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レバノン治安当局、国家不穏を図るテロ計画を警告

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05 Dec 2020 11:12:18 GMT9
05 Dec 2020 11:12:18 GMT9
  • ヒズボラは、レバノン軍と元国会議員を提訴し、バハー・ハリル氏に対する提訴準備も進めている

ナジア・フサリ

ベイルート:レバノンの治安当局は木曜日、来たる休暇期間に公人を暗殺して、国家を不穏に陥れようとする陰謀に関する情報を受けたことを明らかにした。

高等防衛評議会の会議の中で、レバノン総合治安局長官アッバス・イブラヒム少将と国家治安庁長官トニー・サリバ少将が、この情報は複数の治安諜報機関から入手したものだと述べた。暗殺の標的にされたとする人物の名前は明らかにしなかった。

高等防衛評議会の会議は、通常は機密に行われるが、木曜日の会議については複数の地元メディアが翌日に公表した。また、ヒズボラがハサン・ナスララ書記長を始めとするヒズボラ指導者たちを標的とした陰謀を阻止したと主張するニュースも、これと同時に伝えられた。

評議会の会議で明らかにされた情報の中には、テロ活動は礼拝所、商業施設、観光地が標的となる可能性があるとの示唆が含まれていた。また、密輸団の詳細も含まれていたとされ、従来はイラクとシリアの間で暗躍していた密輸組織が、今ではその活動範囲をレバノンにまで広げているという。

会議は、休暇期間中に実施する予防線的警備計画の展開を決定して終了した。

また、金曜日にはヒズボラが、元国会議員ファレス・スワイド氏と、レバノン軍のウェブサイトを、「8月4日のベイルート港湾爆発にヒズボラが関わっていると糾弾した」ことで提訴した。

「抵抗への忠誠」ブロック(ヒズボラ)のメンバーであるイブラヒム・アル・ムサウィ氏は、国会議事堂の外でメディアに対して次のように語った。「バハー・ハリリ氏に対する訴訟も準備しており、また、内紛を企てる者たちを糾弾する法的条項に基づき、他の訴訟も間もなく手続きをすることになります」

アル・ムサウィ氏は続けた。「ヒズボラが爆発に関与しているとの糾弾は虚偽であり、犯罪の続行になります。真の犯人を見失い、何の証拠もなく非難の矛先を一政党に向けることは、真の犯人を隠蔽し、世論を惑わせ、憎悪を掻き立て、暴動を煽り、市民の平和を脅かすことになります」

スワイド氏は、次のようにアラブニュースに語った。「私はベイルート港湾爆発で直接ヒズボラを非難してはいません。ヒズボラが私を提訴することが問題なのではありません。一番重要なのは、なぜ今、ヒズボラは司法に訴えるのか、この提訴の裏に何があるのか、ということです」

彼は続けて、ヒズボラが自分に対する法的手続きに入ったことを公然と表明するのは、その真の意図を隠蔽する策略である可能性を示唆した。

「ヒズボラが、恒久的な政敵である私を提訴すると公表したのは、レバノンで暗殺が計画されているとの治安情報と被る動きです」と彼は述べた。「ヒズボラは、敵対者を起訴すべく司法に訴えたと公言することで、レバノンで起こるかも知れない暗殺事件について、自らを潔白だとしておきたいのでしょうか。ヒズボラは、自らは潔白であり殺人犯ではないと、私たちに訴えておきたいということでしょうか」

レバノン軍広報局長官シャルレス・ジャボール氏は、「我々は、ヒズボラが常に制度や司法に訴えるようになり、制度を重視して法に訴えることが、ヒズボラがその武器を国家に引き渡すための入り口となればよいと期待しています」と述べた。

しかし、元大臣で現在はレバノン軍に所属しているメイ・シディアック氏は、ヒズボラの動きを「無礼」と表現した。彼女は、「誰もがヒズボラの犯罪だと知っているのに、裁判所で名誉棄損を訴える権利は彼らにはありません。国際法廷を無視して、港湾爆発に関与しているとの糾弾を虚偽だと主張するのは、恥知らずです」

一方で、レバノンの英国大使館は声明を発表し、その中で2日間のベイルート訪問を終えたばかりのジェームズ・クレバリー中東北アフリカ担当大臣は次のように述べた。「レバノンの人々はもっとよい将来を得る権利があります。説明責任、透明性、責任遂行が、レバノン復興のために非常に重要です」

彼は、「英国は、レバノン唯一の正当な防衛組織であるレバノン軍の、誇りあるパートナーです」と付け加えた。

駐レバノンEU代表団は金曜日の記者会見で、「レバノン改革・復興・再建フレームワーク」の着手を発表した。EU、国連、世界銀行グループが、ベイルート港湾爆発を受けて準備したもので、18カ月以内の実施を目指している。

国連駐在人道調整官でありレバノンの特別調整官代理であるナジャト・ラハディ氏は、国民への責任を果たす新政府の樹立を改めて呼びかけた。「我々はこれを関係者に伝えました」と彼女は付け加えた。

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