
ニューヨーク:国連がリビアの対戦車誘導ミサイル4基の写真を分析したところ、1基は「イラン製のデフラビー・ミサイルと一致する特徴を備えていた」と、アントニオ・グテーレス国連事務総長は安全保障理事会に報告した。
しかし、月曜遅くに安保理に提出された年2回の報告書の中で同氏は、国連事務局はイランに対する安保理の制裁に違反して「この対戦車誘導ミサイルがリビアに譲渡されたかどうかは確認できなかった」と述べている。
15の理事国からなる安保理は2007年にイランによる武器輸出を禁止した。テヘランと世界の主要国との間で結ばれた2015年の核合意は、安保理決議に明記されているが、今年10月に武器輸出規制は解除されている。
イスラエルはイランが制裁に違反していると非難し、リビアの対戦車誘導ミサイルの写真を5月にグテーレス氏に提出した。そのわずか数週間後、イランはグテーレス氏に書簡を送り、イスラエルの主張を 「全く根拠がない 」として 「断固拒否 」した。
イスラエルによると、写真は2019年11月に表面化したもので、この兵器は、国際的に認められた国民合意政府(GNA)と戦っているハリファ・ハフタル氏のリビア国民軍(LNA)と連携した民兵により使用されていたという。
「提供された写真の事務局による分析に基づき、事務局は、4基の対戦車誘導ミサイルのうち1基はイラン製のデフラビーと一致する特徴を持っていることを確認したが、この対戦車誘導ミサイルの製造年月日は識別できない」とグテーレス氏の報告書は伝えている。
「事務局は、この対戦車誘導ミサイルが決議2231(2015年)に違反してリビアに譲渡されたかどうかを確認することはできない 」と報告書は述べている。
グテーレス氏は年2回、2015年の決議の実施状況を安全保障理事会に報告している。
リビアも2011年から国連の武器禁輸措置の対象となっている。国連の独立した専門家が、別途これらの措置の実施について安全保障理事会に報告を行っている。
グテーレス氏はまた、安保理に対し、写真の分析に基づき、オマーン湾沖の国際海域で2019年6月にオーストラリア軍によって押収された47万6000発の7.62mm弾薬は、イランによって製造されたものではないように思われると伝えた。
ロイター