
サイード・アル・バタティ
ムカッラー、イエメン:イエメン南部の湾港都市、アデンの当局は、違法住宅、土地の強奪、不法占拠の厳重な取り締まりを開始した。
この5年の間に、路上、公共広場、公有地の上に違法建築された住宅、レストラン、ガレージ、店舗、その他の建築物を、ブルドーザーが破壊した。
この組織的活動に携わっている当局の職員たちは、アデン県のアハメド・ハミド・ラムリス知事が、このような慣行に終止符を打つように、自分たちに命令を下したのだと語った。
「私たちは知事の指示の下で活動しています。違法な住宅や建築物を撤去して、アデン県民や投資家の進む道から障害物を取り除いて、アデン県と県民に尽くすように、知事は私たちに指示を出しました」と、アデンのアル・マンスーラ地区のアーメド・アリ・アル・ダウッディ区長は、アラブニュースに語った。
ラムリス氏は7月、リヤド合意の下でアデン県の新知事に任命された。アデン着任後すぐの8月に、ラムリス知事はアデン8地区の区長を解任し、後継の区長たちに不法建築物の問題を最優先するように命じた。
軍用車両に乗った武装兵士たちが、新たな区長の護衛をし、区長たちは違法建築物の取り壊しを見守った。
「違法な住宅や建築物は、公共広場、主要な通り、住宅街の通りに建てられていて、主要道路を遮断し、この都市の洗練されたイメージを損なっています」と、アル・ダウッディ区長は語った。
多くの主要道路が再び開通したり、広くなったりして、交通渋滞を緩和し、住民たちからの嬉しそうな反応を得て、この組織的活動は早い段階で成功を収めていた。
フーシ派からアデンが解放された直後、違法住宅や土地の強奪が大幅に増加した、と当局者たちは述べた。
アラブ連合軍が支援するイエメンの陸軍と地元戦闘員たちは、同連合軍のイエメンでの軍事作戦が始まって4カ月後、2015年の7月に、イランが支援する武装勢力、フーシ派をアデンから追い出した。
その後に、名所や旧跡の近くで、セキュリティーの甘さを利用して、違法なビルやその他の建築物が現れた。
昨年の前半に、アデン大学は、同大学校舎の1つの外壁の内側に、小さな建築物を建てている人々がいるので、前知事に苦情の手紙を送った。
アデン当局と県庁は、土地の強奪、不法占拠、違法建築物に対処できないままだった。
イエメンのアリ・アーメド・アルアワシュ司法長官が議長を務め、アフメド・セーラム・ラビー前知事が参加した昨年3月のある会議は、この都市の違法住宅撲滅活動のために、資金と治安部隊を割り当てることを承認していた。
しかし、資金と建物解体業者を守るための治安部隊が手配できないために、このような活動を行うための条例が施行されることはなかった、とこの会議に出席していたある自治体関係者が語った。
「このような(土地の強奪に関わっている)人々の大半は、内戦後の悲惨な状況、仕事不足、給与の支払い差し止めによって、こんなことをしてしまった人々で、マンスーラ地区の人もいれば、他所から来た人もいます」と、アル・ダウッディ区長は語った。
治安機関が内輪もめしていて、資金が不足していたので、この問題を解決するための継続的な活動は失敗した、と他の自治体関係者たちが主張していた。
このプロジェクトを担当するアデンのガッサン・アル・ザムキ副知事は、この都市の新職務就任者たちと、結束している治安部隊のおかげで、最新の取締りがさらに成功を収めていることは、既に明らかになっていると語った。
「知事は国有地に建てられた不法建築物の数棟をじきじきに撤去され、関係公共機関を再活性化されました」と、アル・ザムキ副知事はアラブニュースに語り、土地略奪者たちを守ってきたアデンの治安関係者数人を非難した。「これまでは、治安当局首脳部の中には、軍用車両と武器を用意して、違法建築業者や公共スペースの略奪者を守る者もいました。アデンに行政が戻って来たことは、組織化された都市計画(システム)をつくり、許可のない住宅の建設を禁止するために、大きな後押しとなるでしょう」
アデン、イエメン