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日米貿易協定が発効=市場開放、経済成長狙い―車・サービスで交渉第2弾

米国は、日本側の廃止を強く求める声にもかかわらず、日本からの自動車や自動車部品の輸入関税を維持している。(AFP/ファイル)
米国は、日本側の廃止を強く求める声にもかかわらず、日本からの自動車や自動車部品の輸入関税を維持している。(AFP/ファイル)
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01 Jan 2020 12:01:39 GMT9
01 Jan 2020 12:01:39 GMT9

日本と米国の2国間貿易協定が1日、発効した。日本は牛肉など農産物の市場を環太平洋連携協定(TPP)の水準内で開放し、米国は幅広い工業品の関税を撤廃・削減。自由貿易の拡大で経済成長を後押ししたい考え。日米は自動車やサービス分野をめぐる追加交渉を次の課題に挙げており、政治・外交日程を視野に入れた駆け引きが2020年、本格化する。

 日米間では電子商取引のルールを定めたデジタル貿易協定も1日に発効。世界全体の国内総生産(GDP)の3割を占める両国間で貿易やデジタル取引の自由化が進む。交渉を主導した茂木敏充外相は、既に発効したTPP、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)と合わせると「世界全体の6割をカバーする経済圏が生まれる」と成果を強調している。

 日米貿易協定の発効により、米国産牛肉に対する関税は従来の38.5%から26.6%に下がり、33年度には9%となる。粉チーズやワイン、高価格の豚肉に対する関税は最終的にゼロになる。

 米国は日本企業が強みを持つエアコン部品や燃料電池の関税を即時撤廃。一方、対米輸出額の3割を超える自動車・同部品の関税撤廃は見送られ、継続交渉の対象となった。

 日米は協定発効から4カ月以内に「第2段階」の交渉範囲について協議する。日本は自動車分野の関税撤廃を求める構えだが、11月の米大統領選再選を目指すトランプ氏が受け入れる公算は小さい。選挙情勢次第では逆にコメなどの市場開放やサービス、投資の自由化を迫られる恐れもある。

 日本にとっては、米国以外との貿易自由化の推進も大きな課題となる。中国と韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国など16カ国と交渉中の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、20年中の協定署名が目標。EUを離脱する英国とも自由貿易協定(FTA)を早期に締結し、「国内企業、生産農家が海外展開しやすい環境を広げる」(外務省幹部)意向だ。 

 ◇日米貿易交渉の経緯

2017年1月   トランプ米大統領がTPP離脱表明

  18年5月   米国、輸入自動車への追加関税の検討表明

     9月   日米首脳が2国間の貿易協定交渉開始に合意

    12月   米国抜きのTPPが発効

  19年2月   日EU経済連携協定が発効

     4月   日米閣僚が初協議。関税とデジタル貿易を交渉対象に

     8月   閣僚協議、首脳会談で大枠合意

     9月   日米首脳が最終合意

    10月7日 日米が貿易協定、デジタル貿易協定に署名

    12月4日 国会が日米2協定を承認

  20年1月1日 日米貿易協定、日米デジタル貿易協定が発効

     春ごろ? 日米、第2段階の交渉範囲を協議

    11月3日 米大統領選

(注)日付は現地時間

時事通信社

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