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アジアの優秀な選手を逃す手はないサウジ・プロリーグ

チャンピオンのアル・イテハドと契約したフランス人フォワードのカリム・ベンゼマは、サウジアラビアのプロサッカーリーグに最近加入したビッグネームでもトップクラスである。(AFP)
チャンピオンのアル・イテハドと契約したフランス人フォワードのカリム・ベンゼマは、サウジアラビアのプロサッカーリーグに最近加入したビッグネームでもトップクラスである。(AFP)
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19 Jun 2023 11:06:55 GMT9
19 Jun 2023 11:06:55 GMT9
  • 世界で最も有名な選手の複数がヨーロッパからの移籍を目指す一方で、王国のクラブは東側の優秀な選手を無視すべきではない

ポール・ウィリアムズ

サウジアラビアのサッカーは変わり、それとともにアジアのサッカーの様相も変わりつつある。

半年前には国内の変化のペースを予想できた人はほとんどいなかったが、クリスティアーノ・ロナウドの加入により、国内サッカーを再構築する計画が加速した。そして、ここ数週間で計画は大幅に加速した。

リオネル・メッシとの大型契約を逃したのは痛手だったが、カリム・ベンゼマの加入間近など、このオフシーズンには多くのビッグネームが見出しをにぎわせている。

サウジアラビアは、2027年に初めてAFCアジアカップの開催国となり、2026年の女子アジアカップの開催国にも立候補している。また、サウジアラビアサッカー連盟のヤセル・アルミセハル会長がAFCとFIFAの両方の執行委員に選出された。これらのことから、アジアサッカー界で主導的な役割を果たしたいというサウジアラビアの思いは誰の目にも明らかだ。

今後10年以内にサウジ・プロリーグを世界トップ10のリーグにするという野望が掲げられており、それを達成することは同リーグがアジアで最高とみなされることを意味する。

それが野望であり、サウジアラビアがアジア大陸のリーダーとしての役割を真剣に受け止め、アジアサッカー全体が発展することを望むのであれば、その確実な実現のためにできることが一つある。地域で最も優秀な選手が集まる場所になることだ。

残念なことに、AFCチャンピオンズリーグ自体を含む大陸全体のリーグが、AFC選手に対する以前の「プラス1」枠を廃止しつつあるなか、サウジアラビアが、外国人選手に費やしている資金の一部をアジア最高レベルの選手に対するオファーの提供に回すようにすれば、模範を示すことができるだろう。

エンゴロ・カンテ、セルヒオ・ラモス、ネイマールといった超有名選手の名前を犠牲にする必要はない。各クラブには8人の外国人枠があり、リーグ全体に十分な余地がある。

そして、非常に多くの超有名選手が入ってくると、ヨーロッパでしか夢見ることができなかったスターたちとのプレーのために、大陸中の選手が自然とサウジに惹かれることになるだろう。

すでにSPLには、アジアサッカー界最高レベルの選手が複数在籍している。

シリア人のオマル・アッソーマとオマル・フリービーンは、それぞれアル・アハリとアル・ヒラルでリーグを席巻し、後者は2017年にアジア年間最優秀選手に選ばれ、アッソーマは3年連続でゴールデンブーツを獲得し、大陸で最も恐れられる選手の1人となった。

このオフシーズンには、すでに複数のアジアのビッグネームが、サウジアラビアとのつながりを取りざたされている。

伝えられるところによると、韓国のソン・フンミンとイランのメフディ・タレミは、サウジが獲得したい選手リストの上位に挙げられているが、その経歴を考えればもっともである。

しかし、各クラブにもう少しの想像力と冒険心があれば、巨大な市場を開拓して、リーグのリーチを拡大することもできる。

インドネシアのマルセリーノ・フェルディナンは若干18歳であるが、同国で最も有望な若手とみなされている。早熟な選手である彼は、わずか17歳でデビューを果たし、現在はインドネシアA代表のレギュラーであり、来年カタールで開催されるAFCアジアカップでは、同国代表の主力を務めることになるだろう。

サッカーが盛んなインドネシアでは、国際的な大スターを育てたいと願うファンが、彼の一挙手一投足を追跡・記録している。彼のInstagramのフォロワー数はすでに170万人で、アル・シャバブとアル・アハリを合わせた数を超えている。

マルセリーノの才能を開花させるプラットフォームを提供し、サッカーに熱狂するインドネシア市場にSPLを開放することは、双方に利益をもたらすだろう。

一方でベテランに目を向けると、吉田麻也のような選手が豊富な経験とリーダーシップをもたらしてくれるだろう。

まだ34歳の前日本代表キャプテンは、先月ドイツのシャルケを退団後、新たなクラブを探している。

吉田麻也は、日本で最もキャップ数の多い選手の一人であり、昨年のカタールワールドカップをはじめ3度のワールドカップに出場し、日本代表として100試合以上プレーしており、エールディヴィジ、プレミアリーグ、セリエA、ブンデスリーガなど、ヨーロッパでの豊富なプレー経験がある。

アル・ナスルは経験豊富なディフェンダーを必要としており、日本遠征を数週間後に控えていることから、この元サウサンプトン主将の獲得に動くのも悪くないだろう。

また、サウジアラビア国内に300万人近くいると推定されるインド人の多さを考えると、この南アジアの国に注目して、その巨大な市場を開拓するのは理にかなっているだろう。

ディフェンダーのサンデシュ・ジンガンのような選手はその条件にぴったりだ。質の高いディフェンダーであり、ヨーロッパでの活動は怪我で短くなったが、29歳の彼は野心的で、より高いレベルでプレーし、世界最高の攻撃的選手を相手に自分を試すチャンスを歓迎するだろう。

先月報じられたように、アラブ首長国連邦期待の星ヤヒア・アル・ガッサニは、チャンピオンのアル・イテハドを含むサウジの多くのクラブが関心を寄せている。

どのような選手であれ、出身地がどこであれ、サウジアラビアがアジアサッカー界のリーダーになることを真剣に考えているのであれば、アジア大陸最高の選手の育成およびそれら選手への機会の提供に手を広げるべきである。

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