
エルサレム:イスラエルはイラン核施設の攻撃を間近に控えていないと、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の国家安全保障担当補佐官は言う。イラン政府と米国政府との対話では緊迫状態の緩和に努めた。
ツァヒ・ハネグビ氏によると、イスラエルの主要な同盟国である米国とイランとの、ここ数週間における対話の結果として何が生じるかはまだ不透明だとのことで、対話ではイラン政府の核計画制限と緊張状態の段階的緩和につながるかもしれない、おおよその段取りをどうにかして決めようとしていた。
それにもかかわらず、核武装したイランを現在進行中の脅威だと見ているイスラエルに義務を課す同意は結ばれていないと、ハネグビ氏は「チャンネル13」テレビに語った。
イランへ先制攻撃を行うというイスラエルの決定は近いのかどうか問われたハネグビ氏は、以下のように述べた。
「時期は迫っていません。今のところイランは動きを止めているからです。イランは、こちらの見方でレッドラインに達するほどの水準ではウランを濃縮していません」
ハネグビ氏はさらに「でも起こり得ることです。なので、私たちはその時のために準備しています。その時が来たら、私たちを全滅させようとして大量破壊兵器で武装する狂信的な政権から、イスラエル国民を守らなければならないのです」と言った。
ネタニヤフ氏は、イランによるウラン濃縮の「レッドライン」を、爆弾向けの核分裂性純度の90%に設定した。イランはここ数年で濃縮度を60%の純度にまで増加させた。
イラン政府による濃縮度上限を3.67%と決めた2015年の核合意復活は失敗し、イランにより急速に進行する核武装への動きを抑制できるかもしれない手順の概略をまとめるため、イランと西側諸国の当局者は会談していた。
2015年の合意によって、イランによるウラン濃縮は制限され、イラン政府にとって核兵器製造手段の発展は難しいものとなっていた。イランには前述の野心があり、合意復活を拒んだ。
その後、米国のドナルド・トランプ大統領は2018年に協定を破って再度制裁を課し、それによってイラン経済は痛手を負った。
イラン政府の返答は、協定による濃縮度制限を大幅に超える濃縮度への段階的増加だった。
ロイター