エフレム・コサイファイ
ニューヨーク:米国務省は木曜日、戦争で荒廃した国に何百万人ものシリア難民を帰還させることを呼びかけた会議について、注意を逸らすものとして拒絶した。会議はロシアの支援を受けたもので、ダマスカスで行われた。
住民・難民・移住局のリチャード・オルブライト事務次官補は、シリア情勢の厳しい現実とは全く関係のない茶番に過ぎないと述べた。
米国のシリア特使ジョエル・レイバーンは、この会議は「ロシアとアサド政権が、戦争を終わらせ、国連安全保障理事会決議2254の下で政治的解決を図るという国際社会が求めてきたことを履行していない事実から目を逸らすための『犬と子馬のショー(手の混んだ宣伝)』に過ぎません」と述べた。
オルブライトはまた、共同ブリーフィングで、難民を「政治の駒」として利用して政権に正当性を与えているとして、ロシアとシリア政権を非難した。
彼は「危機に瀕している命をあからさまに軽視していることは非難に値します」と述べ、国連の立場として、シリアの状況は難民の安全で持続可能な帰還にはまだ寄与しないと指摘した。
「行われた数少ない難民の帰還では、二度目の避難、国際援助への継続的な依存、そして場合によっては強制徴用、拘留、強制失踪、その他の人権侵害に直面することがあまりにも多いです」とオルブライトは付け加えている。
「シリア人の避難民はこのことを知っています。だから彼らは戻らないのです」
内戦で避難した何百万人もの人々の帰還を促進する目的で、ダマスカスでの会議が2日目に入るなか、このブリーフィングは行われた。シリアのバシャール・アサド大統領はテレビ演説で、彼ら「家に帰りたい」が、「テロリストとジハード主義者を恐れている」と述べた。
2011年に戦争が始まって以来、シリア国民の半数以上が国外に逃亡し、現在、数百万人が他国で難民となっている。
オルブライトは、2019年12月から今年2月までの間に100万人のシリア人が政権の攻勢によって避難したと述べた。これは「9年間の紛争の中で、他のどの時期よりも速いペースでの避難でした」と彼は付け加えた。
「シリア政府は選択を迫られています。10年近く続いた紛争の平和的解決に向けて不可逆的な措置を取るか、さらなる制裁と外交的孤立に直面するかのどちらかです」と彼は述べる。
11月9日、米政権はシリアの軍司令官、国会議員、政府高官、金融関係者を対象とするシーザー法の制裁の第5弾を実施した。6月に最初の制裁措置が発表されて以来、計94人の個人と団体がブラックリストに登録されている。
シーザー法は、535人の議員のうち500人以上の支持を得た議会で、民主党と共和党から圧倒的な支持を集めた。
レイバーンは、「私たちが実行してきたシリア政策には超党派的の負託があり、それが変わることはないでしょう」と述べた。
ダマスカスでの会議には、イラン、ベネズエラ、中国を含む27カ国の代表者が参加した。国連とその組織は参加せず、主要な難民受け入れ国も同様であった。
レイバーンは、「(会議に)参加した国のなかには、シリアで民間人を殺傷し続け、何百万人もの人々を逃亡に追いやっている国と同じところがあります」と述べる。「これらの国々は、シリアは難民が帰還する安全な場所になったと偽っています」
「ロシアとアサド政権は特に、自ら破壊しているシリアを再建するための資金を集めようとしていますが、アサド政権は月に数百万ドルを自国民に対する軍事作戦に出資し続け、政権の支配下にある地域に戻ってきたシリア人を失踪させ続けています」
アラブニュースの取材に応じたオルブライトは、米国の制裁がシリア政府にどのような影響を及ぼしているのかという質問に対し、制裁により政権が「シリアの人々を攻撃し、首を絞め続けるために使ってきた資源を秘匿する能力が損なわれています」と答えた。
彼はこう付け加えた。「アサド政権への影響は相当に根深く、トップの指導者たちは制裁の圧力から抜け出そうと必死になっています。彼らは制裁が続くことを心配しています」
レイバーンは、米国の政治的・経済的圧力の措置はEUと連携して行われているとし、国連安全保障理事会決議に基づく政治的解決がなされるまで、シリア政権の外交的・経済的孤立は続くと誓った。
「私たちは、起こったことに対する説明責任なしに政治的和解はないと単純に考えています。説明責任と正義があるまでは、難民の帰還をめぐる意味のある議論はできません」と彼は付け加えた。
レイバーンはまた、「シリアの残虐行為に対処することなく、シリア政府との関係を再構築したり、改善したりしようとする試みは、説明責任の促進、そしてシリア紛争の永続的、平和的、政治的解決に向けた取り組みを弱体化させます」と警告した。