンスと願望をつかむための仕組みを確立する必要があったため、2015年は非常に困難な年でした。
社会問題安全保障経済経済評議会を設立するための政府の再編、特定の部門の再編、新大臣を任命する特定の省庁の再編、そして第二弾は副大臣と次官を任命するするために小さな改革がなされました。 2015年末に取り組んだ重要な仕事はすべての省庁内に分類されています。
CP:最も重要な20人のリーダーたちの中で、誰が緑、黄、赤になるかを分類しています。 90%が赤と黄色で、10%だけが緑のゾーンにありました。では、運用チームがいない中でどうやって70%を緑ゾーンに行かせるためにすべての人を改革できるでしょうか?国の立場に戻って経済的または社会的問題の執政官を擁立することが再編のすべてではないのです。国内での組織的な作業が必要です。そこで、私の配下に戦略的戦略と委員会を設立してVisionの戦略を各セクター<住宅、エネルギー、産業、生活の質など>に落とし込んでいくということをしたのです。
国の予算を設定するための予算局の設立に努め財務省がこれを行わなくていいようにしました。財務省は予算に基づいて支出するだけの省です。予算を調整するために週に2回、または実際には2週間に1回開催される財務委員会が設立されました。つまり私たちは70%をカバーしているので、Visionを設定するときに目標を設定し、これは達成できる目標、これはオポチュニティー、そしてこれが自分たちのキャパシティーなどと決めることができるのです。私たちは天然資源や人的資源、または経済的機会について話しました。そこで予算としてたとえば2兆リアルの費用がかかる可能性があればその後、財務委員会や財務局に連絡し、最大8000億から1兆リアルを自分のキャパシティーで調達できる、といった具合です。
CP:戦略室に戻ると、戦略を設定し、いくつかのプロジェクトを延期し、いくつかのプロジェクトのコストを延期して、今後数年間に適した財務調整をし、委員会を通じて、今年末までに設置する専門部署でポリシーに落とし込むのです。そしてそれは各省庁の明確な役割と、すべての省庁が達成する機能の調整配分という明確な目的を持って、その戦略を実施するために大臣に与えられる命令となります。そのため、実際にスタートするまでのこの作業には、2016年から2018年までの3年間を費やしました。2019の実績と比べると成果がやや低いことがわかるかと思いますが、成果のほとんどが経済的なものですが、でも心配には及びません。2020年にはV字型の回復をします。今年は何が行われるか期待しています。ここまで来るのに本当にたくさんの努力をしてきました。前に申し上げたように国の地位を非常に効率的に確立するために7割はカバーしました。そして残りの3割がおそらく来年行われるでしょう。
AAM:少し前に、チームに関してお話をされていました。殿下、あなたはどのようにご自分のチームを選ぶのでしょうか?
CP:もちろん、彼らの長所、効率、能力は基本です。そこに情熱があるというのが最も重要です。担当者は情熱を持っていなければなりません。何かのポストを与えられた時、それは彼の情熱、個人的な情熱がなければいけないのです。たとえば、アブドゥルアズィーズビントゥルキ王子の場合、彼がこの役職に非常に効率的であることは事実です。彼はスポーツが好きですが、スポーツの問題は彼の個人的な問題であり、彼の個人的な興味、情熱なのです。ですから、情熱は公務員や指導者が行動する最大の動機です。彼が自分のしていることに情熱を持っていなければ、それを達成するのはとても難しいでしょう。同じことが多くの大臣にも当てはまります。名前を教えていただければ、彼の情熱はどこにあり、どこから発せられているのか、そして彼ができることをどのように達成できるのかをお話できます。
AAM:ビジョンの最も重要な柱の1つは、公共投資基金です。 2014年から2016年までの目標についておっしゃいましたが、資産は5,700億ドルで収益は3%未満でした。殿下は基金の資産を最大2.5兆まで増やしました。 2025年には4兆まで増加するでしょう。そして彼らが主張するように、2030年には7.5兆に達するでしょう。今日の私の質問は、殿下、公共投資基金の収入はどれぐらいですか? 2025年にいくら入るのでしょう? 2030年の収入はどれくらいになるのか、或いは目標値はあるのでしょうか?
CP:もちろん国庫の公的投資基金の収入はゼロです。 2030年以降に国の歳入を補充するために、私たちは巨大な基金を創設するということです。ですので目的はファンドの成長で利益を変革することです。 2025年には2.5兆または4兆がありますが、石油セクターから受け取る収益からバランスを確立するだけでは不十分です。目標が変更され2030年には10兆になると公式に発表される予定です。私たちの着眼点は、この公共投資基金の成長です。これは過去4年間で行われたことであり、300パーセントの成長をしました。今後5年間で200%或いはそれ以上成長し、2030年には最大10兆に達することを期待しています。その後、状況に応じて、歳入としていくら支出するかという方針を打ち出し、成長の継続と歳入の流入を維持するために、基金の2.5%を超えないようにします。
AAM:私が殿下の話から理解したのは、これが私たちの新しい石油バレルだということですね。
CP:はい、石油化学産業や他の製造業からの新しい石油バレルです。また、収入のために公共投資からの石油バレルが必要であり、経済の多様化からの収入も必要です。今日では国の予算に収まらないことはわかっていますが、今日の歳入は3%でしたが、その割合はいくらですか。確かに、ファンドの収益性は2~3パーセントでした。現在、ファンドは6~7%を目標としており、これはファンドへの投資のほとんどで達成されています。さらに重要なのはVisionの前にどれだけ投資がされていたかです。このファンドの開始時にサウジへの投資はわずか30億リヤルでした。 2020年に費やされた公共投資は、新しい分野に900億リヤル、これは株式ではなく新しい投資でした。そして2021年にそれは1600億に増えるでしょう。国の予算を見ると、資本は1,500億ドルを費やしています。現在、公共投資は国家予算よりも多くを費やしています。つまり、公共投資基金は予算よりもサウジアラビア経済を動機付けており、2030年に3000億を超えるまで上昇し続けます。新規投資になるので、国がサウジで費やしていた額の3倍かそれより少し少ないだけです。
AAM:ここで質問があります。2030年の2.5兆のファンドの量が、4兆リヤルになるというということで、この現金をどのように調達し、どのように使いたいと思っていますか?
CP:私たちはこの公共投資基金の方針を確立しました。基金はいかなる資産も維持すべきではありません。成熟した資産はすべて処分する必要があります。それが株式市場にある場合、我々は自分たちのシェアを減らし、自分たちが管理できるだけの量を維持するつもりです。
AAM:例を挙げていただけますか?
CP:例を挙げることはできません。なぜならそのことでサウジ市場に影響を及ぼし、誰かに損害が及び、法的措置が取られる可能性があるからです。ですから、収益性を達成してから設立したい新会社は、そのプロジェクトのように市場に上場せずに5年以上続くことはありません…毎年ここでお金を稼ぎ、現金を受け取り、そして市場に再投入するのです。こうして1600億をもたらすのです。このように我々は2030年に4000億に達することでしょう。2030年には設備投資があり、それは国の予算から十分な公共投資基金になります。今年、公共投資基金はサウジアラビア王国の設備投資を主導しています。
AAM:殿下、シンプルに、我々はどのようにこの手順に従って進んでいったらいいのでしょうか?公的投資基金があれば石油なしでも我々はやっていけるのでしょうか?
