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サウジアラビアでは 47% の子供が、ネットいじめを目にした経験がある

子供がみんな率直であるわけではない。自分がいじめの標的にされていることを親に知られるのは恥ずかしいことだ、と多くの子供は感じる。(Shutterstock)
子供がみんな率直であるわけではない。自分がいじめの標的にされていることを親に知られるのは恥ずかしいことだ、と多くの子供は感じる。(Shutterstock)
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19 Mar 2021 06:03:43 GMT9
19 Mar 2021 06:03:43 GMT9
  • サウジの 51 パーセントの親が、ネットいじめに一番関心があると断言する

ディーマ・アル=フダイール (Deema Al-Khudair) 

 

ジッダ : 21 世紀、親には数々の難題が突き付けられている。その中でもとりわけ、ネットいじめのようなデジタル上の脅威がある。

青少年がストレスや憂鬱を覚える一因には、ネットいじめがある。多くの親は、子供と健全なコミュニケーションを維持し信頼を構築しようとして、また、居場所を与え、オンラインの世界、おびただしい数のソーシャルメディア プラットフォームの恩恵や危険について子供に確実に理解してもらおうとして、目に見えない危険と戦うこととなっている。

サイバーセキュリティ会社カスペルスキーの『デジタル子育ての責任』という調査によれば、サウジの 51 パーセントの親は、ネットいじめに一番関心がある、と断言する。インターネット現象によって、子供の学校の成績が悪影響を受け (40 パーセント )、社会的孤立に繋がり (36 パーセント )、ストレスが続く原因となり (33 パーセント )、そして自尊心が低下し (31 パーセント )、憂鬱で (28 パーセント ) 食欲不振 (22 パーセント ) にすら陥ったことを見れば、これはまったく驚くことではない。

サウジアラビアでは 47 パーセントの子供が、少なくとも何らかの形でネットいじめを目にした経験があり、それがいじめであろうとなかろうと、友人がいじめを受ける、あるいは自虐するのを目にした、と報告書では述べられた。

危険は目に見えないことがしばしばあり、子供はオンラインで起こっていることを必ずしも話してくれるわけではないため、デジタル社会は、親にとって独特な問題を生むのです、とカスペルスキー・ネットワークのチャイルド・セーフティ担当部長アンドレイ・シデンコ (Andrey Sidenko) は話した。

アラブニュースは、オンラインの世界の危険について有効かつ健全な方法で話し合うにはどのようにするべきかについて、数人のサウジアラビア人の親と子供から話を聞いた。

28 歳の機械技師、ナワフ・アル=ブヒ (Nawaf Al-Buhi) には、8 歳の妹がいる。彼は、彼女位の年齢の子供はインターネットを使うのはふさわしくない、と話した。

「私は、妹が年齢に見合ったゲームで遊ぶことは許していますし、彼女が 7 歳のいとこと FaceTime でお互いに通話することも許しています。でもその他の人からの通話は許していません。他の方が、どんな風に子供を育てているのか分からないからです。私は、彼女に悪い言葉遣いなどを覚えて欲しくないのです」、と彼はアラブニュースに話した。

彼は、親や年長の兄弟は家族の中で子供たちに目配りをして、チャット機能のあるオンラインゲームに加わることを許さないように助言した。

「タブレットにも良いゲームはあります。でも子供には私の目の前で遊ぶようにさせています。知らない人たちと遊ぶことは許していません」、と彼は加えた。

情報科学准教授マジッダ・グハレエブ (Majda Ghareeb) 博士は、アプリやオンラインゲームに、興味をそそられる広告があちこちに現れることに対する懸念を見聞きしてきた。そして彼女自身、子供が電話やタブレットを使うことに関し、実際に体験したことがある、と話した。

「子供たちには、インターネットの良い面悪い面について、すでに話はしています」、と彼女はアラブニュースに話した。「12 歳の息子が TikTok を始めた時にはちょっと心配でしたが、ありがたいことに、彼は私にイスラム教のビデオを送ってくれ、料理のビデオを見ていただけでした。」

グハレエブは、子供との関係は親密だと言い、子供が彼女に心を開いて本当のことを話してくれる安全な居場所を作ってある、と話した。

「子供たちは、いつでも私に話しに来ることができることを知っています。普通、オンラインゲームで遊んでいる時には、私は子供たちの側にいます。万事問題ないことを確認するためにです。」

親は、子供がオンラインで過ごす時間に制限をかけ、「親が加害者にならないために、健全な方法で」隠し立てなく話し合う必要がある、と彼女は加えた。

彼女の 12 歳の子供、アブドゥルマジード・アル=マグフラビ (Abdulmajeed Al-Maghrabi) は、本能的に間違っていると感じる状況を避けることを学んできた。「私がフォートナイトで遊んでいる時に誰かが悪いことを話してきたら、私はすぐにそのゲームからは離れて、新しいゲームを始めます。オンラインゲームで遊んでいる時には、良くないと感じることには何でも注意するよう、母はいつも話しています」、と彼女は話した。

3 人の子供を持つ 43 歳の母親、マシャイル・アル=ムタイリ (Mashail Al-Mutairi) は、16 歳と 13 歳になる上の娘二人は、インターネットについてよりはっきりと理解しているけれども、8 歳の娘は身を守るために、危険について十分理解しようと頑張っているところだ、とアラブニュースに話した。

「ロックダウンの最中、夫と私は自宅で働いており、みんな慌ただしい毎日を過ごしていました。娘たちは皆、あまりやることがなかったこともあって、タブレットで遊ぶことが多かったのです。その後のことに対する責任が私にあったことは認めます。でも、まさか末娘のシャハド (Shahad) がひきこもりになって、過剰なほどに神経質になるとは夢にも思っていませんでした」、とアル=ムタイリは話した。

「私には、末娘が一人になろうとする兆候がすぐ目につき始めました。彼女はいつでも一人になりたがったのです。姉たちがプールで、スクーターで一緒に遊ぼうと誘った時にですらです。私は、彼女が潤んだ眼差しで自分の iPad を私のところに持って来るのを目にしました。そして、彼女は隠そうとするのです。自分の手を自傷したことを。そして別の言い訳をしようとしたのです。私は、何かが起こっていることを直感しました」、と彼女はアラブニュースに話した。

子供がみんな率直であるわけではない。自分がいじめの標的にされていることを親に知られるのは恥ずかしいことだ、と多くの子供は感じる。一番下の子供が TikTok を始め、いとこと一緒に遊ぶと言った時、アル=ムタイリは耳を疑った。彼女は子供たち全員のタブレットにペアレンタルコントロールをかけていたのだが、一番下の子供はそれを拒否して、TikTok は子供用のアプリじゃない、と言ったのだ。しかし、彼女の娘は「わっと泣き出した。友達が皆、彼女がアプリを使っていないため、彼女を赤ちゃん呼ばわりしてからかうのだ、と口にしたのだ。」

「友達が娘に違うことを話した時に、どうやって子供を守り、子供が正しいことをしているということを信じさせることができるのでしょう」、とアル=ムタイリは嘆いた。

アル=ムタイリは夫と二人で娘の窮状に心を痛め、3 人の娘たちと長い間座って話し合いをして、こうしたアプリの危険性について説明した。

「これは未だに難題です。簡単になることもないでしょう。でも、今の私は、去年の私よりも多くの体験をしています。私がいる時であれば、娘のことをいつでも守ってあげることができるでしょう。問題は、私がその場にいない時です」、と彼女は加えた。

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