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イスラエルのアラブリスト連合、選挙を前に分裂

アラブリスト連合各党の、(左から)オサマ・サーディ、アイマン・オデフ、アフマド・ティビ、マンソール・アッバス。(2019年9月22日エルサレム、AFP)
アラブリスト連合各党の、(左から)オサマ・サーディ、アイマン・オデフ、アフマド・ティビ、マンソール・アッバス。(2019年9月22日エルサレム、AFP)
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06 Feb 2021 11:02:23 GMT9
06 Feb 2021 11:02:23 GMT9
  • バラド・クネセトのムタネス・シェハデーは、現時点では、根本的な政治的相違のため、アラブリスト連合に居続けることはできないと述べた
  • 同党を率いるマンソール・アッバスが過去数か月、ネタニヤフとの協調の可能性を探る動きを見せていたことから、連合離脱の意志は明らかになっていた。首相はアラブの町、ウム・アル=ファフミ、タイア、ナザレを抜き打ち訪問している。

ダウド・クッタブ

アンマン:イスラエルの4つの政党で構成されたアラブリスト連合が分裂、マンソール・アッバスが率いるイスラム運動は連合を去ることとなった。

「残念ながら、思った通りにはなりませんでした。アラブリスト連合が現在の政党構成を維持することはありません」とバラド・クネセトのメンバーであるムタネス・シェハデーは述べ、「現時点では、根本的な政治的相違のため、アラブリスト連合に居続けることはできません」と付け加えた。

これでアラブリスト連合は、次の3党となった:アイマン・オデフ率いるハダシュ=平和・平等民主戦線、サミ・アブ・シェハデー率いる左翼政党、バラド(タジャム)=汎アラブ主義党、およびアフマド・ティビ率いるタール党=アラブ復興運動。

アラブリスト連合の終焉は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相にとって選挙の結果がどう転んでもメリットがあると言われている。 「マンソール・アッバスの率いる党が3.25パーセント(投票数)の最小得票率を超えなかった場合、数万のアラブ票を無駄にできます。アッバスが勝った場合、彼はネタニヤフを支持して政権に参加するでしょう」とナザレを拠点とする弁護士兼政治アナリスト、ボトラス・マンソールはアラブニュースに語った

アッバスが過去数か月、ネタニヤフとの協調の可能性を探る動きを見せていたことから、連合離脱の意志は明らかになっていた。首相はアラブの町、ウム・アル=ファフミ、タイア、ナザレを抜き打ち訪問し、アラブ社会における犯罪との戦いを支援することを約束した。アラブ人同士の暴力は、過去数週間だけで数十人の命を奪っている。アッバスの党はイスラム教に基礎を置く政党でもあり、イスラム派によって道徳的に拒否された問題であるLGBTQ法案を支持しようとするアラブリスト連合の一部のメンバーによる提案に反対している。

ハイファに本拠を置く国際協議センターのワディー・アブナーセル所長は、中道と左派の多くの政党にとって、選挙において高いハードルである最小得票率を超えることが試金石になるだろう、とアラブニュースに語った。

「唯一確かなことは、ネタニヤフのリクードと彼の支持者が団結している一方で、中道そして中道左派のグループは、最小得票率を超える可能性が低い多数の政党に分かれてしまっているということです。国会に議席を得るには、およそ12万票を獲得しなければならないというのに」とアブナーセル所長は指摘する。

所長はまた、親ネタニヤフ陣営は質的にも単一だが、「反ネタニヤフ」の人々は分裂していて質的にも多様だ、と付け加えた。

世論調査によると、ネタニヤフ首相に反対するさまざまな連立政党は、選挙でネタニヤフとその協力者たちと同数か、1議席以上上回る可能性が高いが、反ネタニヤフグループが団結し続け、首相を誰にするかについて合意できるかは不透明な状況だ。

ロシア系ユダヤ人の政党「イスラエル我が家」のアヴィグドール・リーベルマンは、最も多くの票を獲得した党のリーダーが連立に参加する他の党からも首相に指名されるべきだと提案したが、受け入れられていない。

アルクドス・デイリーのイブラヒム・ダエベス主任コラムニストは、彼らはイスラエルのアラブ人たちから団結と連合を見習うのではなく、分裂と不一致の教訓を得ているようだとツイートしている。

さらに状況を複雑にする要素として、2月8日に開始される予定のネタニヤフの汚職裁判は、しばらくの間続くことになるだろうと法曹関係の観測筋は見ている。法廷に立つネタニヤフのイメージは、選挙にプラスになるとは思われない。

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