CP:サウジアラビア王国が石油から脱却したいと思っているという誤った認識があります。全く違います。私たちは、石油セクターであろうと他のセクターであろうと、すべてを活用したいと考えています。たとえば石油セクターでいえば、巷の分析のほとんどが、2030年まで石油の需要は増加するとしています。そして大多数は需要が増加すると予想している反面、2030年から石油の需要は2070年まで徐々に減少していくとする分析もある。逆に見ると、石油の需要についてではなく石油の供給について言えば、供給はより早く失われるか、石油需要の減少よりも早く減少するということです。
CP:たとえば、米国は10年後には産油国ではなくなります。今日では1,000万バレルの生産量がありますが、10年後には200万バレルの生産量にも満たないでしょう。中国では40億バレルを生産していますが、 2030年にはゼロになるか、非常に少なくなります。ロシアは約1,100万バレルを生産していますが、19年後または20年後に100万バレル程度しか生産していないでしょう。石油供給は需要の減少よりもはるかに速く減少しています。需要は予想どおりに増加しますが、供給は5年後から徐々に減少していきます。将来サウジアラビアでは、石油の必要性をカバーするために生産量を増やす予定です。したがって、これは非常に有望な部分ですが、それに依存するべきではありません。石油セクターに関する別の面は、ダウンストリーミングに行く時は収益性が向上するということです。
CP:現在、サウジアラビア王国は石油派生物などのために年間約80万バレルを生産していますが、アラムコとサウジアラビアは製造業向けに30億バレルを生産します。つまりこれは多くの成長を達成するもう1つの側面であり、少なくとも300万バレルです。その結果、私たちが生産する原油バレルが2倍になり、「Shareek」プログラムで発表されたパートナーシッププログラムの40~50パーセントを構成する設備投資があります。アラムコのオポチュニティーをは巨大です。世界中の船の最大のリーダーです。したがって、アラムコには、船を生産するためにローカルコンテンツを制作する場合、より優れた方法でそれを開始する機会があります。最大の船舶企業の1つでありケーブルへのパイプや各部品へのワイヤーにおいてもそうです。アラムコがこれらをローカルコンテンツに削減した場合、アラムコの設備投資の70%が、アラムコの関連会社のローカルコンテンツ部門やサウジアラビア企業の他の部門に充てられます。
したがって、石油セクターだけをみてもオポチュニティーは巨大であり、輸出のみでなく、産業に使用するためにバレルを最適化しないとなると、それは大変大きな違いを生み出します。我々は、石油から製造業などで得られる利益を増やし、その上で石油セクターから離れて経済を多様化する他の機会を生み出したいと考えています。
AAM:アラムコで進行中のプロジェクトで公式に発表される予定のものはありますか?
CP:間近に何かあるでしょう。今は主な国際投資家向けに販売される予定です。
AAM:プロジェクトの経済規模は?
CP:約束はしたくありませんが、エネルギーのパイオニア的企業の株1%を買収する計画があります。これは、この企業が存在する国でのアラムコの売上を伸ばすのに大いに役立ちます。社名は伏せますが、それは巨大企業です。1%を取得すると、アラムコの産業が強化・促進されるでしょう。
他のさまざまな株式を購入する方法についても話があります。アラムコの株式の一部は公共投資基金に転換され、その他はサウジアラビア市場向けになる予定です。
AAM:公的投資ファンドの話に戻ると、このファンドは民間部門の激しい競争相手と見なされているのでしょうか?
CP:まったく違います。ファンドの半分は民間セクター向けになっていると思います。民間部門は現在、政府の設備投資に頼っています。今、1年で年間2600億まで2倍にできる資金があるのですから、それを不動産民間部門を建設したり、民間セクターからセメントや家具類、部品等の購入や、また輸送、建設などにも利用できます。これはすべて民間セクターからで、彼らはこの資金力から恩恵を受けています。基金が昨年の900億リヤルから、今年は1,600億リヤルを拠出したことや、2030年にそれを4,000億にしようとしていることに満足しているでしょう。この、以前は存在しなかった3兆リヤルという資金が今後10年間で現実になります。それは民間部門にとって大きなチャンスです。
AAM:あなたはShareekプログラムを立ち上げました。そして特に議長である殿下の下で、さまざまなチャンネルで放送された会議ではビジネスマンと大きな交流がありました。ビジネスマンは、この戦略から除外されたのでしょうか?外国人投資家に焦点が当てられましたが、今また彼らはこのプログラムに復帰したのでしょうか?
CP:まったく違います。重要な要素…数字を見ると、政府と政府開発基金によってサウジアラビアに注入されるのは10兆リヤルですが、それは8000億から1兆の年間予算になります。国の発展を見ると、年間約1兆ドル、工業開発、観光、文化に資金を提供しています。他のすべての資金は予算にもよりますが、多かれ少なかれ年間約1兆ドルを注入するので、数兆になります…これはすでにあったものです。
今日、公共投資基金は3兆リアルを投入します。 Shareekプログラムは、サウジアラビアの大企業向けのプログラムです。基本的には利益を出さないという方針を立てるために、30社ほどと交渉していました。そして利益を設備投資に回すので株主は成長収益から利益を得るでしょう。 3%、4%、5%の現金の代わりに、3%、4%、5%をファンドが取得し、会社の成長を促進します。そうすれば、彼は株主は成長した企業の5%の株式を利益として売却できます。現金に換えるかまたは株のまま維持し更なる成長収益を見込めます。そのため、24社との間で、配当なしを全面的に約束するか、部分的に行って残りを約5兆リヤルの設備投資に振り替えることで合意に達しました。これらの新しい5兆は、24社のサウジアラビア企業からの新規の資金で、こういった会社は将来増えていくでしょう。こういった資金はすべて、民間部門に大きなチャンスをもたらします。
AMM: 増税に関してですが、増税以外の方法はなかったのでしょうか?
CP: もちろん15%ということに関してですよね。GCCはVATを5%、付加価値税を5-10%にすることに同意しており世界で最も低く設定されています。ご存じの通り我が国の人口の3分の1は外国人が占めています。そして経済成長とともに人口も増加し、外国人の数も同様に増加、2030年或いは2040年にはサウジアラビア人と外国人の比率が50%ずつになるかもしれません。VATを設定しないと、特に60万人の観光客を見込んだ観光業の幕開けという事情があるので補助金の漏れが大変大きくなると予想されます。ですので10%、また5-10%は外国人が消費から得られる利益を確実なものにできるのです。
これらは政府に還元され、政府は教育、健康、インフラ、その他様々なことに利用することができます。2020年に全世界が直面したパンデミックと経済的困難のために、この15%というのはサウジアラビアの収入の大部分を占めており、2020年には石油価格がゼロ未満になるということを経験し、かなり大変な挑戦でした。
すべてを変えるか、すべての目標を変更するか、そして後退するのか、、或いは人々を幸せにする我々の夢に戻って3-4年は夢を実現して突然やめるか、或いは、今行動を起こし、それが短期的には多少過酷なことであっても、やがてまた状況は改善する。ですのでキャンセルを回避するというのが対策のひとつでした。手当や給与を減らすのではなく、VATの15%への引き上げだったのです。
もちろん痛みを伴う対策です。サウジ国民を苦しめることは私は絶対にしたくありません。私はうまくやっていると思います。
私にはお金があります。政府で働く前も裕福でした。誰かを傷つけることに興味はありませんが、私のしたいことは母国を成長させ、そこの人々が幸福と繁栄を享受できることです。
しかし私の義務は、国の機会や資金を短期間で使い果たして3-4年間人々を幸せにすることではなく、成長し続ける長期的な未来を創ることなのです。そこで色々な決定をしましたがその1つがVATでした。これは一時的な決定です。1年は継続しますし、最長5年になるかもしれませんが、その後は元に戻ります。
AAM: ということは、また減額されるのでしょうか?
