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ガザの衛生環境悪化「悲劇につながる最悪の状況」国連

2023年11月20日、イスラエル軍の攻撃を受けたガザ地区南部のラファで、破壊された建物の瓦礫の中を歩くパレスチナ人。(AFP)
2023年11月20日、イスラエル軍の攻撃を受けたガザ地区南部のラファで、破壊された建物の瓦礫の中を歩くパレスチナ人。(AFP)
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22 Nov 2023 02:11:24 GMT9
22 Nov 2023 02:11:24 GMT9
  • 警察は、10月7日に潜入したハマス2人をイスラエル南部のベドウィンの町で拘束したと発表した

ジュネーブ、エルサレム、ベルリン:21日、国連は、ガザ地区の燃料不足と衛生環境の悪化は病気の蔓延につながり、さらなる悲劇が起こると警告した。

国連の児童機関のユニセフは、包囲されたパレスチナ領土は、疾病の大量発生が起こりかねない深刻な状況にあると述べた。

「燃料が足りなければ、衛生サービスは崩壊するでしょう。迫撃砲と爆弾に加え、病気が蔓延しかねません」

「悲劇につながる最悪の状況です」と、ユニセフの広報官のジェームス・エルダー氏はジュネーブで行われた記者会見で語った。

「絶望的に水が不足し、人口密集地には糞便が散乱し、仮設トイレも明らかに不十分で、手洗い、衛生や清浄の習慣はかなり制限されています」

エルダー氏は、カイロからテレビ会議システムを通じ、推定80万人の子どもたちが家を追われているガザ地区で、さらに多くの人命が失われる可能性が極端に高まっていると説明した。

「ガザ地区で子どもたちの水と衛生環境へのアクセスが制限され、不十分な状態が続けば、子どもの死亡者数が急増するでしょう。悲劇的ですが、完全に防ぎ得ることでもあります」と、エルダー氏は続けた。

「ガザでは雨が降り始めていることにも注意が必要です。以上の状況を総合すると、子どもたちは深刻な疾病の大量発生の脅威に直面しています。当然、それは命にかかわります」

イスラエル当局によると、ハマスの武装組織は10月7日にガザから国境を越えてイスラエルに突入し、多くの民間人を含む約1,200人を殺害、約240人を人質に取った。

ハマス運営の保健省によると、イスラエルは報復としてガザ地区で激しい爆撃と地上攻撃を開始し、13,300人以上のパレスチナ人を殺害した。そのうち数千人が子どもだという。

ハマスの攻撃の余波を受け、貧しく人口が密集しているガザ地区への水、電気、燃料、食料の供給が断たれた。

エルダー氏は、「この地獄のような光景のどこか」で人質に取られている約30人の子どもたちの解放を求め、彼らが味わっている恐怖と苦痛を「終わらせなければならない」と述べた。

ユニセフは、ガザ地区でコレラが大流行するリスクを特に懸念している。子どもの死亡者数が急増しかねないからだ。

一方、イスラエル警察は、10月7日の攻撃の最中にイスラエル南部に潜入し、イスラエル南部に隠れていたハマスの戦闘員1人を含むガザ出身者2人を発見し、逮捕したことを認めた。

この拘束については11月初旬にイスラエルのメディアが初めて報じ、国境警察の報道官がその情報を認めていた。

報道官によるとこの2人は、ベドウィンのアラブ人が大半を占めるイスラエル南部の町ラハットで、国境警察のおとり捜査部隊による捜査を受けて逮捕されたという。ラハットはガザ国境から約30キロに位置する。2人とも武装しておらず、空き家にいるところを発見された。

1人はハマスの戦闘員、1人はガザの住民で、2人とも捜査のため連行された。

イスラエル警察は別の声明で、「戦闘地帯から持ち去られた」防空ミサイルシステムなどの武器を発見したと発表した。

警察と爆発物の専門家は「ハマスの戦闘員が戦闘地域に残し、民間人が持ち去った武器や爆発物の特定」に努めているとの声明を出していた。この件に特化した諜報活動の結果、ガザ国境に隣接するエシュコル地域で「防空ミサイル発射装置、自動小銃、カートリッジ、弾薬など」の武器を発見したという。

ドイツがイスラエルを支持

ドイツの内務大臣は、国内のイスラム教徒団体に対し、10月7日の攻撃を明確に非難し、イスラエルとの連帯を表明するよう求めた。ドイツには約550万人のイスラム教徒が暮らし、2番目に大きな宗教集団を形成している。

ナンシー・フェーザー内務大臣は、ドイツの放送局ARDのインタビューで、「イスラム教徒団体が自らの立場を明確にし、社会における責任を果たすことを期待します」と話した。

そして、イスラム教徒団体は、ハマスによる攻撃を「はい、でも」ではなく「はっきりと非難」する必要があると述べた。 「それは絶対に明確にしなければなりません。私たちはイスラエル側に立っています」と付け加えた。

一部のイスラム教徒団体は確かに「責任を果たしています。そうでない団体もあります」と、内務大臣は指摘し、「私たちの価値観を守る」という声がもっと上がるべきだと語った。現在のところ、イスラム教徒団体から公式の反応は出ていない。

同時に、フェーザー内務大臣は、ドイツの政治家、イスラム教徒団体と、キリスト教徒およびユダヤ教徒のコミュニティの代表者が集まった会議で、反ユダヤ主義の主張を反イスラム感情の道具にしてはならないと述べた。「イスラム教徒が諸悪の根源であると主張する人々に、いかなる場所も与えてはなりません」

「目下、反ユダヤ主義との闘いを口実にイスラム教徒に対する負の感情を作り出している人々は、私たちを団結させるのではなく、分断させようとしているのです」

AFP

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