ルバ・オバイド
ジッダ:ジョー・バイデン次期米国大統領は、イランが米国に対し2015年のイラン核合意に復帰することを望む場合、イランは中東地域において代理組織を介して行う「悪質な」行為に対処しなければならないと警告した。
バイデン氏はまた、水曜日の米メディアのインタビューの中で、もしイランが核爆弾を手にした場合、中東地域における核軍拡競争に火をつける可能性があると警告し、「中東地域で絶対に避けなければならないのは、核戦力の増強です」と述べた。
バイデン氏はこのように述べた。「精密ミサイルなど、中東地域における様々な不安定要素については、多くのことが言われています。」さらにこのように加えた。「米国の同盟国やパートナー国との協議の上、イランの核軍備制限を強化し、それを長期化させるための交渉やそれに続く合意を今後進めていきます。さらにイランのミサイル計画にも対処します。」
バイデン氏のコメントについて、政治アナリストのハムダン・アル・シェフリ氏はアラブニュースに対し、2015年のイラン核合意(正式には包括的共同行動計画(JCPOA)として知られている)を進める際、オバマ前大統領は中東地域全体に活動を広げていたイランの民兵とイランの弾道ミサイル計画に目をつぶっていた、と語った。
「バイデン氏は、中東地域におけるイランの代替組織と弾道ミサイルを巡りイランに圧力をかけることにより、2015年の時とは逆のことをすることができます」とアル・シェフリ氏は述べた。「バイデン氏はまた、イランとの次の核交渉は前回と異なったものとなり、より具体的なものになるだろうと述べ、中東地域における米国の同盟国を安心させました。」
ハーバード大学の研究者でイラン問題の専門家であるマジッド・ラフィザデ氏は、「今回の進展は正しい方向への一歩ではありますが、JCPOAにおける大きな問題にまだ十分に対処できていません」と述べた。
「バイデン氏はまず、イランの近隣諸国を核交渉に参加させなければなりません。JCPOAの交渉中、イランの近隣諸国は、イランのすぐ近くに位置し、イランの代理組織による行為を核合意参加国のどの国よりも痛感していたにもかかわらず、不必要に排除されたのです。」
「この(結果として)欠陥のあるイラン核合意は、ミサイル拡散とイラン近隣諸国の国内及びその周辺で活動する暴力的な代理組織への資金提供に対する、イラン近隣諸国の正当な懸念を認識することができなかったのです。」
しかし、イラン国内の政治的緊張は高まっている。イランの監視機関である監督者評議会は、米国による経済制裁が1カ月以内に緩和されない場合、イラン政府が国連による核施設の査察を停止し、2015年の核合意に定められた制限を超えてウラン濃縮を段階的に進めることを義務付ける法律を可決した。イランで最も著名な核科学者が先週暗殺されたことについて、イランはイスラエルを非難しているが、その報復としてイラン議会は火曜日、イランの核武装姿勢を固める法案を賛成多数で可決した。
アル・シェフリ氏は、イランの最近の行動は、米国新政権の注目を集めることを意図しているようだと述べた。
「(ハッサン)ルーハニ大統領は、イランの外交努力を妨害することになるとして、イラン議会によるこの法案を却下しました」と語った。「イランはこれ以上リスクを冒せないことを認識しており、制裁下で経済的に消耗しているため、解決策を見出そうとしているのです。」
米メディアの報道によると、バイデン政権は新たな交渉の中で、「(核)爆弾の製造に使用される可能性のあるイランの核分裂性物質生産に対する制限」の期間を延長しようとしているという。
2015年のイラン核合意では、イランが精製できるウラン濃縮度の上限を3.67%に制限している。これは核合意以前にイランが達成した20%よりも低く、核兵器への転用が可能となる90%をはるかに下回っている。しかし、イランは昨年7月に3.67%の上限を超え、それ以降は最大4.5%の濃縮度を維持している。イランはまた、核合意の他の制限事項も違反している。
ラフィザデ氏はまた、核開発に対するイランの野心に加え、イランの破壊的で不安定化する行為にも対処しなければならないと警告した。
「イランの弾道ミサイル計画はどのように合意に盛り込まれるのでしょうか」と彼は尋ねた。「イランの中東地域における悪質な行為とテロ集団への支援について、この合意は具体的にどのように対処するのでしょうか?」
「オバマ政権との2年間の交渉の末、JCPOAはイランに有利な結果に終わり、イランは世界の大国から多くの譲歩を得たことを忘れてはなりません。」
ラフィザデ氏はまた、制裁解除には慎重になるべきだとし、制裁解除はイランの合意順守に対するインセンティブとして利用すべきだと述べた。
「バイデン氏はまた、イランとの核合意成立後すぐに経済制裁が解除されることをほのめかしています」と彼は述べた。「制裁解除はイランの合意内容の順守を条件に、段階的に実施されなければなりません。2015年の核合意の時のようにすぐに制裁が解除されれば、国際社会は再びイランに対する影響力を失うことになります。」