CP: はい、パンデミック後に収支が改善するまで、恐らく5年後には5-10%を目標にしています。経済状況や他の出来事にもよりますが、最長5年、最短で1年とみています。
AAM: 殿下、民間セクターは突然の決定のようなショックやサプライズは欲していません。コロナウィルスは世界中にとって驚きでした。
CP: 誰も予想していないことでしたが、我々は影響を最小限にするために必要な対策をたてる努力をしていますし、持続可能な成長機会を維持しようとしています。中国でさえ世界最大の経済国家になるために競争しています。70年代に始まり、70年代、80年代は苦労しましたが、1990年代になってようやく繁栄をし始めました。
ですので、今我々がしようとしている石油にほとんどの収入源を頼るのを減らすとか、持続的な経済成長のための多様化だとか、失業率を下げるとか、将来の収入を増やすなどの試みがいくつかの厳しい措置なくして簡単にできるとは思わないでください。
何も中国のようにあと20年かかりますとは言っていません。でも数年はかかるでしょう。パンデミックがなかったらもっと事態はよかったはずです。今の厳しい措置は数年間のことで、その後調整される予定です。
AAM: 所得税の増税、これはありますか?
CP: いいえ、サウジアラビアでは所得税はまったくかかりません。
AAM: 質問ですが、殿下は、国民の収入を増やすというアプローチと政策をとっている国家と一体ですか?
CP: はい、これが我々の優先事項です。私の最優先事項は安定した財政、強固で維持可能な財政でなければ成長を生み出す状況を作ることができないからです。投資ファンドと中央銀行の資金を使い果たすことだってやろうと思えばできます。1日で使い果たして、それは持続可能でしょうか?5年後にはもっと大きな問題を生んでしまいます。すべての財政の底がついて、成長の機会を生み出すことができない事態もあり得ました。ですがまずは維持が必要です。国家の財政は強固で永遠に目的を果たし続けなければなりません。
第二に、政府から離れたところで成長できる経済を維持しないといけません。公共投資基金が今年の開発を主導しました。24社の企業がこの基金と政府以上のものを投入しています。政府の1.5兆の資本資金をこのファンドで利用すると4.5兆が得られます。24社は5兆を投入しています。
2030年にはこのギャップが拡大し始めて、2030年以降サウジ国内経済に7-8兆リヤルを注入することになるでしょう。公共投資基金は5兆を投入します。ですので指導者たちは持続可能な他の手段にシフトし、利益をあげて現金を得て、とその繰り返しになります。
AAM: 国民の収入についてですが、繰り返し聞かれる質問があります。石油価格やエネルギー価格が上昇するたびに聞かれる質問です。我々の国は豊かなのに、なぜ価格を上げるのか?ということです。
CP: 我々の国は産油国であり、金持ち国ではありません。我々の国は石油の国です。イランは産油国です。アルジェリアもそうです。彼らは金持ち国ですか?豊かな国とは、人口規模と収入、経済的収入などとの比較で判断されます。我が国は少ない人口と豊富な石油があった70年代80年代は豊かな国でした。でも今、2,000万人の人口を抱え急速に成長しています。今貯蓄を維持せずに使い放題にしていたら貧しい国へと変貌します。しかしこの維持可能な繁栄の後で今、行き詰った状態を克服しなければなりません。
AAM: 殿下のおっしゃったことを要約させていただくと、つまり今まで無駄になってしまった様々なチャンスから利益をため、そして将来大変な状況にならないためこれらすべての措置が取られている、ということですね?
CP: はい、そうです。将来の困難を避けるため、チャンスを有効に使うため、そして我々の先祖たちよりも更によい未来を手に入れるためです。
AAM: 殿下、よろしければ少し休憩を入れましょう。
AAM:さて、今一度モハマド・ビン・サルマン殿下とのインタビュー第2部へようこそ。
殿下、NEOM、Qiddiya、Red Sea Project、ROSHNなど多くの巨大な新規プロジェクトがありますが、住宅プロジェクトであるROSHNについてお伺いしたいと思います。このプロジェクトの詳細を教えてください。
CP: もちろんです。我々の挑戦のうちで最大の課題のひとつは、国民から多くの要望があった住宅比率を増やすという問題でした。世界水準である60%という数字から見れば確かに我が国の住宅比率は47%と低いものでした。ある時期政府内の再編を進めていたた時に、住宅省が直面している課題に関し、過去4年間に解決できなかった問題が短期間で解決するのは困難であると気づきました。住宅省は法的な、或いは組織的な、また政策等の問題で省自体が抱えていたので、目標達成ができないのではないかと。
CP: ですので、これはプランBが必要であると感じました。これは目標のひとつで、もう一つの目標もありました。後からお話します。特に400万戸を超える住宅需要が見込まれるとの分析があったので、ROSHN立ち上げのために公共投資基金を設立しました。
我々は当初2.5-3%という低い収益率でROSHN立ち上げから5年の間に100万戸の建設を目指しました。住宅省が目標達成できなかった場合に国民が手ごろな価格で購入できる住宅を用意できるからです。会社が設立されましたが、幸いにも住宅省はほかの組織と協力することで、目的を達成することができました。そしてROSHNの目標はVision2030に合わせて調整され、100万戸近くを供給するということになったのです。これが最初の目標でした。
2つめ の目標は、不動産開発業者の95%以上が残念なことに非常に原始的で、衛生、ユーティリティ、電気、接続性などを考慮せずに設計図を作成して販売できてしまっていたことに関連します。
CP: 人々は土地を購入して家を建てるという過程の中で、次第にインフラサービスの申請に非常に苦労するようになります。我が国は、住宅建設の水準をあげるために非常に強力な開発業者を必要としていることは確実でした。ですのでROSHNの2つ目の目標として、民間セクターが国際的に認定された不動産開発基準に沿った形になるということを掲げました。ROSHNは400万戸の住宅を建設するのではなく、サウジ国内の需要の25%のみの開発に従事します。
CP:しかし、ROSHNで採用されている基準を満たさなければ民間セクター開発の住宅は購入できません。ROSHNの目標が修正されてから住宅プロジェクトが7%増加しました。基準を引き上げてアップグレードすること、これが目的でした。この考えは新しいものではなく、ファイサル国王の時代とハーレド国王時代の初期に私の叔父、アル・ムサド・ビン・アブドゥラ王子によって提起されました。しかし何人かの大臣や政府関係者の抵抗にあい、このような役割を民間セクターに与えられてしまってアイデアは無視されてしまったのです。
CP: これは歴史的な影響をもたらして、低レベルな住宅ユニットの販売につながりました。もしその時このコンセプトが採用されていれば、我々は世界有数の不動産企業を持っていたと思います。でも遅くなったとしても、これが採用されたことはよいことでした。ですので今日、ROSHNはサウジアラビアの住宅需要の一部を満たすという目標を掲げています。100万戸と7%の収益率というのは重要ではありません。
AAM: では利点はどのようなところにあるのでしょうか。
CP:6-7%はサウジアラビアの発展につながります。海外への投資では我々は10%以上を目標にしていますが、プロジェクトによっては5-7%、場合によっては4%で受け入れるものもあります。
AAM: 我々がROSHNから得られるメリットはなんでしょうか?その住戸から得られる利点は何ですか?
CP: 他の不動産開発業者と比較して手頃な値段で住宅を購入でき、そして衛生設備、接続性、庭の造園などのすべての必要なサービスが確実に手に入ります。面倒な手続きに出かける必要はなくなり、購入した住宅から離れる時は仕事に行く時か遊びに行く時だけになります。
AAM: 殿下、殿下の環境問題に寄せる関心は記憶に残るものであり、これは国の内外を問いませんね。なぜ殿下が紅海の島々にある経済的機会をつかまないのか、疑問を持つ人もいるようですが?
