
アラブニュース
アンカラ:トルコの最大野党である共和人民党(CHP)のエニス・ベルベルオール副党首は木曜日、イスタンブールの裁判所がベルベルオール氏に対する刑事告訴を中止処分としたことにより、正式に国会議員としての地位を取り戻した。
ベルベルオール氏に対しては、シリア関連の国家機密情報を開示した罪で有罪判決が言い渡されていた。
イスタンブール第14高等刑事裁判所は月曜日、ベルベルオール氏に対する起訴を取り消しとする決定を下した。この決定は、1月21日にトルコ憲法裁判所の担当判事が全会一致で決定した判決を受けたものである。憲法裁判所の判決では、ベルベルオール氏は2018年6月選挙の際に国会議員として再選されていたことから、氏に対する法的手続きは一時停止されていたはずであり、選挙に立候補し、政治活動に従事するというベルベルオール氏の権利が下級裁判所によって侵害されていたとされた。
元ジャーナリストのベルベルオール氏は、武器を積んでシリアに向かっていると疑われるトルコ国家情報機構のトラックに関する機密情報を漏洩した罪で、2017年に下級裁判所から懲役5年10か月の判決を受けていた。
罪状は、スパイ活動および反体制派ジャーナリストにトラックの映像を提供したというものであった。
ベルベルオール氏は2018年6月に国会議員として再選されたものの、同年9月に破毀院が氏の再選を理由に刑の執行延期の判決を下すまで、氏が釈放されることはなかった。
2020年6月、トルコ大国民議会はベルベロール氏の2015~2018年任期における議員免責特権を剥奪し、ベルベロール氏はその後軟禁状態に置かれ、当初下された懲役の残りの刑期を軟禁状態で服していた。
だが、人権活動家や弁護士らは、ベルベロール氏は2018年に再選されていることから、氏の議員免責特権は有効であるという主張を一貫して繰り返してきた。その主張が今回初めてトルコ最高裁判所によって認められたことになる。
「エニス・ベルベルオールに対する憲法裁判所の判決、およびこれに引き続く氏の議員復帰は、前向きな第一歩だと言えます。ですが、これらの事例を例外のままにしておいてはいけません。原則とすべきです」と、フリーダムハウスのヨーロッパ・ユーラシア担当シニアプログラムオフィサーであるジーナ・S・レンティン氏がアラブニュースに語った。
フリーダムハウスは、国民民主主義党(HDP)の元議員であるレイラ・グヴェン氏やセラハティン・デミルタス氏など、野党議員として職務を果たしたがために投獄された他の政治家にも、今回の例が前例として同様に適用されるべきだと強調している。