
アンマン:シリア軍は月曜日、同国の防空部隊が首都ダマスカス上空で「イスラエルによる攻撃」を迎撃したと発表した。ここ2か月、シリア国内でイランを標的とした爆撃が増加していた。
イスラエルの北部国境に沿って空軍の戦闘訓練を予告せずに開始したばかりのイスラエル軍は、「海外の報道についてはコメントしない」と述べた。イスラエル軍の報道官が発表した。
シリアの国営メディアは、何がイスラエル空軍の攻撃を受けたのか詳しい情報を伝えていない。シリア軍は声明で、イスラエル軍の飛行機はゴラン高原の上空を飛んで首都の端に位置する標的を攻撃したと発表した。声明で損害に言及はなく、防空部隊がミサイルのほとんどを撃墜したと付け加えた。
「我々の防空部隊は、イスラエルによる首都上空でのミサイル攻撃を撃退し続けている」とシリア軍は声明で述べた。
シリア軍を離脱したある人物によると、空爆は首都からほぼ14キロ南に位置するキスワの町の主要な陸軍部隊に命中したという。キスワはイランの支援を受ける民兵組織が大きな影響力を持つ一帯にある。
目撃者はダマスカスの南端で大きな爆発音を聞いたという。住民によると、このエリアにはイランの支援を受ける民兵組織が駐留しているという。
イスラエル政府関係者は、シリアでのイラン政府による固定化した軍事的プレゼンスを終わらせることを目的としてシリア国内で攻撃を行ったことを認めている。
イスラエル軍のアビブ・コチャビ参謀総長は昨年末、イスラエルのミサイル攻撃は、2020年には500以上の標的を攻撃し、「イランによるシリアでの駐留を減速させた」と述べた。
イスラエル軍は月曜日、予告なく行われている軍事訓練の間、国中で航空交通量が増加してイスラエル北部で爆発音が聞こえるだろうと発表した。この軍事訓練は水曜日まで続く。
イスラエル軍は、「演習は北部戦線での戦闘シナリオをシミュレートし、制空権の維持、領空の保護、攻撃と情報収集を含む(空軍の)中核的任務のすべての構成要素をテストする」と述べた。
西側諸国の情報筋によると、イランの軍事的影響力は近年シリアで拡大しており、大敵であるイランがイスラエル国境に沿って主要な軍事拠点を確立することを防ぐために、イスラエルが活動をエスカレートさせる原因となっている。
レバノンのヒズボラが率いるイランの代理民兵組織は、現在、シリアの東部・南部・北西部の広大な地域とダマスカス周辺のいくつかの郊外地域を支配している。また、レバノン・シリア国境地帯もイランの代理民兵組織が支配している。
ここ2か月間でシリア内部での過去最大となる攻撃を何度か行ったイスラエルは、バグダッドとダマスカスをつなぐ主要な高速道路の国境検問所を管理するシリアの都市、アルブカマルに集中している。
軍事作戦の拡大は、いわゆる「戦争の中の作戦」の一環であり、イスラエルの将官や地域の情報筋によれば、米国によって暗黙のうちに承認されているという。
地域の情報筋によると、イラン政府がシリアでのパワーバランスを自分たちに有利に変えることを防ぐ目的の作戦は、敵対行為の大幅な増加を引き起こすことなくイランの広範な軍事力を徐々に失わせてきたという。
ロイター通信