CP: 私は環境問題のためにそれらのプロジェクトに無関心なのではありません。紅海の美しさはその環境にあります。観光客はその美しい環境、きれいな海岸、透明な海、活気に満ちた海洋生物を楽しむために訪れます。この美しさを破壊するということは、観光機会をも奪うということです。観光業はサービス、アクティビティ、考古学的或いは歴史的な場所や環境に基づくものです。ですので環境を破壊するのは観光業の主要な柱を壊すことと同じなのです。
CP: これはひとつの側面です。もう一つの側面は、私やもっと上の世代には周知のことですが、我々が子供だった頃は今よりも砂嵐の数が70-80%も少なかったのです。砂嵐の問題は子供たちにとっても我々の生活にとっても脅威で、吸い込んだ埃のためにヘルスケアのコストが将来的に上昇するのです。ですので我々は環境を以前の状態に戻したいと考えます。
CP: 更に王国内の植物の植栽率が過去50年間で70%も減っています。ですのでVision2030の目標の一つに、植栽率を200%に増やして、以前の状態を取り戻すということがあります。
この4年間で40%は達成できました。この効果は大きく砂嵐が減った結果雨が増えたのです。植物が酸素を増加させて雲が雨を生成するのを助長し、良好な水位と豊富な雨をもたらすからです。
CP: 過去2年間観察したものであり、目標を可能にして、達成するための政策があったからできたのです。国家の地位を強化する話に戻りますが、これは内務大臣、環境大臣、その他関係各所の調整された戦略なしには達成することができません。内務省は環境保護と関連法案のために環境セキュリティ産業を作りました。牧草地の利用を制限して経験を積んでいくためです。
CP: これらのアップデートは、リヤドの王立委員会の野生の木を育てるといった様々な組織の経験を結びつけることにもなりました。王立委員会の試みは、樹木1本あたり70リヤル以下の費用で植樹、最初の3年間だけ灌漑されます。1年目は毎月、2年目は四半期ごと、3年目は年2回。あとは自然に任せるのです。これは毎年新しい数値設定をするという新しい目標を生みました。
AAM: 100億本の樹木という目標のために何本木を植える必要があるのでしょうか。
CP: もちろん予算によって達成まで10年かかるか30年かかるかわかりません。この100億本のために予算にもよりますが1,000%以上に引き上げることもできます。我々のサンゴ礁や海岸線への環境の影響は計り知れません。サウジ南部の森林や、リヤドの庭園などの緑化プロジェクトの場合、影響は観光業への直接のものや一般国民の暮らしにももたらされます。
サウジアラビアに資本と才能を惹きつける必要があります。そしてサウジ国内の資本や才能を維持してよい暮らし、よい環境のために生かす必要があります。ですので環境は本当に直接経済的側面に影響するのです。観光業、暮らし、資本や才能の誘致にまで。
AAM: 観光と環境についての議論は紅海の島々を思い出させます。新しいモルディブについてサウジでは議論がありますか?
CP: 観光客が偽物の観光地に行きたいと思うとは考えていません。我々は新しいものを提供する必要があるのです。紅海プロジェクトの作業の一部には、我々がどんなものを反映させてたいと、我々のDNAに組み込まれているのか、を考えることがあります。新しいテーマ、新しいサービス、他と違う経験、これらが観光客を惹きつける要素であり、紅海地域に観光客が来るためにはこれらの動機付けが必要です。ですので、紅海プロジェクトは、ヒジャーズ建築、或いはタブーク、ジーザンなどに基づく「本物」として紹介され、デザインなどの他要素は「革新的」なものとして発表されました。
AAM: 成果について述べたテーマに戻ります。失業率は多くの国民の関心事だと思います。
CP: それは、、、
AAM: 殿下、失業率に満足していますでしょうか。
CP: 私は失業している状態を誰に対しても望みません。我々は最前線にいます、、、2020年の第4四半期には12%にとどまっています。今年は11%の壁を打ち破り、神のお望み通り、Visionの目標である7%はその前に達成されると思いますが、これだけが目標ではありません。我々が通常の4-7%の失業率になった時、ちなみにころ水準は普通です。常に4-6%の人々は一つの仕事から他の仕事に転職するためです。この普通の水準になった時にその次のステップに取り組むことになるでしょう。
CP: いくつの「良い」仕事があるでしょう?「悪い」仕事はいくつあるのでしょう?現在サウジアラビア王国において、「良い」仕事は50%しかありません。
AAM: 50%だけですか?
CP: そうです。残りは悪い仕事です。
AAM: 良い仕事、悪い仕事とはどういう意味でしょうか。
CP: 良い仕事があれば、食べたり飲んだり、着たいものを着る、必需品はすべて買う、家もあり車もある。すべての基本的なニーズが満たされます。貯金もできて、健康な生活を送るための消費もできる状態です。このような仕事が50%なのです。残り50%は悪い仕事です。食べたり飲んだりの基本的な欲求は満たされて家もありますが、貯金はできない、資産を増やすことができない、人生の楽しみも少ししか享受できない。ですので、通常の4-7%の失業率に戻ったら、次の目標はサウジアラビアで質の良い仕事を50から80%に増やすということです。いつ?詳細は?と貴方は尋ねるでしょう?7%の失業率を達成できた時に発表されます。7%の失業率達成という目標に専念しましょう。仕事の質にとってこれは重要です。これはサウジ国民の収入を増やしていくことなのです。すでに高い収入を得ている人たちの収入を更に増やしたいとは思いません。例えば2万、3万、5万リヤルの収入帯の人たちの収入を増やしたいのです。貯金ができるように。
CP: これらの収入帯の人々はサウジの「悪い仕事」50%を占めているため私が問題とするところなのです。7%の失業率にしたい、人的資源社会開発庁の大臣によると、毎年20万から25万人の人々が雇用市場に参入しているのですが、公共部門の仕事は限られています。市場はこの流入に対処できるでしょうか?例をあげましょう。観光セクターについていうと今日から2030年までに300万の雇用を創出するつもりです。100万はサウジアラビア人のため、200万は、外国人の駐在者のため。これはその分野での能力や人材が不足しているからです。でも300万の雇用を創出すれば、将来的には我が国特有の仕事にすることができます。産業部門にも雇用があり、他も同様です。大切なのは、雇用はたくさんあるということです。失業率が増えているか?違います。減っているのです。今年終わりには減らすことに成功しました。5年以内にはVisionの目標である4%(10%から14%)減少させます。
でも特定の数字をあげたくはありません。我々が7%の失業率に達した時、次のステップ、すなわち雇用の質を上げる、雇用機会を増やす、50%の稼げない仕事をしている人たちの収入を増やす、という段階に進みます。労働力向上なしに仕事の質の向上はできません。
AAM: 次の質問は教育に関してです。教育はどのような改善ができるでしょう?何かの計画があるのはしっているのですが、概要を教えていただけませんか?
CP: 当然ながら、教育には公的なもの、高等教育があり、社会全体のための社会教育もあります。社会がポジティブで活発であるか?意欲的であるか?など。技術面の手段を備えているか?効率的な学習ができるよう情報に簡単にアクセスできるか?
