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サウジアラビアの国連代表「フーシ派による暴力の急増は絶望の表れ」

サウジアラビアのアブダラ・アル=ムアリミ国連常駐代表(写真:Twitter)
サウジアラビアのアブダラ・アル=ムアリミ国連常駐代表(写真:Twitter)
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19 Feb 2021 06:02:43 GMT9
19 Feb 2021 06:02:43 GMT9
  • イエメンの民兵組織は自らに対する世界のムードが悪化していることを感じていると、サウジアラビアのアブダラ・アル=ムアリミ国連代表は考えている
  • アル=ムアリミ氏は他の国々に対し、イエメンの人々の苦境に対する懸念を「適切な助力、寄付、物理的な支援」で裏付けるよう呼びかけている

Ephrem Kossaify 

ニューヨーク:イエメンの危機について議論するための2時間に及ぶ白熱した安保理会合の後、サウジアラビアのアル=ムアリミ国連常駐代表は同国における最近のフーシ派による攻撃の激化を振り返るために一瞬沈黙した。

木曜日のアラブニュースとの独占インタビューの中で、アル=ムアリミ氏は、フーシ派による暴力の急増は、国際社会のフーシ派に対するムードの悪化への不安を受けた「フーシ派の絶望状態」と、「途方もない挫折」に見舞われてきた戦場での失敗を表していると述べた。

石油が豊富なマリブにあるイエメン政府の最後の拠点に対する攻撃など、イエメン国内の多くの地域でフーシ派による敵対行為が増加している。百万人以上の民間人がマリブに避難しており、新たな人道的大惨事が発生する恐れがある。一方、サウジアラビア国内の民間人に対するフーシ派による攻撃も続いている。

フーシ派による暴力の増加は、イエメン情勢の解決策を見つけることに熱心なバイデン政権が発足してから1か月も経たないうちに始まった。

アル=ムアリミ氏は、その結果、フーシ派は政治的・軍事的な突破口が視野に入った可能性を感じており、マーチン・グリフィス国連イエメン特使による和平の取り組みを妨げるという結果をもたらすばかりの攻撃を開始し、人の命を救う人道支援の流れを妨げることで、「和平プロセスをさらに妨害する」ことに「必死に」頼っていることを示唆した。

「最後の数か月間の(トランプ)政権は、他の活動や懸念事項に非常に気を取られていた。(バイデン)政権は解決策を見つけようと決意している。解決策を見つけるためにはフーシ派による攻撃を撃退し、フーシ派の要求と野心を拒絶する方法で対処する必要があるということがすぐに明らかになるだろう」とアル=ムアリミ氏は述べた。

米国のリチャード・ミルズ国連大使代理は木曜日、安全保障理事会に対し、バイデン政権は「2月10日にサウジアラビアのアブハー空港で民間旅客機を襲ったフーシ派による攻撃などの攻撃から身を守るためにパートナーを支援することを決意している。アンサール・アッラー(フーシの正式名称)の特定のメンバーに対する既存の国連および米国の制裁措置を継続し、追加措置が必要かどうかを評価するために同グループの活動を綿密に監視していく」と述べた。

アル=ムアリミ氏は、サウジアラビア当局は国際社会と協力して、「戦場でも政治的な面でも」他に実行できる措置を見定める準備ができていると述べた。

「我々はあらゆる可能性のある選択肢を追求し、我々、米国人、そして国際社会に開かれている可能性がある他のあらゆる手段を検討する準備ができている」とアル=ムアリミ氏は付け加えた。

木曜日に安保理でブリーフィングを行ったグリフィス特使は、最近のフーシ派による攻撃の急増を非難し、マリブの民間人が直面している差し迫った人道上の災難に警告を発した。しかしグリフィス特使はまた、安保理に政治プロセスを活性化させる機会を捉えるよう求めた。

国連のマーク・ローコック人道問題担当事務次長は、イエメンは急速に「ここ数十年に世界で起きた最悪の飢饉」に向かっており、子どもたちはすでに「飢え死にしている」と安保理に警告した。

ローコック氏は「世界は今すぐ行動を起こす必要がある」と付け加えた。

スイスとスウェーデンは、3月1日にジュネーブでイエメンのためのハイレベル援助会議を共催する。アル=ムアリミ氏は、この会議がイエメンの人道的危機の深刻さに対する認識を高めることを期待していると述べ、国際社会に対して、イエメンの人々を支援するために発言するだけでなく行動で示し、援助金を増額するよう呼びかけた。

「必要となる可能性がある適切な助力、寄付、そして物理的な支援で実際にそのコメントを裏付けることなく、状況の深刻さについてコメントすることは、それが国際社会の誰のコメントであっても十分とは言えない」

中でも国連世界食糧計画のデイビッド・ビーズリー事務局長は、湾岸諸国以外の豊かな国々がその他の危機を解決するための取り組みで手一杯になっているという理由で、湾岸諸国にイエメンでの人道的対応のツケを払うよう求めてきた。

「彼らは新型コロナウイルス感染症とその危機による結果として生じた必要性のことについて話している。我々は同じ危機に直面しており、責任を逃れるために危機の背後に隠れているわけではない」とアル=ムアリミ氏は述べた。

「現実はこうだ。イエメンでの人道的必要性は国際社会全体の責任だ。分業ということになると、我々(サウジアラビア)はイエメンや、ついでに言えば他の地域での負担の分担をはるかに上回って負担してきたことになる」

「他人のお金を気前よく使うのは簡単なことだ。湾岸諸国や世界の他の地域に責任を転嫁するのは簡単だ。『最終的な責任は自分が取る』という言葉がある。湾岸諸国だけでなく、国際社会全体も責任を取らなければならない」

フーシ派はイランの支援を受けているが、木曜日の安全保障理事会のブリーフィングでは誰もテヘランのごろつき政権について言及しなかった。「イランの政権のために言い訳を見つけようとするこの宥和政策は、世界全体で裏目に出るだろう」とアル=ムアリミ氏は警告した。

「もうすでに裏目に出ている。世界がしばらく目を瞑っていたとき、イランは核開発を進めて非常に憂慮すべき水準にまで発展させてしまった」とアル=ムアリミ氏は付け加えた。

「そして、イランが開発を続けている核計画に加え、イランによるフーシ派への支援やレバノンをはじめとする中東の他の地域での妨害活動という点で、今も同じことが起こっている」

「イランにはレバノンやイエメン、シリア、イラク、その他の地域に干渉する権利はない。国際社会はその事実を認識し、責任の負担を分担すべき場所に割り当てる必要がある」

アル=ムアリミ氏はインタビューの最後に、状況の激化はしばしば解決策が近づいていることの表れであることを世界各地の危機の歴史が教えてくれていると指摘し、前向きな言葉でインタビューを締めくくった。

「アラビア語には『ichtaddi ya azmatu, tanfariji』という言葉がある。危機を解決するために、人々は自分たちの立場における要求のレベルを上げて戦術的な優位性を獲得し(ようと試み)、近い将来行われる可能性があるいかなる交渉による取引の中でも自分たちの将来的な立場を向上させようとする傾向がある。それを踏まえて、私は最終的にイエメンで包括的な解決に到達することができると楽観的に考えている」と同氏は話した。

「イエメンの状況は、交渉と妥協、そしてイエメン人が共通の運命を持っており、イエメンの困難と相違点を解決するための合理的な結論を見つけるために協力する必要があることを(すべての)イエメン人が理解することを通じた政治的な方法でのみ解決できることを我々皆が知っている」

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