
イエメンのハッジャ:4カ月前、10歳のハッサン・メルザム・ムハンマドくんは深刻な栄養失調に陥っており、歩いたり、反応を示したりすることができず、父親にぐったりした状態でイエメンの診療所に運び込まれた。
その後、今年のロイター通信の写真の1つに写っていたハッサンくんの姿は、イエメンの窮状を世界に知らしめるために役立った。治療を受けた後、ハッサンくんは現在、玩具の車で遊び、ロバに乗り、生まれてこの方言葉が不自由なので、意思疎通のために、手による合図や笑顔を用いている。
しかし、内戦、経済的衰退、COVID-19により、国連の警告によれば、数十年間にわたって最悪の飢饉となりそうだという状態にイエメンがより近付いているとき、ムハンマドさんとイエメンの200万人の他の子どもたちの上に、栄養失調は亡霊のようにさまよっている。
「ハッサンは米やパンなど、私たちの食べるものを食べています。最近では、私たちは高脂肪の食べものを食べません。私たちは彼のために肉を見つけてやることができません」と、叔父のタイブ・ムハンマドさんは語った。
ハッサンくんは家族が住む小屋に戻ってから、治療を受けていた間に増えていた体重を幾分減らしていた。内戦で5度も住む場所を失い、家族が現在住んでいるのは、極めて貧しい地域の1つ、ハッジャの農村地域だ。父親には、7人の子どもたちを養うための仕事がない。
ロイター通信が7月に初めて出会ったとき、ハッサンくんの体重はわずか9キロしかなかった。貧困に苦しむ地元の診療所は、慈善金で賄われる治療を受けさせるために、ハッサンくんを首都のサナアに送った。ハッサンくんの体重は現在、13キロをわずかに超えたところだ。
「彼の体は再び弱ってきています」。そして、彼はもっと治療を受ける必要がある、と伯父はロイター通信に語った。
イエメンでは、今まで公式には飢饉が宣言されたことはないが、5年間以上続く内戦により、国連が言う世界最大の人道的危機の中で、人口の80%が支援に頼っている状態が続いている。
近い将来に飢饉が発生するという2018年後半の国連の警告は、支援の増加を促した。しかし、今年の新型コロナウイルスに対する制限措置、送金額の削減、バッタの異常発生、洪水、2020年度分の支援対応での大幅な資金不足は、飢餓を悪化させている。
ハッサンくんの地元の診療所のアリ・ヤヤ・ハジャール医師は、その子どもと家族の状態が安定するまで、家族は栄養のある食べものが詰まったバスケットを、自宅まで配達してもらう必要があると語った。
イエメンの内争で、100,000人以上が死亡し、フーシ派がサナアと大半の主要都市を支配して、この国は分割されたままだ。
ロイター通信