我々が公的教育について話すとき、、例えば30年前は教育省の主要がゴールは情報提供でした。数学を例にとってみましょう。30年前情報収集は大変時間のかかる作業であり、時には何年も費やすものでした。ですので政府がそれをやっていました。
現在はしかし、我々には開かれた方法があります。我々の試みは、情報を凝縮し、基本的な必要情報を提供し(読むもの、書くもの、数学、科学など)そして皆さんはその他のスキルに集中して、情報検索、自分の成長、将来の計画を可能にする、などができる。当然これらは一晩にしてできるものではありません。人材育成プログラムがもうすぐ開始される予定で、これらの詳細が明らかにされるでしょう。10年計画です。高等教育については、世界のベスト500大学にランキングされている5つの大学がありますが、このうち3つをベスト200にランクインさせることです。かなり野心的な目標であり達成できないかもしれませんが、近づけるだけでも素晴らしいことです。
AAM: どの大学でしょうか?
CP: 1つの大学を世界のベスト10に入れることです。キングサウド大学です。しかし20位、30位だとしても大変すばらしいことであり、この目標はリヤド市計画の中で発表されるでしょう。 高等教育についてはここでカバーされています。そして私が述べた通り、テクノロジー部門と、情報へのアクセスの容易化はすでに進んでおり、過去3年間で目覚ましい発展を遂げました。今サウジ国民は非常に迅速に情報にアクセスできます。しかし我々の現在の教育レベルについてもよいと言えます。
AAM: 悪くないと?
CP: そうです。現在の教育システムが貴方や、私を生んだのですよ。私はサウジアラビアで学問的な高等教育を受けました。貴方もそうでしょう。今の公的・民間、その他の分野のほとんどの指導者もそうです。
AAM: 殿下、貴方はCOVID-19危機の対処について、特に他の先進国と比較して、かなり目覚ましい成功を収めました。私の質問ですが、COVID-19との闘いについてではなく、医療制度についてです。もっと正確にはVisionプログラムの中のHealth Transformation Programについてです。率直にお聞きしますが、医療サービスは将来有料になるのでしょうか?
CP: 我々のガバナンスのシステムは非常に明確です。法律ですべての国民が医療サービスと教育サービスは無料で受けられることになっています。今取り組んでいるのは医療サービスの変革です。非常に幅広い地域をカバーし、多くのスタッフを誇る公立病院へ資金を提供して医療の質を保てなくなるような状況より、政府はこういった公立病院を民営化や、非営利化していきたいと思っているのです。まず非営利部門の例をあげましょう。
我々が推進しようとしているのは、政府が公務員に保険契約の提供を開始して、規制によって民間セクターも保険の提供なしに新しい従業員を雇用できなくすることです。こうすれば従業員はその保険で自分が望む最良の医療を受けられます。
これがサウジアラビア内で多くの需要を生めば民間セクターが医療ケアを拡大する動機付けになりますし、健康医療セクターにとってもより多くのクライアントを得る結果となります。非営利部門については現在イニシアティブを作成中で近々始まるでしょう。つまり、キングファハドスペシャリティ病院を、政府完全所有の非営利病院に転換するのです。国家予算から約100億リヤルの資金提供がなされるのです。この病院は60億リヤルの収益をあげていますが、統計を見ると、患者の入院期間は通常の病院の2倍であることがわかります。
AAM: 人々はその病院により長くいるんですか。
CP: 他の病院なら4日入院するところ、スペシャリスト病院では8日入院しているのです。
AAM: なぜでしょう?
CP: これでキングファハドスペシャリティ病院の収容能力を倍にできます。ということは収益が60億から120憶リヤルになるわけです。政府の予算に加えて、です。ですから約220憶リヤルという膨大な金額になるわけです。
我々はリヤド、ジェッダ、その他の地域でもより多くの研究やサービスを開発することができます。これらは皆非営利の団体になり、その収益はサウジアラビアの医療システムに再投資されるのです。このプログラムが開始されたら、民間、非営利、それぞれのサービスの割合を設定し、今後10年間の割合もそうすることは間違いないでしょう。
AAM: 2つ質問があります。殿下、公立病院はすべて民営化されるのですか?それとも公立のままで会社化されるのでしょうか?
CP: いくつかはそのまま残り、いくつかは民営化されるでしょう。
AAM: わかりました。国民はすべて保険に加入するようになりますか?
CP: 我々はその目標を達成できるかわかりませんが、政府の職員との契約や、民間セクターのその従業員たちとの契約で保険でカバーされる人を一人でも増やしたいと思っています。
AAM: 、ということは、仕事に紐づいてくるのですね。
CP: その通りです。現在健康プログラムを通じて、何人の人が保険に加入していて、何人が今後10年間に加入するかを発表しています。
AAM: 殿下、貴方はリヤドの人口を1,500万人から2,000万人に増やすと発表されました。そこで人々はリヤドがすでに過密都市であると不満を直接漏らしています。どのように人口増加を図るのでしょうか?そもそもどうしてそれが必要なのでしょうか?
CP: 今日、世界経済の80%は都市に依存しています。今後10年から20年の間にそれは90%になるでしょう。もし我々が開発を成功させたいなら、都市でするのが一番なのです。雇用機会創出のために我々がもつ最大の武器なのですから。
リヤドはサルマン国王によって非常によく計画された都市です。サウジアラビアでも最高のインフラを誇ります。中東全体でも最高の都市のひとつです。
中東に同様に開発された都市は2つか3つしかないでしょう。都市がサウジアラビアに役立つ様々なプロジェクトの門戸を開くのです。雇用にしろ、経済成長にしろ、です。
今現在リヤドには300万の雇用機会があります。人口が2,000万人に達したら、リヤドで更にもう300万の雇用を創出しなければなりません。今日、リヤドはサウジアラビアの石油に頼らない経済の50%を回しています。 これがどういうことかというと、もしもっと雇用機会を増やし、更なる開発をしたいなら、リヤドに焦点を当てるべきなのです。なぜならリヤドがこの巨大な成長の最大の触媒なのですから。
CP: リヤドがすでに過密都市であるという貴方の質問に答えましょう。リヤドは何百万人もが住む都市です。人口500万以上の都市で取り組む指標については王立委員会がリヤドで発表する予定です。リヤドは交通の管理においては世界第一位なのです。ロサンゼルス、ニューヨーク、東京、ロンドンなどと比べてみてください。ロサンゼルスで5時間かかる車移動はリヤドでは1時間で済みます。ニューヨークでは3-4時間かかるでしょうし、東京では10時間かかるかもしれません。人口約300万人のリヤドと人口100万人の他の都市を比べることはできません。人口500万人以上の都市と比較しなければならないのです。しかし確かにリヤドの人口を2,500万人にするという試みはかなりの挑戦になるでしょう。でもリヤドの予算の一部が、交通機関の開発、より速い高速道路、地下鉄、大量輸送システムなどに使われているのです。詳細はリヤドの戦略で発表されるでしょう。このような形で世界の1,000万人都市の交通システムでベスト10のランクを維持できるのです。
AAM: 他の都市を犠牲にしてリヤドにフォーカスするということでしょうか?
CP: それは違います。サウジアラビアは統一された国家です。リヤドであれ、ジェッダ、タブーク、アセア、ジーザーン、シャルキヤであれ、どれもすべて1つの国の一部です。我々は現在優れた消費能力、そして優れた投資能力があります。
経済強化、雇用創出、両方のチャネルにフォーカスできるのです。これは国の、そして国民の利益です。オポチュニティーがあればそれに集中して取り組みます。例えばアルウアです。とても小さく国境の不毛な地でしたが、ここにはいくつかの可能性があり、もっと素晴らしいオポチュニティーもみつかる可能性があります。我々は機会あるごとに多くの巨大プロジェクトを実行してきました。例えばジェッダのダウンタウンやその他のプロジェクトです。
そしてマッカには大きなチャンスがありますし、東部のマディーナには3つの巨大プロジェクト、NEOM、紅海プロジェクト、アマーラ、アセア。。。巨大プロジェクトといえば、今後10年間で500億を超える資金を投入するアセア戦略があり、これは観光強化のプロジェクトになります。王国内の至る所に様々なオポチュニティーがあるのです。我々は国民と王国両方にプラスのリターンを達成するためにオポチュニティーをつかんでいます。
AAM: ではリヤドに600万の雇用?ですが開発はランダムではないと思います。これをリヤドの外で行う場合雇用は600万以下になるのでしょうか?
