ケビン・マッカーシー下院少数党院内総務による最近の発言は、疑わしい政治路線を実現する表看板として非営利組織を用いている民主党の進歩的左派運動と一部のイスラム団体の怒りを買った。マッカーシー氏は、自分が下院議長に選ばれた場合、イルハン・オマル議員を下院外交委員会から排除すると誓った。
「昨年、私は議長になった暁には、反ユダヤ的で反アメリカ的な言辞を理由にイルハン・オマル下院議員を下院外交委員会から排除すると約束したが、その約束を守るつもりだ」とマッカーシー氏は11月21日ツイッターに投稿した。
常に論争の的となるオマル氏は間を置かず自己弁護したが、その手法は例によって、被害者の役割を演じ、イスラム嫌悪のカードを掲げるというものであった。これが、彼女がいかなる批判や見解に対しても用いるいつもの方法なのだ。彼女は当初自分にはこの偉大な国の外交政策を形作る、この非常に重要な委員会のメンバーたる資格がなかったという事実を無視している。
下院議員になる以前のオマル氏が持っていた資格らしいものは、2016年ニューヨークでのトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との会談くらいであり、この機会もアメリカ・イスラム関係評議会(CAIR)がよく分からない理由のためにお膳立てしたもので、議員に立候補する2年前のことである。
「私が選出された瞬間から、共和党は下院の議場で、あるいは数百万ドルを投じた選挙広告を通じて恐怖、外国人嫌悪、イスラム嫌悪を利用して私を攻撃することを自らの使命としてきました」とオマル氏は声明で述べている。
共和党にも多くのアメリカ人イスラム教徒、ソマリア人、黒人、アラブ人がいるにもかかわらず、オマル氏の声明は共和党がソマリア系アメリカ人および彼女と出自を共有する者には誰に対しても恐怖と憎悪を煽っていると主張している。
オマル氏の、国そのものを損なうような反アメリカ的な外交上の立場を振り返る前に、誰がオマル氏の背後に隠れて彼女の語り口を繰り返し、彼女を「アメリカの専制」に立ち向かう自由と人権の闘士として描いているのかを確認することが重要だ。
事務局長ニハド・アワド氏がムスリム同胞団と非常に近い関係にあることで知られるCAIRは声明を出し、議会議員に対し「正当化できない偽善的な脅し」を拒絶するよう求めた。
共和党が人種差別主義的でイスラム嫌悪を抱いているとする一方で、声明は共和党の候補者たちが中間選挙でイスラム教徒の有権者からの得票を驚くほど伸ばしたことも認めている。「議会のメンバーは、それが国家の敵、同盟者、あるいは自国政府によるものであれ、人権の侵害に抗議して声を上げ続ける口を封じられることがあってはならない」とCAIRは表明している。
オマル氏を下院外交委員会から排除するべきだ。そうすれば、彼女は自分に投票した有権者に奉仕し、そのニーズに応えることができるかもしれない。
ダリア・アル・アキディ
先にイスラム主義者が主張していたことは確かに正しい。すなわち、外交委員会の主要な役割の一つは、世界中どこであれ、人権侵害を指摘することである。だが、オマル氏はイランでデモに参加する男女が殺害されていることを、人権の名のもとに非難してはいない。
彼女はイランで命を賭して抗議する女性を、中絶に反対するアメリカ人女性になぞらえることさえしている。イラン政権が自国民に向ける敵意を、国有および私有財産の破壊や焼却を防ぎ、法と秩序を実現しようとするアメリカの警察になぞらえることさえしている。
イラン国営ニュースネットワーク、Press TVはパンアフリカンニュースワイヤーの編集者、アバヨミ・アジキウェ氏のインタビューを通じて、オマル氏擁護に動いた。アジキウェ氏は、マッカーシー氏の発言はアフリカ系アメリカ人とアメリカで暮らすイスラム教徒の市民をより一層犯罪者のように扱おうという試みだと述べている。
オマル氏は残虐なテロリストであるガーセム・ソレイマニ氏の殺害に憤慨したが、ソレイマニ氏は彼女と同じアメリカ人数百人とイラン、イラク、シリア、レバノン、イエメンの無辜の犠牲者数千人の生命を奪った人物である。
なぜ、所謂「人権の闘士」がオスマン・トルコによるアルメニア人の殺戮をジェノサイドと認定する決議に票を投じようとしないのだろうか。
オマル議員は、イスラム過激派と彼らが隠された政治路線を実現させる手法に魅了されているように思われるが、それらの団体は彼女が本来守るべき国益に悪影響を及ぼす可能性もある。
以上に挙げたのは、マッカーシー氏がオマル氏を下院外交委員会から排除するべきだと主張している多くの理由の一部である。そうすれば、彼女は自分に投票した有権者に奉仕し、そのニーズに応えることができるかもしれない。