
ダオド・クタブ
アンマン:パレスチナ当局者は、最近ヨルダン川西岸のイスラエル入植地を訪れた際のマイク・ポンペオ米国務長官の声明の実現性を重要視しないこととしている。
声明には、入植地で製造された製品に「イスラエル製」のラベルを付けることを許可することも含まれる。これは、最近の国連安保理決議及びそうしたラベル付けを認めないEUの取り組みとは明らかに矛盾している。
元パレスチナの国連特使であるナセル・アル・キッドワはアラブニュースに対し、米国の意図するところは効果が無いだけでなく「危険」な動きであると語った。
「大した効果もなく、元に戻すことも可能ではあるが、危険な動きではある」と、アル・キッドワは述べている。
厳しいコメントの中で、アル・キッドワは、ドナルド・トランプ大統領の政権はイスラエルとイスラエル人の入植者を助けるのに熱心であるが、米国の努力は、イスラエルの「戦争犯罪を支援」しているのに等しいとも述べた。
つまり、「トランプ政権は入植地と入植者の支援を明らかに意図しているが、彼らの行動は米国を戦争犯罪に加担させている」と、アル・キッドワは述べている。
アル・キッドワは、ポンペオの声明は、ヨルダン川西岸とイスラエルの区別を求める国連安保理決議2334に違反していると指摘すると共に、米国の姿勢はジュネーブ第4条約の明らかな違反であるとも述べた。
サンフランシスコ州立大学の講師であるジャマル・ダジャニは、トランプ政権は「現場の実情を認識している」のではなく、ベンヤミン・ネタニヤフの入植者植民地ビジョンを支持することで、自らの都合の良い現実を作り出そうとしていると述べた。
米国務長官のマイク・ポンペオの声明は、ヨルダン川西岸とイスラエルの区別を求める国連安保理決議2334に違反している。
ナセル・アル・キッドワ, 元パレスチナ国連特使
以前はパレスチナ首相官邸で戦略的コミュニケーションとメディアのディレクターを務めたダジャニは、「現場の真の実情」とは、ヨルダン川西岸のエリアCが国際的に認められた占領地であるということである。ダジャニは、この地域にイスラエルの入植地が存在することは、次のように規定しているジュネーブ第4条約に違反していると付け加えて述べた:「占領国は、自国の民間人を占領地に移住させたり、入植させたりしてはならない」
ファタハ中央委員会のメンバーであるアル・キッドワは、米国の行動が国際的なコンセンサスを変えることはないとアラブニュースに語った。「現在の米政権は、国際法や地域の将来を全く考慮に入れていない偏った政権である」
アル・キッドワは、米国で新たに選出された政権に決定を覆すよう求めた。
「世界市民として、重要事項の決定方法として、明らかに違反し、米国議会との調整なしに行われたすべての決定を、新政権は覆さなければならないと私は信じる」と、アル・キッドワは主張している。
ハイファを拠点とする政治アナリストで、国際協議センターのディレクターであるワディー・アブナサは、トランプ政権はヨルダン川西岸にいる700万人以上存在するパレスチナ人を無視しているとアラブニュースに語った。
「米国の現政権は、中東に住む大勢の人々によって、誠実な仲介者として認識されるチャンスを繰り返し逸してきた。米国は国際法を尊重し、イスラエルにもそうするよう奨励すれば、失地挽回できるであろう」
アラブニュースがコンタクトを取ったパレスチナの高官は、ネタニヤフ政権への贈り物は、現状の改善には少しも役に立たないと述べた。
「トランプとポンペオは(ボールゲームの)ロストタイムに戯れているだけで、彼らの活動は占領地の現状を何も変えない」