
ハゼム・バルーシャ
ガザシティー:選挙に関する協議の進展をパレスチナ人が心待ちにする中、ハマスおよびマフムード・アッバース大統領周辺では期待を高める憶測が流れているが、人々の不安は続いている。アッバース氏は先週、大統領選挙に先立つ3ヶ月間以内に議会選挙を行うことにハマスの賛同を得た。
Hanna Nasser委員長が率いる中央選挙委員会(CEC)は、1週間に2度にわたってハマスおよびガザを拠点とする他のパレスチナの指導者と会合を行い、アッバース氏の立場を説明し、詳細を協議した。
しかし、過去の数多くの失敗を思い出す大勢のパレスチナ人は心配している。最大のものは、エジプトの支援で2017年に行われた和解合意であろう。地方選挙も2年前に合意されたが実施されなかった。
期限を過ぎた選挙と同時期に、イスラエルでは選挙の膠着状態が起き、レバノンでは政治的激変が進んでいる。
最近進展はほとんど見られないので、パレスチナで成功を収める選挙について語るのは「時期尚早」であると公法と政治科学の教授Ibrahim Abrash氏は述べた。
CECの動きは、9月26日にアッバース大統領が通常選挙を求めたことに呼応したものだ。これは、選挙を実際に行いたいという願いではなく、「人々の圧力」によるものだとAbrash氏は考えている。
「政治階級や党派は選挙を行いたくないのです。どの党も大統領に満足しています」と彼は述べた。さらに、選挙を行う純粋で誠実な動機には、全国的な対話集会によって選挙法に合意することや、健全で透明性が高く公正な選挙を実現する仕組みや手続きの確立が必要だとも語った。
「そうでなければ選挙は失敗するでしょう。苦しむのは一般のパレスチナ人です」
パレスチナでは以前に議会選挙が2回行われた。1回めは、パレスチナ自治政府設立後の1996年に実施された議会および大統領選挙である。2回めは、ヤーセル・アラファト大統領の死去後、2005年の大統領選挙を受けて2006年に行われた。
以前の大統領選挙の候補者で、National Initiative Movementの議長でもあるMustafa Barghouthi氏は、パレスチナの選挙に妨げとなりかねない幾つかの点を指摘した。とりわけ、エルサレムの被占領地域で選挙が行われるのをイスラエルが拒んでいること、ヨルダン川西岸でイスラエルが候補者たちを逮捕していること、国家間で現在行われている協議が破綻しかねないこと、ガザでの選挙をハマスが認めないことである。
Barghoutiは現在行われている運動がパレスチナの政治状況への大衆の抵抗の一形態と見なされる「貴重な機会」だとArab Newsに語った。また、うまく行けばパレスチナの人々の意思を反映するものとなるだろうと彼は述べた。
日曜日のCECとの会合の後、ハマスのIsmail Haniyeh氏は、成功を収める選挙プロセスの詳細を会合で協議したと語った。
パレスチナ解放民主戦線の政治局員であるTalal Abu Zarifa氏は、選挙の実施および結果の受け入れを確実なものとするために暫定自治政府組織が選挙法、とりわけ完全比例代表制や、立候補の自由に関する問題を協議する必要があると述べた。
CECの事務局長を務めるHisham Kuhail氏は、議会選挙には大統領命令が出てから120日が必要なので、「一般大衆は2020年2月に選挙があることを期待できる」とPalestine Radioに語った。