CP: そもそもリヤドの外ではできません。リヤドは人口700万都市であり急成長しています。インフラも強固でサウジアラビア経済の半分を担っているのです。600万人の仕事を与えられるのはここだけなのです。NEOMに行っても100万以上の雇用は創出できないでしょう。他の地域も同じです。これはオポチュニティー次第です。それを私は利用し、経済成長と雇用につなげるのです。
AAM: 殿下、よろしければ再度休憩を挟みましょう。モハメッド・ビン・サルマン皇太子殿下との特別インタビューを休憩後もお楽しみください。
AAM: モハメッド・ビン・サルマン皇太子殿下の特別インタビューへ再びようこそ。
殿下、以前貴方は節度についてお話されましたが、節度の概念とはどういうものだと殿下はお考えになりますか?
CP: もちろんこれは幅の広い用語です。すべてのイスラム法学者たちは節度の概念について1000年以上にわたって議論しています。ですので私がこのコンセプトを明確にする立場にはないと考えますが、私に言えるのはサウジの憲法、すなわちコーラン、スンナと我々の基本的な統治システムに沿い幅広いセンスですべての人がもつべきものでしょうか。
AAM: 別の質問につながります。国ではシャーリアが支配する分野について、いわゆる憲法や司法のレベル、そして公的空間、そして個々人の自由のレベルでしょうか。
CP: 申し上げたように、我々の憲法はコーランです。昔も今も。そして永遠に未来もです。そして我々の基本的な統治システムはこれを厳に明確にしています。我々は政府として、或いは立法者としてのシューラ評議会は、或いは三権の参照としての国王は、どのような形であれコーランの実行の義務があるのです。しかし社会や個人のレベルではコーランに明記された規定を実行する義務があるのみです。ですので私は、コーランの規定またはスンナの明らかな規定なしにシャーリアの罰を強行することはできません。スンナの明確な規定とは、ハディース伝承者がそれぞれの類型に基づいて(ブハーリー、イスラム教徒、その他)弱いハディース、正しいハディース、のように分類するのです。しかしもっと大事な分類があります。シャーリアに関しては、伝統やハディースが多くの人々によって、あるいは1人の伝承者によって語られてきた、規制を推論するための法的な基準になります。ですから、ムタウォーターのハディースについていうと、預言者PBUHから始まり、一つのグループからまた別のグループ語られ、伝承されてきた、こうしたものは非常に少ない、でも信ぴょう性という観点からは非常に強力です。そしてその解釈は時代や場所によって、そしてハディースがその時代どのように理解されたいたかによって違います。しかしアハドのハディースについては、預言者PBUHから始まって個人から個人へ、またはグループからグループへ、そしてまた個人へ、そしてまたグループへと伝承されてきた。ですのでこの繋がりの中に個人も含まれます。これはアハド・ハディースと呼ばれます。そして細かく分類されます。例えば、正しい、弱い、或いはよいハディース、などです。そしてこのタイプのアハド・ハディースはムタウォーターハディースほど説得力はありません。ムタウォーターハディースは集団から集団へと伝承されてきたのです。明確なコーランの規定と明確且つ平凡または世俗的な良いものと組み合わせない限り、特にそれが正しいアハド・ハディースかどうか。そしてこれはハディース本体のごく一部です。
「カバル」は預言者PBUHから始まり、個人から個人へ、またはグループからグループへ、また個人へと伝承されたハディースで、繋がりが欠けている部分があります。よってほとんどのハディースやこのタイプのハディースはあまり信ぴょう性が確立されておらず、拘束力がないといえます。そして預言者PBUHの伝記ではハディースが初めて記録されたとき、預言者PBUHはそれを燃やすよう命じ、ハディースの執筆を禁じるように命じたのです。ですのでこれは「カバル」ハディースにももっと当てはまり、この理由で人々はシャーリアの観点からこれらを実行する義務はないといえます。なぜならそれがどのような時代や場所であっても当てはまる教えを生み出す全能の神の力に異議を唱える弾薬として利用される可能性があるからです。従って、シャーリアが関係する政府においてはムタウォーターハディースにあるコーランの規定や教えを実行する必要があります。そしてアハド・ハディースの信頼性、信ぴょう性にも注力し、そして人類にとって明確な利益がない限り「カバル」ハディースは完全に無視することになります。ですので、コーランに規定がある場合を除き、宗教的な問題に関する罰はないはずで、もしあるとすれば預言者PBUHか用いた方法で実行されます。例をあげましょう。姦淫についてです。未婚の姦淫者はむち打ちになり、既婚の姦淫者は殺されます。これが明確な規定ですが、女性が姦淫をしたと預言者PBUHのところに来た時、預言者は何度か判断を遅らせました。彼女は頑固に姦淫をしたと言い張ったので彼は彼女に妊娠しているかの確認をしてくるように言いました。彼女は戻ってきて同じことが繰り返されました。彼は赤ちゃんが離乳したら来るようにと告げ、彼女は戻らなかったかもしれませんが預言者は彼女の名前を聞いたり誰なのかを確認することはありませんでした。ですので、預言者PBUHとは別のやり方でコーランの規定を実行したり、ある人の特定の告発を証明する人を探すというやり方は、預言者PBUHが加害者から罪を告白されても彼女を罰しなかったのを見れば、そのようなやり方は神が定めたものではないといえます。そしてコーランやムタウォーターハディースにそのような罰則の規定がないのに、シャーリアの罰則だと言って罰を下すことはやはりシャーリアの改ざんです。全能の神は我々に特定の宗教犯罪を罰することを望み、これを明確に規定しました。そしてそのような行いを禁止し、来世での罰を約束しました。我々人間にその行為に罰を与えよとは言いませんでした。そして個人個人に行いを振り返る日が来るという選択肢を残したのです。結局神は慈悲深いのです。多神教以外のすべてに寛容です。ですので、我々の統治システムであるコーランとスンナの実行についてはこれが正しいアプローチです。
AAM: 殿下、ムハンマド・ビン・アブドゥル・ワッハーブのような特定の宗派に従っていますか?これらの解釈はそこから来ていますか?
CP: 特定の宗派や学者に従うということは、人間を神格化することになります。全能の神は神と我々の間に壁を作りませんでした。彼がコーランを明らかにして、預言者PBUHが実行しました。解釈については永久にスペースは開かれています。
CP: もしシェイク・ムハンマド・ビン・アブドゥルワッハーブが今この社会にいて彼の解釈に盲目的に従い彼を神格化する私たちを見たとしたら、彼は真っ先に異議を唱えるでしょう。決まった考え方も、間違いのない人もいません。我々は継続的にコーランの解釈をしていく必要があり、預言者PBUHのスンナも同じです。すべてのファトワは、それが発行された場所、時代、考え方に基づいている必要があります。例えば、100年前、イスラム学者が、地球が丸いということを知らずに大陸や技術の知識もなく特定のファトワを発行していたとしても、それはその当時入手可能な情報や、コーラン、スンナの解釈に基づいて出されたものであり、こういうものは時間の経過と共に変化して、現在は異なるものになります。
CP: 申し上げた通り、最終的に我々は、預言者PBUHのコーランとスンナを参考にします。
AAM: よくわかりました。個人の地位に関する法律についてですが。。。殿下は法典は我々に適していないと決定されました。なぜその司法を拒否し、個人地位法を含む4つの制度を採用したのでしょうか?
