ラマッラー:パレスチナ地区を支援する数億ユーロの資金が差し止められていたが、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は14日、問題の解決によって支払いが可能となったことを明かした。
欧州委員会で近隣・拡大を担当するオリベル・バルヘリィ委員が、パレスチナの教科書の内容変更を含む教育改革を支払いの条件にしたために論争が巻き起こり、支払いが停止していた。
「2021年分のEU資金が早急に支払われることを嬉しく思います」。フォン・デア・ライエン委員長はヨルダン川西岸地区のラマッラーを訪れた際にそう述べた。「障害はすべて克服されました。支払いは間違いなく実施されます」
年間3億ユーロほどを援助している欧州委員会は、他の欧州諸国や機関(同程度を拠出)と合わせて、パレスチナ地区の最大の支援者だ。パレスチナの財政難は深刻化していた。
「私たちへの支援を再開していただきありがとうございます。今日は喜ばしい日です」と、パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は委員長に述べた。
委員長はそれに先立ち、イスラエルのナフタリ・ベネット首相とエルサレムで面会。エネルギー供給での協力強化の見通しを歓迎するとともに、ウクライナでの戦争がもたらす食糧危機に警鐘を鳴らした。
また、ウクライナからの穀物輸入に大きく依存しているパレスチナへの緊急支援として、EUが2500万ユーロを調達したと述べた。
ロイター