
ラバト:イスラエルの特命使節は12月22日、モロッコに到着し、国王と面会し、アメリカのドナルド・トランプ大統領による最後の外交政策の一環として、大統領官邸がつくった関係を具体的に更新させた。
メイア・ベン・シャバット国家安全保障顧問率いるイスラエル代表団には、トランプ大統領の義理の息子で、イスラエルと汎アラブの親交関係確立の立案者、ジャレッド・クシュナー氏が同伴していた。
特命使節はエル・アル航空を利用しており、その旅客機はテルアビブからラバトまでの初の直行便となった。両国はこうした関係正常化で、航空機による観光客の急増を期待しており、こうした観光客の中心は、数十万人のモロッコ系イスラエル人の子孫たちだ。
This afternoon, Moroccan officials welcomed Jared Kushner and Israeli National Security Advisor Meir Ben-Shabbat at Rabat’s airport. #AbrahamAccords https://t.co/PCjX2mcm7I
— U.S. Embassy Morocco (@USEmbMorocco) December 22, 2020
モロッコはアラブ首長国連邦、バーレーン、スーダンに続いて、イスラエルとの関係正常化に動いた。パレスチナはアメリカが仲介したこうした合意を厳しく非難し、イスラエルがパレスチナの国家独立要求をまず飲むべきだ、とするパレスチナの長年にわたる要求の裏切り行為だと考えている。
トランプ政権はイスラエル最大の敵、イランを孤立させようとしてきたので、こうした合意は、ビジネスチャンスや経済支援で、イスラエルに有利な条件が与えていた。
イスラエルの新たなパートナーとなった国々もまた、アメリカ政府からの両国の取り決めによる恩恵を享受している。モロッコの場合は、アメリカが西サハラでモロッコの主権を認めた。
国王のムハンマド6世、ベン・シャバット国家安全保障顧門、クシュナー氏の会談の後、アメリカが仲介した合意は、「地域の平和と安定に資する大きな発展です」と、ラバト王宮は声明で述べた。
同宮殿はまた、イスラエル・パレスチナ紛争の二国家解決を支持する同国の立場も繰り返し、モロッコのユダヤ系コミュニティーとの「親密な関係」も強調した。
モロッコとイスラエルの政府関係者はまた、航空や金融システムの連携、外交パスポート所有者のビザの免除、海上管理に関する合意にも署名した。
「航空、イノベーション、医療、農業においてなど…協力に制限は一切ありません。友好・提携国として、私たちはこの地域に変化をもたらすでしょう」と、ベン・シャバット顧門はアラビア語モロッコ方言で述べた。イスラエルの首相官邸によると、同顧問はムハンマド国王をイスラエルに招待したという。
ある関連した合意が署名され、その合意の下で、アメリカの国際開発金融公社がモロッコと、モロッコの事業と提携するサハラ以南のアフリカへの民間投資を支援するために、30億ドルを提供する。
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— Moroccan Diplomacy 🇲🇦 (@Marocdiplo_EN) December 22, 2020
The high-level US-Israeli delegation visited the Mohammed V Mausoleum where they paid tribute to the Late Sovereigns, H.M. Mohammed V and H.M. Hassan II, may God bless their souls. pic.twitter.com/zTneH8Vsv5
モロッコの政府関係者たちは、イスラエルと自国の合意を、1967年の中東戦争で、イスラエルに占領された領土で、国家の独立を求めているパレスチナ人との連帯のために、モロッコ政府が2000年に冷え込ませてしまったイスラエルとのまずまずの関係を修復したのだと説明している。
イスラエルとモロッコは現在、2週間以内に双方の連絡事務所を開設し、旅客機の直行便を就航させる予定だ、とモロッコのナッセール・ブリタ外務大臣は報道陣に語った。
イスラエルとの関係の再開は、モロッコの主要政党で歓迎されたが、極左とイスラム急進派に拒絶された。
イスラエルは最終的に、関係が大使館を設置するレベルに引き上げられることを望んでいる。しかし、トランプ大統領が来月退任する前に、両国が完全な外交関係を構築できるかどうか尋ねられて、イスラエルのエリ・コーヘン諜報大臣は、Ynet TVで次のように語った。「私の理解によれば、その可能性は高くなさそうです」