CP: 車輪の再発明はできません。世界は人々の生活を規定する明確な法に従っています。我々の役割は、サウジアラビアで制定される法律はすべて下記を反映しているのを確認することです。一つに、コーランとスンナに反しないこと。コーランが我々の憲法です。法律は、我々の利益に反しない、国民の安全と利益を維持する、国の発展と繁栄を助けるものでなければなりません。国際条約に基づいて、法律の制定手続きは行われます。もし観光客を誘致したいのなら、300万の雇用創出のために1億人の観光客を惹きつける目標があるのなら、国際規範や慣習から外れたことをしていたら観光客は来ません。外国からの投資を倍にしたいと、そして実際私たちは500万から1,700万に増やしましたが、投資を増やすために外国投資家に我が国に投資してください、でも我々が未知の司法システムを採用していて、相手方の弁護士も聞いたことのないような司法を用いているとしたら、我々に投資はしないでしょう。特定の才能や人材に、サウジアラビアで働いてもらうために来てほしいと思っても法律制定の新しい発明があると言ったら彼らは誰も来ないでしょう。したがって、憲法であるコーラン、国民の利益と安全、国の発展と繁栄を念頭に置いた、国際的に認められた法律を制定しなければなりません。
AAM:ビジョンは、世界に門戸を開くことを具体化しているものです。社会のいくつかのセグメントでは、観光や娯楽などに見られるそのようなグローバリゼーションの中でのアイデンティティに関する懸念、抵抗、恐れなどについて殿下はどのようにお考えですか。
CP:アイデンティティが世界の多様性に耐えられないということは、アイデンティティが弱いということで、アイデンティティーを維持していくことができないということを意味します。もしアイデンティティが堅固で本物であり、それを成長・発展させ、そのポジティブな側面を促進することができれば、アイデンティティを維持・強化することができるでしょう。その証拠は、私たちの服装と伝統、文化と遺産、そして最も重要なイスラムの遺産に見ることができます。これらはすべて、我々のアイデンティティの大きな部分を構成しており、私たちが時間をかけて作ってきたものであり、そして今も我々の世界を形作るものとして成長し続けています。私は、我々のアイデンティティは非常に強いと信じており、そして我々が誇りに感じるものです。それは私やあなた、そしてサウジアラビアのすべての国民によって推進されており、サウジアラビアで行われている運動は、イスラム、アラビア、歴史の文化と遺産に由来するサウジのアイデンティティに基づいています。
AAM:過激派の言説を無力化するキャンペーンについて詳しく教えてください。
CP:どこから始めましょうか。しかし…言えることは、すべてのものにおいて過激主義は間違っています、そして私たちの預言者PBUHはある日、彼のハディースの1つとしてこう話しました。「過激派が現れ彼らがそうするときに彼らを殺すように命じた。すると 「あなたの宗教において過激主義は行使しないでください。前に多くの国が滅んでいます。それは彼らの宗教が過激主義だったからです。」と。
預言者PBUHの教え、人生経験、そして私たちが読んだ歴史に基づけば、宗教であれ、文化であれ、または我々のアラブらしさであれ、過激に走ることは深刻な問題になります。
AAM:過激派のグループを投獄することにより、あなたは潜在的なリスクを無力化しましたか、それとも彼らは特定の問題に関与していましたか?
CP:サウジアラビア王国は、世界の過激派プロジェクトとテロ行為の主な標的となっています。もし私がオサマ・ビンラーディンで、過激派の考えを世界中、特にイスラム教徒の間で広めたいと思ったら、どこから始めればよいでしょうか。イスラム教徒の聖地があり、すべての巡礼者が集まり1日5回祈りを捧げる国から始めるでしょう。過激派が自分の計画を広めるためにターゲットにする国はどこか?それはサウジアラビアです。そこから自動的に世界中に広まっていくからです。
ある時期、非常に困難な時代がありました。たとえば、50年代から70年代にかけてでしょうか。この地域のにはアラビアのプロジェクト、その他の社会主義および共産主義など多数のプロジェクトがありました。当時、多くの過激派グループは、サウジアラビア王国に何らかの方法で入り、国内であれ経済的にであれ、さまざまな場所にアクセスする機会を与えられていました。この事実は大変な影響をもたらし、私たちは過去数年間にその結果を目にすることとなりました。しかし現在はサウジアラビアにおいて、過激的な考えのもとに我々は成長することもできませんし、投資を惹きつけることも観光業を成り立たせることもできなくなりました。たくさんの雇用を生み出し、失業率を低下させたい場合、経済を成長させたい場合、収益を改善したい場合は、過激主義を根絶し、他の路線に転向しなければなりません。言うまでもなく、過激派は我々の宗教、我々の神聖な原則について、いかなる形においても代表するべきではありません。したがって、これは間違いなく犯罪であり、世界中の人々やサウジ国民を殺し多くの経済的機会を無駄にするテロリストグループの創設をもたらしました。これは、サウジアラビアの法律に定義される犯罪行為です。したがって、たとえテロリストでなかったとしても、過激派のやり方をとる人は誰でも犯罪者であり、法で裁かれることになります。
AAM:殿下の外交政策に関する哲学を教えてください。
CP:サウジアラビアの国益です。
AAM:それはあなたの哲学ですか?
CP:間違いなく。私たちの外交政策は国の利益と安全に基づいています。
AAM:影響力はどうですか?政策において影響力とはどういう意味ですか?
CP:影響力とは、利益を達成するための力の影響力を意味します。
たとえば、公共投資基金について話すとき。世界中に影響力を持ち、世界中で評判が良く、世界中のさまざまなセクターの触媒と見なされていれば、世界は私たちのファンドの投資に関心を持つでしょう。それがまた新しい投資機会を生みます。我々が受ける投資の多くは、我々のビジョンの最初の段階で行った広報の影響力のおかげです。
たとえば、Uberへの投資についてですが、探していたのはファンドではありませんでした。彼らは我々のところにやって来ました。したがって、サウジアラビア王国の利益を達成するためにさまざまな側面で影響力を生み出すことは、国連憲章や他の国の法律と矛盾することなく、間違いなく必要なことです。
AAM:米国で新政権が誕生した後、サウジアラビアと米国、この2つの同盟国の間に何か不和はありましたか?新政権はサウジアラビアから背を向けましたか?
CP:二国間で100%完全に合意するようなことはありません。一番緊密な湾岸諸国内でさえそうです。何かしらの違いがあるのが普通です。。これは家庭内でも同じですよ。兄弟がすべての事柄に100%同意するわけではありません。もちろん米国の政権が変われば大なり小なりの差は出てきますが、サウジアラビアはバイデン政権と、両国の利益について90%以上合意しており、何らかの形でそれを強化したいと考えています。その中でも最新の協力はクリーンエネルギーと環境保全に関して重要な目的を持っている新しいグループへの参加でした。これに参加した国は10ヵ国に満たない数ですが、サウジアラビアは、米国に賛同しました。このように我々は常に自分たちの利益を維持することを目指しています。そして、我々が同意できていない10%未満分野についても、解決策を見つけ、それを克服するための理解に到達するよう、そして我々の利益を維持しながら、両国のリスクを中和しようと努力しています。米国は確かにサウジアラビア王国の戦略的同盟国です。この80年以上の同盟関係は両国に非常に大きな影響を与えました。したがって、3~6ドルの非常に安価な1,000万バレルの石油が英国から購入するように契約された場合、米国は現在の状況にはなっていないだろうと想像できます。
AAM:サウジアラビアは米国の強化に貢献したと?
