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スコットランドで古代シリアのガラス製品展示を難民が手伝う

英国スコットランドのヘレンズバラの歩行者専用区域を歩く女性。2020年7月22日。(ロイター)
英国スコットランドのヘレンズバラの歩行者専用区域を歩く女性。2020年7月22日。(ロイター)
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17 Nov 2020 12:11:26 GMT9
17 Nov 2020 12:11:26 GMT9
  • 2000年前にさかのぼる、ガラス製造の黎明期のたいへん貴重な品が、博物館で見つかった

アラブニュース

ロンドン:スコットランドで、古代シリアのガラス製品のコレクションが、シリア難民の手を借りて、初めて展示される予定である。

2000年ほど前の30点のコレクションが、レンフルーシャーの町ペイズリーの博物館の倉庫で見つかった。このコレクションは、1948年以来そこにあったと考えられている。

この博物館は、現在4200万ポンド(5538万ドル)かけて改装中であるが、展示品に英語とアラビア語でラベルをつけることから、このコレクションの背景を述べ今日におけるその重要性を説明することまで、展示の作業に、戦乱から逃れやってきた地元のシリア人たちを参加させることを決めた。

難民のジャマール・ホラーニは、彼の家族はシリアでガラス製品のささやかなコレクションを所持していたが、ホムスの町から逃げたときすべてを置いて行かざるを得なかったと話した。

「シリアからスコットランドに来たこれらの品々を見て、とてもうれしく思いました」と彼は加えて言った。「これらがどのようにして、また、なぜここに来たのかは知りませんが、私たちがこれらのすばらしい品々を作ることができたことを誇りに思います。シリアについての思いをかきたてられます」

彼の姉妹のカデジャは、「これらの品々を見ると、観光客たちが世界中から私たちのガラス製品を買いに来ていた古い思い出がよみがえります」と話した。

戦争が始まるまで、シリアのガラス製造業は、その職人技によって世界中から高く評価されていた。

「シリア人はとても社交的で、家族同士で訪ねたり一緒に食事したりします。私たちは特別なガラスを食事用ではなく、飾り用にとっておく傾向があります。それについて、若い世代に話したり、彼らが自分たちの文化にふれられるようにです」とホラーニの妻マリヤムは話した。

このガラス製品のコレクションは、シリアの古美術商からエリザベス・スパイヤーズ・パターソンの家族が購入したと考えられており、その後1948年にペイズリー博物館に遺贈された。

博物館の研究助手ジョエル・フェイガンは、「これら(の品々)が残っていることは驚くべきことです。私たちはこれらをただ陳列用ケースの中に置くこともできましたが、それは好ましくないと感じました。私たちは、この博物館をシリア人コミュニティーに近づけたかったのです」と話した。

「これらの品々は、吹きガラスが発明されたばかりの時代のものですが、ガラス製造業はそれ以来ずっと、現在の抗争が起こるまで、シリアで栄えていました」と彼は付け加えた。

レンフルーシャーには約200人のシリア難民が住んでおり、2015年に英国政府の公式な定住計画の一環としてシリア人のコミュニティが成立して以来、28人の子どもが生まれた。

「私たちはここに来るまで、スコットランドのことはよく知りませんでした。そして、天気や新しい文化について心配していましたが、私たちはうまくやっていくことができています。新しい友人をつくり、私たちは今や、お客さんであると同時に地域コミュニティの一部でもあります」とホラーニは言った。

カデジャは、この展示が来館者たちに、シリアの歴史における、現代世界で彼らが見慣れているものとは違った一面を見せることを望んでいると話した。

「私たちが偉大な文明をもっていること、私たちのガラス製造は世界中に知られていることを、来館者に知ってほしいと思っています」と彼女は付け加えた。

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