
アラブニュース
アンカラ:11月15日のレジェプ・タイップ・エルドアン大統領の北キプロス訪問が物議を醸した後、欧州議会は対トルコ制裁を求める決議を採択した。
欧州議会の議員らは、キプロスを支持する決議に同意し、EUの指導者らに「トルコの違法行為に対して行動を起こし、厳しい制裁を課す」よう求めた。
欧州議会が11月26日に採択した、拘束力のない決議によって、トルコの東地中海でのガス探査活動は違法であることが強調された。EU首脳らは12月10~11日にブリュッセルで会合する予定だ。
欧州議会の議員らは、トルコが、ファマグスタの郊外にある、フェンスで囲まれたバローシャを部分的に再開する決定を下したことで、数十年に及ぶキプロス紛争の、広範囲にわたる解決の見通しが付きにくくなったことも分かった。
トルコ軍は1974年にバローシャに侵攻した後、そこをファンスで囲ったが、その観光都市から逃げた、ギリシャ系キプロス人は家に帰ることができなかった。
「欧州議会の議員らはトルコに対し(国連安保理決議第550号(1984)に従い)国連による暫定統治の下、バローシャを合法的な住民に譲渡すること、及び違法入植政策による、島の人口バランスを変えるいかなる行動も控えることを求める」と今回の決議には書かれている。
トルコ政府の動きは米国、ギリシャ、ギリシャ系キプロス人から批判されている。
トルコ外務省はこの決議を非難し、欧州議会はキプロスに関して「偏見を持ち、現実から切り離されている」と批判した。
EU首脳会議では、現在EU議長国(任期は6カ月)を務めるドイツの調停努力次第で、海運、エネルギー、金融などの分野に対する、いくつかの制裁が採択される見通しだ。
政治アナリストでEU・トルコ・フォーラム事務局長のLaura Batalla Adam氏は、EU首脳らの意見が分かれたとしても、制裁の可能性は検討され続けると述べた。
「バローシャを再開するという決定は、既に非常に緊迫した、トルコとEUの関係をさらに悪化させることになる」と同氏はアラブニュースに語った。「課されうる制裁の種類については、ここ数日中に決まるだろう。トルコ政府の東地中海での動き次第だ」
Batalla Adam氏は、双方が紛争を解決するための交渉を始められるようになるまで掘削活動を一時停止することは、緊張を緩和し、より前向きな課題に取り組み始める一つの方法だろうと述べている。
トルコは11月29日まで、東地中海、ギリシャ諸島の近くで、探査船「オルチ・レイス」を使って地震学的調査を続ける予定だ。
トルコ政府は9月、ギリシャとの外交と交渉の余地を広げるために同船を戻したが、論争が起きている地域に送り返したため、EU加盟国のキプロス、ギリシャ、ドイツ、フランスからの強い反発を招いた。