
ラワン・ラドワン
ジェッダ:UAEの外務大臣、アンワル・ガルガシュ博士は、GCCにとって、イランが「安全保障上の脅威であることは、全ての加盟国が満場一致で同意して」いる、とアラブニュースに語った。
1月7日のヴァーチャル形式の記者会見で、同大臣はアル・ウラーで開催された第41回のGCCサミットで演説した。このサミットでは、カタールとの関係を修復する合意が署名されたので、湾岸諸国間の一致団結、結束、安全保障の重要性が自ずと強調されることとなった。
カタール政府の最近のイラン政府との関係を考慮すれば、主要な安全保障問題を扱う方法において、いくつかの意見の相違は残っている、と同大臣は述べた。
2017年以降、カタールはイラン、トルコとの関係を温めてきており、4カ国はこれを地域の安全が蝕まれると考えていた。他にもあるがとりわけ、イスラム過激派集団を支援したり、過激派を匿ったり、内政に干渉したりしたことをめぐって、この4カ国はカタールがこの地域の緊張感を高め、脅威となっていると以前から考えていた。これに加えて、イラン、トルコとのカタールの関係により、この4カ国の見解は確かなものとなった。
イランとトルコの両方に関するUAEの見解は同じものであると述べ、これは湾岸諸国だけの問題であるばかりか、アラブ諸国の問題でもある、と同大臣は力説した。トルコは中東地域の中で最大の貿易相手国の1つなのだから、アラブ諸国の主権と利益を尊重すべき国だ、と同大臣は述べた。
「地理的戦略を考慮するには、ある程度時間が掛かることを私たちは理解しています。そして、私たちはこうした地理的戦略問題に協力して取り組む必要があります。そして、私はそこにカタールの戦略的な見通しがきっとあると思います」
「GCCがもっと緊密に連携すれば連携するだけ、地理的戦略問題に関するGCCの意見はよりまとまるようになります」と、同大臣は述べ、自分たちの目標は、このような地理的戦略問題のギャップを縮めようと努力することだと付け加えた。
ガルガシュ外務大臣はまた、アル・ウラー宣言署名後1週間以内に、カタールとの貿易、輸送が元通りとなり、国交正常化が再開されることも発表した。
「この宣言は、GCCと湾岸諸国にある困難で痛みを伴う危機を乗り越えるための重要な一歩です」と、同大臣は述べ、次のように付け加えた。「私はこれがもうすぐ終わることを嬉しく思っていますが、この危機を乗り越えられるかどうかもやはり、私たちが今後前へ進むとき、私たちが透明性と建設的なアプローチで対処するかどうかによって決まるのです」
「信頼醸成措置はしばらく時間が掛かる」ので、貿易、輸送、投資、金融取引の再開は、その他のいくつかの課題と比べたら実現し易いだろう、と同大臣は述べた。
同大臣は次のように付け加えた。「私たちは解決し易い問題があることも判っています。もっと長く時間が掛かるものもあるでしょう」
和解の合意に達するために、空域を解放する問題が数カ月前に持ち上がったが、解決が迫られている問題に対処し、アメリカの支援とUAEの支持を得て、解決策を見出す取り組みは、サウジアラビアによって行われた、と同大臣は述べた。
この4カ国「は全て参加で、私たちは一緒に抜け出さなければなりません」と、同大臣は述べた。
同大臣はクウェートとアメリカが行った取り組みを力説し、これは「家族内」の問題なので、不和は自然に収まらなければならないし、双方が両国間の信頼再構築に取り組むだろうと述べた。
ガルガシュ外務大臣は、GCCが今後内部を改革し、安全保障、経済、科学、さらに多くの問題を改善するだろうと述べ、「地域がもっと安定して結び付けば、それが私たちの利益になります」と付け加えた。
国営のアルジャジーラのアラビア語ニュースチャンネルを扱って、課題は次の期間中のカタール政府の中立性の認識であり、カタールが直面しなければならない内部の問題だが、「国と国との両国間の合意次第でしょう」と、同大臣は述べた。
イスラエル問題に関しては、同大臣はアブラハム合意をUAEが支持し、署名したことが、この地域の感情を変えることを望んでおり、「私たちはこの地域の現実を変えることを望んでいます」と述べたが、主権を有する両国がこの合意に対して自ら決定したことを強調した。
「これはGCCでの初めての危機ではありませんが、最も厳しい危機であり、たとえ小規模な危機だとしても、大規模な危機ならなおさら、今後戻らないことが私たちの利益となるのです」と、ガルガシュ外務大臣は述べた。
同大臣は「いかなる危機も信頼という問題を残しておくものです」と力説し、「私たちは再出発し、アル・ウラーでの出来事を心に留めておきたいと心から思っているので、2017年の危機により、加盟国は今後いかなる問題での素早く対処するようになるでしょう」と述べた。