
ダマスカス、シリア:シリアのバッシャール・アサド大統領が、同国の現在の経済的困窮の多くは隣国レバノンにおける銀行危機の直接的な結果であると述べた。シリア人実業家の多くが伝統的に、自分のお金をレバノンで保管してきた。
アサドによれば、シリア人が所有する200億~420億ドルが、レバノンの銀行で凍結されていることが推定されるという。ダマスカスで開かれている見本市を妻と共に視察中の水曜に、同大統領が発言した。
国営通信社SANAが公表した録音によれば、「シリアのような経済にとって、この数字はぞっとする数字だ」とアサドは述べた。
レバノンは深刻な銀行危機を経験しており、これが資本逃避へ対処したり動揺する現地通貨を支えたりするための、非公式な資本規制の導入を引き起こしてきた。預金者は国外に送金することができず、引き出せる額も制限されている。
レバノンの銀行はシリア経済にとって命綱となってきた。アサド一族が支配するシリアは数十年にわたり西洋諸国からの制裁措置に直面しており、しばしば実業家個人が標的となってシリアの銀行と遮断された。
しかしアサドは、ほとんどの政府当局者とは異なり、現在進行中の危機を制裁のせいにはしなかった。「レバノンの銀行が破綻した時、その代償を支払ったのは我々だった。これが問題の本質である」と、同大統領は述べた。
石油価格の低迷、および同国の小麦の多くが栽培されているシリア北東部のクルド人支配地域へのアクセスがままならないことも、原因の一部であると述べた。
シリア経済は最悪な状態にあり、9年に及ぶ内戦では400,000人以上が死亡し、国の人口の半数が難民となった。シリアの現地通貨は最近数ヶ月で暴落し、多くのシリア人にとって食べ物を買うことがより難しくなっている。国連によれば、シリアの人口の80%以上が貧困の中で暮らしているという。
戦争に引き裂かれたこの国ではコロナウィルスも拡散しており、経済活動がさらに制限され、失業者の数が増加した。
AP