CP:確かに。これが英国との契約だったとしたら、今日の米国は状況が異なっていたでしょう。また、私たちの側からすると、この契約が英国と署名されていたとしたら、私たちはさらに大きなプレッシャーにさらされてきたでしょう。英国はこの地域の多くの国々を植民地化し、国境を引き、日常的に干渉していました。我々も更なる圧力に直面したでしょうが、米国との契約に署名することで、サウジアラビア王国は米国の利益のための確固たる基盤となり、英国は圧力をかけることを再考するようになりました。
それでも、世界は巨大であり、2つの国が同じということはありません。米国は1950年代には世界経済の50%を占めていましたが、今日では世界経済の20%しか占めていません。今、二度の世界大戦後、全世界がバランスを取り戻し始めています。我々は、湾岸諸国、アラブ諸国、中東諸国をはじめ、この地域の戦略的パートナーとの関係維持に取り組んでいます。また、米国、英国、フランス、ヨーロッパなど世界中の同盟国との関係強化にも取り組むと同時にロシア、インド、中国、南米、アフリカ諸国などの他のすべての国との新しいパートナーシップの構築を目指しています。
CP:これは、他国の利益を損なうことなくサウジアラビアの利益を維持するためのものです。中国は今日、サウジアラビアが戦略的パートナーであると発表し、次にインド、ロシアがそれに続きました。しかし、私たちは依然として米国の戦略的パートナーでもあります。そのため、私たちはすべての人との関係を強化して、私たちの利益、彼らの利益、そして国際的な利益に供与しています。結局のところ、すべての国に選択肢があります。彼らと協力してすべての人の利益に供することができれば、それは素晴らしいことです。、それ以外に、更に多くの選択肢もあります。
AAM:10%以下の問題、殿下、それは単なる意見の違いでしょうか、それとも米国は王国に圧力をかけているのでしょうか?
CP:サウジアラビア王国は、内政への干渉を一切認めません。国連憲章は各国が完全な主権と独立を持っていることを明確に規定しています。そして、2つの世界大戦を引き起こした世界の問題は、一言で言えば、他の国の問題への介入でした。この憲章は、第一次世界大戦と第二次世界大戦までの植民地主義から始まった、長年の大きな危機に対処するために作成されました。国連憲章はこの問題を解決するために作られたのです。この憲章の最も重要な柱の1つは、国家の主権を尊重し、国家の内政への介入を禁止することでした。したがって、ある国が他国の内政に干渉した場合、第二次世界大戦後の世界の平和と安定・安全を維持し、この50年から60年間の繁栄を我々に確保してくれている憲章に違反したことになります。すべてこの憲章のおかげで、我々が現在享受している事柄の主たる動機がこの憲章なのですから、それを軽んじることは絶対に受け入れられるものではありません。我々は自分たちの利益を強化し、違いを避けることを目指しています。
AAM:殿下、イランとの関係はどうですか?サウジアラビアとイランの間の未解決の問題について和解に達するための努力はありますか?
CP:結局のところ、イランは隣国です。私たちが求めているのは、イランとの良好で際立った関係を持つことです。私たちはイランとの関係が困難になることは望んでいません。それどころか、我々はサウジアラビアと同じように、イランに繁栄、成長してほしいと思っています。なぜならそこにサウジアラビアの利益もあり、イランにとってもサウジアラビアの利益によりもたらされるものがあります。それは、地域全体、そして正解の繁栄と成長です。
私たちが抱えている問題の根幹は、イランが行っている核計画、域内の数か国における違法民兵の支援、弾道ミサイル計画などのイラン側の特定の否定的な行動にあります。我々は現在、これらの問題の解決策を見つけるために、地域および世界のパートナーと協力しています。この問題は克服して、すべての当事者に利益をもたらすイランとの良好で前向きな関係を構築することを切に望んでいます。
AAM:イエメンを語らずしてイランについて話すことはできません。サウジアラビアはイニシアチブを提唱しましたが、いずれにせよ拒否されました。現在イエメンの未来ついてどう思いますか?
CP:ご存知のように、これはイエメン・サウジアラビア間の初めての危機ではありません。アブドゥルアズィーズ国王の時代に1度あり、それは解決されました。その後、1970年代と1980年代に別の危機が発生し、1990年代に解決され、2009年にはさらに3回目の危機が発生しました。この3回目の危機は即座に解決することができましたが、2014年フーシが拡大し始め、2015年初頭にサナアに到着した後、イエメンの合法的な政府を倒してしまったのです。
これはイエメンにおいても、また世界からみても違法です。国境に民兵を配置したり、国境で違法な活動をする武装集団を受け入れたりする国はありません。こんなことを、サウジアラビアも地域の国々も受け入れることはできず、イエメン国内でも許容できるものではありません。イエメンのこのような状況がイエメン国内で与える影響を見てきました。フーシが他のすべてのイエメンの政党と交渉の席に着き、すべての人の権利を保証する解決策に達し、地域のすべての国の利益を保護することを心から望んでいます。我々は、フーシが停戦に同意し、交渉のテーブルについている限りは、停戦と経済的支援、そして彼らが必要とするすべてのものを提供する用意があります。
AAM:フーシは(停戦を)自分たちで決められるのでしょうか?それともテヘランが決めるのでしょうか?
CP:フーシが我々との交渉に同意する前に、核計画のような(イランとの)他の問題を解決しなければなりませんか?
フーシがイラン政権と強い関係にあることは間違いありませんが、フーシは結局のところイエメン人であり、アラブとイエメンの本能があるのです。自分たちの利益、そして彼らの祖国の利益を優先することができるように復活することを望んでいます。
AAM:殿下、2030年以降何がありますか?
CP:2040年に。
AAM:進行中の計画があるのですね。
CP:間違いありません。
2030年我々は、世界で非常に進んだ位置にいると思いますが、2040年は世界レベルでの真の競争段階になるでしょう。
AAM:サウジアラビアが成功を収めるために必要な最大のことは何でしょうか?
CP:サウジアラビア国民です。
AAM:サウジアラビア国民ですか?
CP:国民がいなければ、我々が達成したことは何も達成できなかったのと同じです。国民が我々のしていることに確信が持てないのなら、さまざまな困難に立ち向かう準備ができていないのなら、そして公務員、大臣、ビジネスマン、民間部門の職員、またはその他の仕事をしている国民として、この挑戦に参加することを望まないのであれば、私たちの計画のすべては何にもなりません。それは単に数枚の紙切れに垂らしたインクで終わるでしょう。
AAM:殿下、何を恐れているものはありますか?
CP:サウジアラビア人は何も恐れていないので、「恐れ」という言葉はサウジアラビアの辞書には存在しないと思います。
AAM:恐れは存在しないものだと?
CP:そうは思いません。 もちろん誰にでも心配事はあります。心配を克服するために解決策を得ようと努力します。でも私は「恐れ」が私たちの辞書にあるとは思いません。
AAM:殿下が国民に伝えたい最も重要なメッセージは何ですか?
CP:継続ということです。。 過去4年間で大きな成果を上げてきました。 我々は2025年までにさらに多くのことを達成したいと思っています。今ある繁栄から別の繁栄へ。
AAM:殿下、インタビューをありがとうございました。 視聴者の皆様、ありがとうございました。私たちの憲法はコーランであるとMiB殿下が言ったことを伝えてください。 それではさようなら。